モチベーション向上クラウド

読み方 : もちべーしょんこうじょうくらうど

モチベーション向上クラウドとは

忙しい上司に代わって、部下である現場社員のモチベーション向上を図るクラウドサービス。ストレスチェック制度の開始や離職率低下の課題を踏まえて、相次ぎ登場している。

メンタルヘルスが不調な社員が出ないようにケアを行うことを企業に義務付ける、ストレスチェック制度が2015年12月に始まった。企業も「上司は忙しすぎて、部下に対する対応が不十分。離職率も下がらない」「複数の拠点に分散している個々の社員に、きめ細かいケアはできない」といった課題を抱えがちだ。そういった状況を踏まえ、2015年春以降にモチベーション向上クラウドと呼ばれるサービスが相次ぎ登場している。

実例:社員のケアで売り上げ4割増

具体的には、人材育成事業を手掛ける、もくてき(東京・品川)が2015年4月に開始したクラウドソーシングサービス「YeLL(エール)」や、キーポート・ソリューションズ(東京・中央)が2015年8月に提供し始めた「Willysm(ウィリズム)」がある。

もくてきのYeLLでは毎週、顧客企業の社員1人ひとりに対し、その週に取り組んだ仕事の内容などをクラウドに記入してもらう。それをキャリアカウンセラーなどの資格を持つYeLLの担当者がチェック。取り組みをプラスに評価するコメントや、応援メッセージをクラウド上から返すことでモチベーションを高める。自身の仕事で忙しい上司の代わりに、社員とコミュニケーションを取ってくれるわけである。

さらに部署の方針に沿って社員が自らの仕事の目標を設定したり、修正したりできるように誘導もしていく。社員にとっても、自発的に仕事を進められるようになるメリットが見込める。

社員のケアは業績にもプラスのようだ。もくてきの與良昌浩代表取締役は「既に採用したある企業では、それまで受け身だった社員が顧客に対して能動的に行動するようになり、売り上げが4割アップする成果を得た」と話す。

展開:制度と連動する機能を追加

キーポートのクラウドWillysmは、終業時間間近の午後5時に、社員が使うパソコンに入力画面が自動表示される。社員はこの画面から今の気持ちを「最高」「まあまあ」「よくない」といった3つの選択肢から選ぶのだ。

社員に3つの選択肢を毎日選ばせた結果は、青、黄、赤の3色のヒートマップで表示できる。マネジメント層がこれを見ることで、社員の気持ちの状態変化をつかめるのだ。連日「よくない」を選ぶ社員が出てくれば、マネジメント層はその社員の心のケアに早く動ける。

「ストレスチェック制度の開始に向けて、気持ちが落ち込んでいる社員にストレスチェックを受けさせる機能を追加していく予定だ」と、キーポート・ソリューションの森田昇代表取締役社長は話す。

社員が入力する画面には、「その日よかったと思える出来事」の記入欄を設けている。ポジティブな出来事を振り返る習慣を持つと、気持ちも前向きになってくるという。「ネガティブなときよりも生産性が高まる」(森田社長)といった効果が見込めそうだ。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2016年 7月28日 公開]