SDN

読み方 : えすでぃーえぬ

英語正式表記 : Software Defined Network

SDNとは

IPアドレスや通信経路などの設定作業を、人手を介さずソフトウエアで自動的に行うネットワーク技術の1つ。大規模ネットワークの構築・管理コストの削減が見込めるものとして注目を集めている。

複数のIT(情報技術)システムを接続するためのスイッチやルーターといったネットワーク機器。これらを使えるようにするには、技術者が機器ごとにIPアドレスの指定や通信経路などを設定しなければならなかった。「複数拠点をつなぐ大規模ネットワークを構築する場合、企業の手間とコストが増大している」と伊藤忠テクノソリューションズの溝井英一エンタープライズ技術推進部部長は指摘する。

その解決策として注目を浴びているのが、SDN(Software Defined Network)。ソフトウエアでネットワーク機器を自動的に設定・制御するネットワーク技術だ。

「SDNコントローラ」と呼ぶ専用ソフトに、個々のネットワーク機器に内蔵されている制御用ソフトを集約。各機器のIPアドレスの指定や通信経路の設定を集中的に行うことにより、設定作業の手間を大幅に軽減する。SDNコントローラを使えば、「混み合った経路を自動的に避けてデータを送る」ことも可能になる。

動向:技術標準化で普及始まる

この仕組みを考案したのは、米スタンフォード大学の研究者たちだ。2008年以降、彼らが中心となって実証実験を重ねた末、2011年に「Open Networking Foundation (ONF)」という標準化団体を設立。米グーグルやNTTコミュニケーションズなどの技術者も集まり、SDNの考えに基づいて、ソフトで制御できるネットワーク機器の仕様「OpenFlow」を策定している。

2011年にはNECが世界初のOpenFlowに準拠したスイッチを発売。以降、業界最大手の米シスコシステムズや、米ヒューレット・パッカード、米ビッグ・スイッチ・ネットワークスなども参入している。

多数のネットワーク機器を運用するデータセンター事業者や通信事業者が自社のネットワークにSDNを採用する動きも活発だ。「SDNを導入すれば、管理コストを削減できるため、サービス料金の競争力が高まる」。ネットワンシステムズの篠浦文彦執行役員はこう話す。

高度なネットワークサービスを提供するには従来、1台数千万円もする機器が必要だった。これに対しOpenFlow準拠のネットワーク機器1台当たりの価格は数百万円。導入コストを抑えることができる。

効果:期間は2週間から10分に

SDNは、事業者が管理するネットワークの一部を、ユーザー企業が専用網として使えるようにする「仮想化」にも有効である。「従来は2週間ほどかかっていたネットワーク構築作業を、SDNの仮想化サービスを使うと10分で済む」(NECビッグローブの田口敏宏エキスパート)。

「ウイルス感染したパソコンを発見したら、ネットワークから自動的に切り離す」(NTTデータの永園弘基盤システム事業本部第三技術担当課長)など、事業者はSDNにより多様なサービスを機動的に提供できるようになり、それが企業に多くのメリットをもたらす。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2014年 6月 4日 公開]

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