SIMロック解除義務化

読み方 : しむろっくかいじょぎむか

SIMロック解除義務化とは

携帯電話を特定の通信会社の回線以外では使えなくする設定「SIMロック」を、消費者が一定の条件下で解除できるように、通信会社に義務づける総務省の施策。

NTTドコモのスマートフォンはドコモ回線専用、同様にKDDI(au)のスマホはau回線専用。通信会社を乗り換えるなら、端末も買い直さなければならない―。日本ではそれが常識だった。

ところが2015年の夏モデル以降、この仕組みが大きく変わった。通信会社を乗り換えても、それまで使っていた端末を使い続けられるようになった。大手3社のほか、プロバイダーなどの新興企業が提供する「格安LTE」の回線を含め、回線の契約先を選びやすくなった。

背景:競争で活性化を図る

スマホなどの端末が特定の通信会社専用になっている「SIMロック」は、世界では少数派。欧州や中国、東南アジアなどの大半は、回線契約と端末購入が完全に分かれている。通信会社で契約して「SIMカード」と呼ばれるICチップを受け取り、別途家電量販店などで購入した好みの端末に挿して使うのが一般的だ。端末はどの通信会社のSIMカードでも制限なく挿せる「SIMフリー」が普及している。

日本でSIMフリーが広がらなかったのは、通信各社の電波の種類や周波数が大幅に異なるほか、各社が「iモード」などの独自サービスを進化させてきた経緯があるためだ。

しかし総務省は、「通信会社を乗り換える際に端末の買い直しが必須で乗り換えの障壁になる」「独自の端末を開発する体力がない新興の格安LTE事業者が大手3社と競争できない」といった点を問題視。大手3社にSIMロックの解除を義務づけることで、契約者が乗り換えやすい環境を作り、競争を促進させたい考えだ。

効果:コスト削減、端末多様化も

SIMロック解除の義務化によるメリットは法人にもある。端末を買い直すことなく、大手3社や格安LTEの回線品質、月額料金を比較検討して柔軟に変更でき、通信コストを削減しやすくなる。

格安LTEの採用例も増えている。例えばダイキン工業は、空調機の修理業務用にタブレットを800台導入。うち300台に格安LTEを採用した。靴の修理や合鍵サービスなどを手掛けるミニット・アジア・パシフィックもPOS(販売時点情報管理)レジの通信モジュールに格安LTEを使うことで、運用コストを削減している。

中長期的にSIMフリーが普及していけば、これまで大手通信会社の枠組みでは開発が難しかった多彩な業務用端末の開発が進むといった効果も期待できそうである。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2016年 4月21日 公開]