情報共有標準ラベル

読み方 : じょうほうきょうゆうひょうじゅんらべる

情報共有標準ラベルとは

サービスを提供する事業者がパーソナルデータを活用する際、難解で長文の利用規約ではなく、食品の成分表示ラベルのように簡素化して示す手段。利用者の明示的な同意を得るため考案された。

東日本旅客鉄道(JR東日本)がIC乗車券「Suica(スイカ)」の乗車履歴などを日立製作所に販売するというビジネスが、一時中止に追い込まれた。JR東日本がスイカの乗車履歴を第三者の企業に提供することを利用約款で利用者に説明して同意を得ていなかったためだ。

動向:経産省が紹介

パーソナルデータを利用するには、約款で事前の同意が必要である。パーソナルデータとは個人情報保護法に規定する「個人情報」に限らない。位置情報や購買履歴など個人識別性のない情報も含む。プライバシーの侵害を防ぐ必要があるからだ。

ただし、長文の利用約款を読ませて同意を得るのは難しいものである。ましてや利用者が内容を理解していないのに形式的に同意させたり、不信感を持たせてはいけない。

そこで食品の成分表示ラベルのように、どの情報をどのように扱うのかを分かりやすく示して同意を得る具体的手法の1つが「情報共有標準ラベル」である。2013年5月に経済産業省の「IT融合フォーラムパーソナルデータワーキンググループ報告書」で紹介された。

経産省のワーキンググループは、約款による許諾には2つあると指摘した。1つはサービスを提供する事業者が、利用者にサービス利用を許諾すること。もう1つは逆に、利用者が事業者に利用者自身の情報の利用を許諾することである。事業者がサービス提供に必要最低限の情報を利用する場合は、利用範囲と目的を通知するだけで済む。

一方、サービス提供以外の目的で情報を活用するには、明示的に有効な同意が必要だとしている。「取得するパーソナルデータの種類や利用目的」や「取得情報の必須度」「第三者提供の範囲の明示」などを簡潔に示す必要がある。

情報共有標準ラベルは、米国で発足した官民からなる独立団体が考案。経産省のワーキンググループメンバーで、団体の国内理事を務める崎村夏彦・野村総合研究所上席研究員が2012年7月に日本で紹介して注目された。

情報共有標準ラベルは、事業者が提供するサービスや、スマートフォンのアプリケーションごとに作る。簡略化されるので具体的な利用目的を書いても「スマホの1つの画面に収まる」(崎村氏)と言う。

効果:ベンチャーのメリット大

ラベルが機能するには、審査・認証などを担う機関が必要だ。例えば民間の認定団体が第三者の立場でお墨付きを与え、事業者が信頼を得られるようにするのだ。逆に事業者が不必要な情報を要求したり、利用者をだますような欺瞞ぎまん的行為をすれば、何らかの公的制裁が科される仕組みも必要である。

こうした仕組みが整えば、起業したばかりでブランド力のないベンチャーが開発したアプリでも、利用者の信頼を得やくなる。崎村氏は「日本経済の成長戦略として非常に重要」と指摘する。

出典:ITpro「今日のキーワード」(C)日経BP社

[2014年 8月27日 公開]

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