欠品補充の作業効率が大幅改善。店舗在庫数の適正化を実現しつつ販売機会ロスを低減

  • アパレル業

「ORiental TRaffic」(オリエンタルトラフィック)などの自社ブランドで婦人靴の企画・販売を行う株式会社ダブルエーは、IPO(株式新規公開)に備えて基幹業務システムを刷新すべく、大塚商会からアパレル業向け販売管理『SMILE V ApaRevo』を導入した。欠品補充の作業効率が大幅改善するなど多くの効果が表れた。

株式会社ダブルエー

導入先の概要
業界靴製造・小売業
事業内容婦人靴の企画・販売
従業員数533名(アルバイト含む、2020年9月現在)
ホームページhttps://www.wa-jp.com/
導入前の課題
  • IPOに対応して基幹業務を刷新する
  • 全バリューチェーンで業務効率アップを図る
導入したソリューション
製品カテゴリー製品名
アパレル業向け基幹業務システムSMILE V ApaRevo
輸入管理システムPORTNeT
改善効果
  • 在庫管理のスピードが速まり、顧客満足が向上。待ち時間の短縮へ毎日4名で40分以上かけていた本社からの補充指示が、4名から1名で行えるように
DX化のポイント
  • 『SMILE V ApaRevo』を導入し、上場企業としての会計監査に対応し得る体制を整える
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導入事例詳細

「ORiental TRaffic」など自社ブランドの婦人靴を企画・販売

株式会社ダブルエーは、「ORiental TRaffic」や「WA ORiental TRaffic」(ダブルエー オリエンタルトラフィック)など、自社ブランドの婦人靴を企画・販売する企業だ。2002年2月に東京・下北沢に1号店をオープンすると、駅ビルへの出店を機に人気が高まり、2018年には国内累計100店舗を突破する急成長を遂げている。その原動力は、商品の企画・デザインから生産・物流・販売までを自社で手掛けるフットワークの軽さを武器に、売れ筋商品をタイムリーに提供し続けてきたことにある。従業員の平均年齢29.5歳(2020年9月末時点)はメインブランド「ORiental TRaffic」のターゲットの年齢層と重なり、顧客本位の商品開発やサービス提供において強力な力を発揮していることは間違いない。

「商品企画力、販売力、高度な流通体制が私たちの強みだと思っています。トレンドをいち早くつかみ、すばやく商品化することで事業を拡大してきました。おしゃれで高品質でありながら、5,000~6,000円前後の手軽な価格で購入いただける点は、多くのお客様から支持されています」と、同社 経営管理部 シニアマネージャーの中村 会里氏は話す。

経営層、本社社員、店舗スタッフなどで分け隔てなく、意見を出しやすい風通しのよさも同社の強みといえそうだ。全ての商品は同一価格のまま21.5~26.5cmまで用意され、オンラインストアには社員が実際に履いた試着コメントを素直に掲載している。お客様の十人十色の靴選びに役立ててほしいという社員の思いが反映された結果だ。オープンな意見交換から、次々と新しい商品や取り組みが生まれ、ビジネスを前進させる好循環となっている。また、新型コロナウイルスの感染拡大の中、医療従事者に2万2,000足の婦人靴を無償提供するなど、社会貢献活動も積極的に行っている。

上場企業に求められる体制への刷新を目指す

同社は2018年9月、販売管理のために使用していた基幹業務システムを、大塚商会のアパレル業向け基幹業務システム『SMILE V ApaRevo』に刷新することを決定した。旧システムのサポート終了期限が迫っていたことも理由だが、本質的な目的は約1年後に迫っていたIPOを見据え、上場企業に求められる会計監査に適応したシステムに刷新することにあった。

『SMILE V ApaRevo』を選んだ理由には、売り上げや仕入れ、在庫など、会計報告に必要な数字が正確かつタイムリーに出せる機能面に加え、わずか1年という短い期間で無理なく導入できる計画を提示した、大塚商会の提案力を評価したこともあった。

「IPOの日程は既に決まっていたので、導入予定を遅らせることはできませんでした。多くのベンダーが『たった1年での導入は難しい』と尻込みする中、唯一、大塚商会さんだけが対応可能なスケジュールを提示し、手を挙げてくれました」(中村氏)

経営管理部 シニアマネージャー 中村 会里氏

経営管理部 シニアマネージャー 中村 会里氏

無理なく導入するためにスケジュールを2段階に

大塚商会は2段階に分けた導入スケジュールを提示したという。まず第一段階として、2019年2月からパッケージ機能のみで『SMILE V ApaRevo』を稼働させる。その後、第2段階として、実際に運用を開始しながら現場のニーズや課題を吸い上げて要件を定義し、その内容に沿ってカスタマイズした『SMILE V ApaRevo』を2019年11月から稼働させるという計画だ。この計画は順調に進行し、同社は予定どおり2019年11月にIPOを実施し、東京証券取引所マザーズ市場へ上場を果たした。

第1段階の導入が完了し第2段階のスタートまでの間、既存の基幹システムを並行稼働させながら、『SMILE V ApaRevo』にも同じ数値を入力していくという作業が半年余りにわたって行われた。

「使いやすいシステムなので、ほとんどの社員がさほど苦労することなく使いこなせるようになりました。操作を覚えた本社スタッフが店長に、店長から店舗スタッフへとレクチャーする方式で、実際に触ってもらいながら覚えていきました」と語るのは、同社 商品部 生産 シニアマネージャーの安持 千夏氏だ。「使い方を早く教えてください!」という積極的な声も上がったという風通しのよいコミュニケーションがある同社では、一堂に会する研修スタイルではなく個別レクチャー方式によって、操作方法がスムーズに浸透していった。

商品部 生産 シニアマネージャー 安持 千夏氏

POS端末への影響を抑えるため段階的な切り替えを行う

同社は第1段階時の社員の反響をみながら、大塚商会とともに「どの部分をカスタマイズすべきか?」という要件定義を行った。中でも注意を払ったのは、社員が違和感なく操作できるUI(ユーザーインターフェイス)にすることだ。大塚商会は、以前の基幹システムを参考にしながら、なるべくそれに近いUIを再現するように心掛けたという。

「カスタマイズを進めていくうえで、特に苦労したのは社内調整でした」というのは中村氏だ。『SMILE V ApaRevo』は、生産から物流、営業、店舗に至る全てのスタッフが使用するので、それぞれの機能や使い勝手に関する要望に配慮しなければならない。そのうえで、各部署の意向を吸い上げ、より効率的運用ができるよう導入スケジュールの優先順位を決めることにも苦労したという。

懇切丁寧な対応で課題を克服する

中には、「従来のシステムができたことは、最低限できるようにしてほしい」というリクエストもあった。しかし、以前の基幹システムのプログラム仕様がほとんど残っておらず、特にシステム間連携の仕様等についてはブラックボックス化していたため、仕様調査から始めて詳細仕様に落とし込んでいく作業は、かなり難航したという。

安持氏は「社内からどんな問い合わせがきても、『こんな解決方法があります』、といつも分かりやすく、丁寧に対応してもらえました」と、大塚商会の対応力を高く評価している。

また、各店舗のPOS端末への接続を、以前の基幹システムから『SMILE V ApaRevo』に切り替える作業にも苦労した。店舗数が多く、POS端末側の全店一斉切り替えが難しい状況だったため、100店舗を約1カ月間で徐々に切り替えていくシステム移行計画を立て、新旧システムでデータの不整合が発生しないよう切り替えを実施した。このような課題を乗り越え、2019年11月、予定どおり同社はカスタマイズされた『SMILE V ApaRevo』を稼働させる「第2段階」に突入した。

経営指標の「見える化」で意思決定のスピードアップに期待

『SMILE V ApaRevo』の導入によって、同社はさまざまな業務改善効果を得ることができた。中村氏は、店舗での在庫管理の精度が向上したことを効果の一つに挙げる。

「在庫管理のスキルには、ベテランと新人とでばらつきがあるものですが、『SMILE V ApaRevo』を導入したおかげで、誰でもデータに基づく正確な判断ができるようになり、経験の差がなくなりました。店舗ごとの在庫の効率化と、利益拡大に結び付いています」(中村氏)

業務管理本部 経理財務部 次長 栁 亜湖氏

また、店舗ごとに販売した商品の補充出荷指示は、以前は本社ディストリビューター4~5人が30~40分かけて行っていたが、『SMILE V ApaRevo』を導入してからは1人で行えるようになったという。人件費が大幅に削減できただけでなく、データに基づいてタイムリーな補充が行えるようになったことで、販売機会ロスも低減した。

さらに、同じ型番の靴でも色やサイズ違いなどSKU(商品の最小管理単位:品番)が多い同社にとって、どの商品の在庫が、どこにあるのかをすぐに探せるようになったことは、「お客様からの問い合わせに迅速に対応できるので、接客に集中でき販売力強化にも結び付いていると思います」と中村氏は高く評価している。

導入プロジェクトは「第3段階」へ

ほかにも、配送業者の管理と手配が容易になったことや、100店舗までの管理を前提としていた以前の基幹システムよりもスムーズで安定した稼働が実現できていることなど、同社はさまざまな点で導入効果を実感している。

『SMILE V ApaRevo』ならではの自由帳票機能を使って、さまざまな切り口の経営指標が作成できるようになったことも大きな成果だという。「今までは表計算ソフトを使って作成したレポートを代表に提出していましたが、代表自らが欲しいときに欲しいタイミングで必要な情報を入手できるので、意思決定のスピードも速まるのではないでしょうか」と中村氏は語る。

同社の『SMILE V ApaRevo』導入プロジェクトは「第3段階」に入っており、今後はAIやRFIDを使った物流の合理化などを進めていく予定だ。中村氏は、「さらなる合理化や販売力強化を推し進めていくため、これからも大塚商会さんの力強いサポートに期待しています」と語った。

業務管理本部 経理財務部 次長 栁 亜湖氏

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