各種システムをシームレスに連携させてオムニチャネル化やO2Oの環境を整備し、業務負担の軽減と顧客サービスの拡充を図る

  • アパレル業

株式会社KSプランニングは、2003年に株式会社近藤紡績所の100%子会社として設立されたアパレル企業だ。1998年から続くTシャツをメインとした自社ブランド「Laundry」は、主に30〜40代の女性層に根強い人気がある。同社は、リアル店舗とオンラインショップの双方の売り上げを伸ばすために、オムニチャネル化やO2Oの環境を整備することが喫緊の課題だった。今回、アパレル業界向け販売管理システムと高機能モバイルPOSレジ、さらにスマートCRMプラットフォームとのシームレスなデータ連携を実現することで課題をクリアし、予想以上の成果を上げている。

株式会社KSプランニング

導入先の概要
業界アパレル業
事業内容衣料用繊維製品の企画および製造、販売、輸出入ならびにその仲介
従業員数115名(2018年11月現在)
ホームページhttp://www.laundry038.com/
導入前の課題
  • オムニチャネル化やO2Oの環境を整備したい
  • 店舗スタッフの集計業務の負担を軽減したい
  • 店舗とオンラインショップの顧客サービスを統一したい
導入したソリューション
製品カテゴリー製品名
アパレル業向け販売管理システムApaRevo II
高機能モバイルPOSレジスマレジ
スマートCRMプラットフォームbetrend
改善効果
  • 店舗と本社のシステム連携でスタッフの業務負担が軽減された
  • オムニチャネル化やO2Oの業務基盤が整い、売り上げ増に結び付いた
  • 会員証アプリの活用で店舗とオンラインショップのポイント管理を統合できた
DX化のポイント
  • リアル店舗とオンラインショップ、本社と店舗間のシームレスなデータ連携を実現
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導入事例詳細

Tシャツをメインとしたアパレルブランドを展開

Tシャツをメインとしたアパレルブランド「Laundry」の企画/製造/販売事業を展開する、株式会社KSプランニング(以下、KSプランニング)。現在は名古屋市の本社と東京オフィスの二拠点を有し、常設の27店舗に加え、商業施設のイベント時などに期間限定のワゴン販売なども行っている。また、自社サイトのオンラインショップの運営にも力を注いでいる。「もともと、渋谷の5坪の小さな店舗でTシャツを販売したのが始まりです。Tシャツを一つのキャンパスにして、そこにさまざまなストーリーを描くことで、30年、40年後も愛される未来のビンテージを作る思いで商品開発に努めています」とLaundry事業部 MD・ECチームリーダーの高橋 雅紀氏は語る。

その後、レディースやキッズ向けの商品を拡充しながら人気ブランドへと成長を遂げた。だが、現在のアパレル業界は、一部の大手だけが業績を伸ばし、中小のブランドは苦戦を強いられているのが現状だ。その中で勝ち残るためには、リアル店舗とオンラインショップの相乗効果を図るオムニチャネル化やO2O(Online to Offline)の施策を強化する必要があるという。「例えば、リアル店舗でお客様が希望されている商品のサイズがないときに、その場でオンラインショップから取り寄せて好きな店舗で受け取れるようになれば、お客様の満足度は確実に高まり、会社全体の売り上げアップにつながります。そのためには、既存のIT環境の見直しが必要不可欠でした」とLaundry事業部 プレス担当の佐久間 菜摘氏は語る。

親しみやすいキャラクターを用いたアパレルブランド「Laundry」は、特に30~40代の女性層に人気があり、全てのアイテムを買いそろえるコアなファンも多い

店舗と本社、オンラインショップのシステム連携を図る

KSプランニングは、以前からアパレル業界向け販売管理システム『ApaRevo SPA』を本部に導入して運用していたが、店舗側のPOSシステムとはまだ連動していなかった。各店舗では、簡易的なレジで商品の精算を行い、閉店後に集計して本社へ売り上げの報告を行っていた。「店舗によっては、商業施設の閉館時間に合わせて夜10時まで営業しているところもあります。しかし、閉店後に売り上げの集計や報告業務を行うと、店舗スタッフの帰宅時間が必然的に遅くなってしまいます。また、実際の金額と集計結果が合わない場合には、集計し直して確認しなければなりません。そういった店舗スタッフの業務負担を軽減し、就労環境を改善することも重要な課題の一つでした」(高橋氏)

さらに、自社サイトのオンラインショップは、株式会社LIMEのECサービスを単独で利用していたので、店舗側の顧客情報や在庫情報と連動していなかった。しかし、オムニチャネル化やO2Oの施策を実施するためには、店舗とオンラインショップのデータの一元化を図ることが不可欠だ。
そこで、大塚商会に相談し、2017年7月にアパレル業界向け販売管理システムを『ApaRevo II』へバージョンアップし、全店舗に高機能モバイルPOSレジ『スマレジ』を導入した。さらに、会員管理のためのスマートCRMプラットフォーム『betrend』を導入し、これらを連携させることで、リアル店舗とオンラインショップのデータを一元的に管理できる業務基盤を構築することにした。

『ApaRevo II』で店舗とオンラインショップの販売管理の一元化を実現している

スマートフォンで利用できる会員証アプリを有効活用

今回のシステム構築は、各システムが一定の役割を担いながら、シームレスなデータ連携を実現していることが大きな特長だ。本社で運用している『ApaRevo II』が販売管理全般を担い、全店舗に導入した『スマレジ』の売り上げや在庫情報をリアルタイムに取り込んでいる。また、オンラインショップの売り上げや在庫情報も自動で集約、両者のデータを一元管理している。さらに、『betrend』上でスマートフォン用の会員証アプリを開発し、API連携によって『スマレジ』とECサイトとのデータ連携を実現できたため、店舗とオンラインショップの会員の顧客情報や購買履歴などの一元管理が可能となった。

会員証アプリで店舗とオンラインショップの顧客サービスを統一

今回のシステム開発では、それまで店舗とオンラインショップで別々に運用していたポイントサービスを『betrend』の会員証アプリで統合することが最重要課題だった。「オンラインショップでは、以前からポイントサービスを導入し、お客様が商品を購入すると100円で1ポイントずつ付与し、次回以降の買い物時に1ポイントから利用できるサービスを提供していました。ところが、店舗では、紙のスタンプカードをお客様に手渡し、ポイントがたまったら商品やノベルティグッズと交換していました。同じ商品を販売しているのに、ポイントサービスの内容が異なるのはお客様に混乱を招く恐れがあります」(高橋氏)

そこで、『betrend』の会員証アプリを導入し、店舗に来店した顧客に対しても、オンラインショップと同じポイントサービスを受けられるように工夫を施した。また、オンラインショップでは、顧客が一定期間に購入した金額に応じてランク付けを行っている。例えば、シルバーランクは3%、ゴールドランクは5%、プラチナランクは7%の割引特典が付与され、ランクが高いほどレア商品が入っている福袋を先に購入できる。「これまでは、オンラインショップのみの特典でしたが、今回の会員証アプリにより、店舗のお客様にも同一のサービスを提供できるようになりました。これにより、店舗とオンラインショップの顧客経験をシームレスにすることができました」(高橋氏)

『betrend』で開発した会員証アプリの活用で売り上げを着実に伸ばしている

店舗スタッフの業務負担を軽減しながら売り上げ増を実現

今回のシステム連携によって、店舗の『スマレジ』の売り上げデータが本社側の『ApaRevo II』にダイレクトに取り込めるようになった効果は非常に大きい。店舗スタッフは煩雑な集計作業や報告業務から解放され、残業時間の削減に結び付いている。「店舗スタッフからは、以前のように閉店後に残って作業を行う必要がないので、業務負担が一気に軽減されたと大変好評です」(高橋氏)

一方、本社のスタッフは、各店舗への営業面のアドバイスがしやすくなったという。以前は、店舗に足を運ばないと、実際にどんな商品が売れているのか分からなかったが、現在は『ApaRevo II』上で、いつでも商品の売れ行き動向を把握できるからだ。「例えば、ほかの店舗ではよく売れているのに、A店舗ではあまり売れていない商品があることが判明した場合には、その店舗のスタッフに商品のレイアウト変更指示を行うなど、本社にいながら即座に対応策を打ち出せます」(高橋氏)

また、全店舗の在庫状況もリアルタイムに確認できるので、各店舗の売れ筋商品の在庫を増やすことで、販売機会の損失も未然に防げるようになった。

スクラッチ機能で顧客の囲い込みに成功

KSプランニングでは、会員証アプリを活用した販売促進の施策を積極的に展開している。その一つが、会員が1日1回、スマートフォンのスクラッチ画面を指でこすることで一定のポイントが付与されるスクラッチゲームだ。「スクラッチゲームは、最大で500ポイント当たるので頻繁に利用されています。その際、会員証アプリのトップ画面に表示されるイベント情報なども目に入るような仕組みとなっていることが、お客様と継続的な関係を維持するうえで大いに役立っています」(佐久間氏)

2018年9月の会員証アプリの配信開始時には、約1カ月間、販促キャンペーンも実施。会員証アプリに新規登録すると1000ポイント、さらにオンラインショップの会員登録をすると500ポイントを付与するという内容だったため、顧客からは非常に好評だったという。「現時点では会員証アプリの登録数は1万2,300件以上、オンラインショップの会員数も急増しています。いずれも当社の予想を大きく上回っており、店舗とオンラインショップの売り上げは着実に伸びています」(佐久間氏)

今後も会員証アプリの機能をフル活用し、地域限定のクーポンの発行や、キャンペーン情報のプッシュ配信などを行うことで、さらなる売り上げ増につなげていく考えだ。

会員証アプリ内にあるスクラッチゲームは顧客の囲い込みに一役買っている

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