ITとビジネスの専門家によるコラム。経営、業種・業界、さまざまな切り口で、現場に生きる情報をお届けします。
アフターコロナを見据えたEC多店舗運営のバックヤードとは?
スマートフォンケース「iFace(アイフェイス)」を販売しながら、在庫や受注状況を一元管理するクラウド(SaaS)型ECプラットフォーム「ネクストエンジン」を提供しているHamee(ハミィ)の日橋氏が、アフターコロナを見据えたECにおける多店舗運営のバックヤードについて語ります。
アフターコロナを見据えたEC多店舗運営のバックヤードとは?
「ネクストエンジン」は売り上げの効率化を図り、ECのバックオフィス業務を限りなく自動化することを目指しています。アパレル業界を筆頭にEC事業を営む3,790社、2万9,000店が採用、SaaS型ECプラットフォームでの対応数はトップクラスを誇ります。
新型コロナ禍を経たECと実店舗の関係の変化
日橋 正義氏
Hamee株式会社チャネルセールス部マネージャー
まず新型コロナ禍において、ECの利用が拡大していることを強調。「ネクストエンジン」の処理件数は、3月は前年同月比25%増、4月は67%増、5月は62%増で、データから見ても明らかに伸びています。こうした状況下で、消費者を自社のサイトに呼び込むには、ターゲット層に合わせた店舗づくりを行い、多店舗展開が有効になるとみます。
ただ、魅力ある店舗づくりやプロモーションに力を注ぐためには、企画から制作・実行を手掛ける人材と多くの時間が必要になります。そして販売するアイテムの数や売り上げが増えるほど、バックエンドのフルフィルメントも膨大で複雑さを増します。そこで有効になるのが「ネクストエンジン」です。
コロナ禍でのネクストエンジンユーザー全体の状況
ネクストエンジンで行うEC業務効率化
「ネクストエンジン」はEC事業運営に必要な約200種類の機能があり、主な機能は
- 受注管理機能
- 在庫連携機能
- ページ管理機能
- 他社システムとの連携機能
の四つです。
受注管理機能の特長は、受注APIやCSV、受注メールを介して集められた受注データを取り込んだ後、「目を通してから行う出荷注文」と「目を通さず出荷できる注文」を自動的に振り分けられることにあります。この機能によって9割がノーチェックで出荷できるといい、「新型コロナでECが急拡大しても対応できる」と強調します。
受注管理機能の特徴
商品ページ情報をネクストエンジンに登録すれば複数のショップに一斉に形成が可能
在庫連携機能は、管理画面で1回在庫数を入力するだけで、各サイトに同じ在庫数を反映させることができます。例えば、一つのサイトで「商品が1個売れた」という情報が入れば、各サイトの在庫を一斉に1個減らします。アイテム数がゼロになるまで完全に売り切ってしまう「売り切り在庫設定」、残り在庫が何個になったらどこの店舗のみに絞って販売するという「振り分け在庫設定」も可能です。ページ管理機能は商品情報をネクストエンジンの商品マスターにアップすると、複数のショップに同時に掲載できるという機能というものです。
「ネクストエンジン」はAPIを公開しているため、スマートフォンのような追加アプリのように他社機能との連携が可能なのも大きな特長です。将来的にはデータプラットフォームのようなスタンスを目指しており、「ネクストエンジン」をハブにしてさまざまなサイトや基幹業務システム、レジや倉庫のシステムと連携できるアプリの公開を進めています。
大塚商会提供のアパレル向け販売管理システム「ApaRevo(アパレボ)」や一般的な「SMILE 販売」との連携も推進。最近では「Shopify(ショッピファイ)」との連携も可能になりました。
アパレル・ライフスタイル業界向け 特設サイト「ライフデザインナビ」
ファッションから雑貨まで。生活を彩る業界をITでサポートする情報サイトです。業態別のシステム導入事例やお困りごとに対する課題解決方法など、アパレルやライフスタイルを扱う皆さま向けのコンテンツをまとめてご提供しています。
企業が目指す方向性によって、必要となる製品やソリューションは異なります。大塚商会では「ApaRevo」を中心に、取り扱うさまざまな商材の中から最適なソリューションをコーディネートして、お客様の業務改善をご提案します。