コロナ禍における実店舗の役割と変化
従来のようなお店で来店を待つプル型ではなく、どれだけお客様にアプローチしていくかというプッシュ型の顧客接点が重要になったと感じます。
また、デジタル上でのコーディネート表現力や、文章力なども必要なスキルになっていくでしょう。評価基準も大きく変わると考えています。以前は売り上げや収益といった部分が大きかったと思いますが、それにプラスしてブランドへのエンゲージメントの深さや数も評価基準になると考えています。
デジタル強化への課題とタスクの洗い出し
ECの売上を構成する三つの要素として
があります。
これに関してどういったタスクをこなしていけばいいのか徹底的に洗い出していきました。結果的に100個近くのタスクが洗い出され、これらの課題をどれだけ克服していけるかがこれからにECの強化につながっていくと考えています。
- (注1)ARPU(Average Revenue Per User):1ユーザーあたりの平均収益をあらわす指標。
- (注2)CVR(Conversion Rate):転換率。コンバージョン数 / サイトへの訪問数(セッション数)×100(%)で算出。
タスクのプライオリティ決定とKPI設定
数多くのタスクをマトリックス分析で優先順位をつけていきました。実現難易度と実現速度でマトリックスの表にし、大きく三つの2021年の重点施策を設定しました。その最も重要な施策がOMO(注3)と考えています。
- (注3)OMO(Online Merges with Offline):ネット上とネット以外の店舗などの垣根を超えたマーケティング概念。
卸売り先とECを連携させていくことは難しく、ここをどう融合させていくかが大きな課題になっています。現時点では、自社サイトのフォーマルメッセージでも、百貨店でも商品の取り寄せができるというサービスを導入しています。
また、取り置きサービスも実施しています。店頭在庫とのデータ連携をして、サイト上で百貨店提携店の店頭在庫の確認と取り置きをすることができます。取り置き後に来店したお客様のコンバージョン率は60%を超えています。