~理論政策更新研修事業の実施にあたって~
「中小企業診断士」は、中小企業にとっての強力な助っ人。多くの企業経営者に診断士のパワーを知っていただく後押しをしたい

中小企業診断士に中小企業支援の機会と能力育成の場を提供したい

中小企業診断士が企業経営においてサポート対応可能な範囲は大変広い。しかし、残念なことに、「中小企業診断士」という資格の認知度は上がっているものの、その職務内容については「中小企業診断士って、何ができるの?」といった声が聞こえてくる。「診断士の仕事と力」を社会に正確に伝え、診断士の活躍の場を広げるために何ができるか、株式会社プロデューサー・ハウス 代表取締役社長 堀切 研一氏と弊社山口大樹の二人が、大塚商会が新たに提供する「理論政策更新研修」について語る。

中小企業診断士が活躍できる場を広げたい

山口:大塚商会が提供している「経営支援サービス」は、中小企業診断士(以下診断士)の皆さんとの協業を軸にスタートしたサービスです。おかげさまで現在ご登録いただいている診断士は、400名を超えるまでに成長しました。日々の活動の中で、多くの診断士の方とお話をしていく中で、診断士の活躍の場をもっと広げることはできないであろうかと強く感じるようになってきました。

堀切氏:私も同じようなことを感じています。しかし、診断士が活躍する場を拡大するためにマーケティングを行うといったことではなく、スタート地点として「診断士」の認知度を高めることが必要だと考えています。

山口:「中小企業診断士」という資格は、日本経済新聞の発表で「取得したいビジネス関連資格」で1位になるなど、人気資格の代表選手です。多くの方が、そのような資格があることをご存じです。実際、企業経営者の中で、中小企業診断士という資格に対する認知度は高くなっていると思うのですが、「何ができる資格なのか?」、「何をお願いすると依頼した企業にとってメリットが得られるのか」、といったその中身に対する理解度が必ずしも高くはないという現実に直面することが少なからずありますね。

堀切氏

堀切氏:そうですね、言葉としての「診断士」ではなく、作業者としての診断士という視点から認知度を上げる必要があると思います。

診断士を育てるのも診断士の大切な役務

堀切氏:中小企業診断士という士業の特徴のひとつに、「協力」があると考えています。御社が提供している経営支援サービスもある意味では「協力」が生み出したものですよね。弁護士、税理士、司法書士といった士業はライバル関係にあることが多いですが、診断士は違っています。仕事に対して「協力」が診断士の特徴だとしたら、協力して「育てる」ということも診断士の特徴だと思うのです。

山口:なるほど、確かにそうですね。堀切さんが積極的に行われている「取材の学校」は、若手診断士を育てる活動の一つなのですね。

堀切:はい。中小企業診断士は、1次試験合格後、二つの異なるアプローチで受験された方に分けることができます。一つは2次筆記試験・口述試験を突破して合格された方。もう一つは、養成課程・登録養成課程実施機関で養成課程を受講して資格を取得された方、です。試験はペーパーテストが中心になっているので、合格したらすぐに診断士の業務を円滑にすすめられるかと言えば、それほど簡単ではありません。最初の関門は、ヒアリング、インタビューといった作業です。

大塚商会 山口

山口:若手診断士が、自身の親と、あるいは親よりも年齢が上の経営者に話を聞くというのは難しいですしね。でも、経営者がどのように考え、そのような思いを持っているのかを正確に把握できなければ、提案する内容にも影響が出てきますしね。

堀切氏:年配の経営者の中には、ご自身の子どもと同じように感じられるのか、「育てている」といった意識を持ちながら診断士に接してくださる方もいらっしゃいますが、全員がという訳ではありません。診断士になって最初の関門ともいるインタビュー(取材)を行うためのスキルを身につけていただくために開講しているのが「取材の学校」です。

山口:堀切さんは、「取材の学校」以外にも、診断士サポートの取り組みを積極的にされていますよね。

堀切氏:ユニークなものとしては、「ビズストーム」というビジネスゲームですね。診断士の中で、実際に企業経営をされた経験をお持ちの方はそれほど多くはありません。そこで「ビズストーム」という経営シミュレーションゲームで、経営に必要な要素を学び、実践につなげることができるようにと考え、提供しています。さらに、「講師の学校」という講師を目指す方に向けた講座、セミナーに向けたコンテンツ開発なども行っています。いずれも、「若手中小企業診断士の育成」を基盤にしています。

診断士集団の活躍できる場を広げ、中小企業を元気にするために

山口:今回、大塚商会は理論政策更新研修事業に参入することになりました。これは、診断士の資格を取得したけど、活動を休止している、あるいは資格更新をせずに、失効させてしまっている診断士の方が少なからずいらっしゃるということです。せっかく苦労して取得した資格を生かしていない、生かすことができない、という問題があり、これを何とかしたい、と思ってのことです。

堀切氏:そうですね。診断士には、「資格更新」が必須とされていますが、更新のハードルが高いということがありますね。診断士の更新は5年ごとですが、この5年の間に、知識要件、実務要件という二つの要件を満たさなければなりません。

山口:特に、実務要件における更新要件を満たすために苦労している多くの企業内中小企業診断士の方にお会いしました。「経営支援サービス」ではそのような悩みを持つ診断士の皆様と、企業の健康状態を専門家の診断士に診断してもらいたい。という中小企業経営者をマッチングし実務従事に携わる機会を提供しております。そして「経営支援サービス」を通じて知り合った多くの診断士から理論政策更新研修を大塚商会が提供したらぜひ受講したいとのお声がけを頂きました。経営支援サービスを通じて培ってきた中小企業への経営支援のノウハウや、多くのお客様の経営課題をITによる対応を中心に解決に導いてきた大塚商会のノウハウを理論政策更新研修で提供することは、診断士の皆様にとって有益な情報であると信じております。当社のノウハウを紹介できる大塚商会の講師陣と堀切さんがこれまで育成された講師の先生方とのコラボレーションという形式で一緒にやっていきたいと考えていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

堀切氏:大塚商会さんの考えることは非常にユニークですよね。こちらこそ一緒に行うことで中小企業診断士の活動を拡げることに貢献したいと考えております。一緒にがんばりましょう。

山口:ありがとうございます。一緒にがんばりましょう。

左:大塚商会 山口 右:堀切氏

プロフィール

堀切 研一 氏

株式会社プロデューサー・ハウス 代表取締役社長

2008年 中小企業診断士登録
2009年 独立開業

ハウス食品株式会社において、営業、支店販売企画、開発・マーケティング、新規事業開発と、上流から下流に及ぶ実務を14年間経験。中小企業診断士として2009年に独立開業。
2013年に中小企業診断士向けに「取材の学校」事業を立ち上げる。初年度の第1期の受講生は8名からのスタートであったが、2017年度の5期の受講生は64名まで拡大。5年間で165名の中小企業診断士ライターを輩出するなど、中小企業診断士向けの講座を通じて、約200名の中小企業診断士を育成、支援している。

取材の学校

山口 大樹

株式会社大塚商会 エクゼクティブリーダー

1992年4月 大塚商会入社
2013年 4度の2次試験を経て中小企業診断士登録

同年経営支援サービスを立ち上げる

大塚商会経営支援サービス

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