第58回 生産は現場を改善・物流は現場で確認

残念ながら社有車で交通事故が発生したら……。

多くの企業内において事故報告書を作成されます。

事故報告書の中で、必ずと言って良いほど登場するキーワードは「確認」。

まずは事故発生時の原因欄には「確認不足」等の文字が多く登場します。

続いて再発防止の対策や決意の記載では「確認の徹底」や「必ず確認します」など、やはり「確認」との文字が多用されているようです。

事故が起こってから社内で文字や言葉で「確認」を使うよりも、事故が起こる前に車内で「確認」を使って交通事故を防止しましょう。

「確認をしましょう」と連呼される安全研修を受講されるのは「当たり前すぎて受講が面倒」だと思います。

しかし、事故が起こってから「確認します」と報告書に書くことはもっと面倒であり不利益なこと。

安全研修は「ご自身の確認の方法(やり方や回数)を確認する機会」として活用しましょう。

生産の現場では、日本の企業による「改善(カイゼン)」が世界的に有名です。

物流の現場では、運送業界における「確認(カクニン)」の技術を発揮しましょう。

「改善(カイゼン)」の代表例は、コストを削減して良い仕事を提供すること。

「確認(カクニン)」の代表例は、コストを掛けずに良い仕事を提供すること。

誰にもできない高度な技術を提供することと同じく、誰もが同じ品質を提供し続けることも技術です。

そのためには確認・確認・確認。

確認の確の字は「自分の行動を確かめる」の確。

確認の認の字は「自分の行動を認める」の認。

まずは確かめてから、さらに認めるとの意味のようです。

表現方法を変えれば、さながら「念には念をいれて」の如く。

現代風の表現では、さながら「ダブルチェック機能」の如く。

荷役作業においては、周囲に同僚が居れば複数人での確認が確実です。

つぎに確認に要する時間がたっぷり有れば、ひとりで複数回での確認が有効です。

ひとりで時間が無い時の確認方法で、効果的なのは「指差呼称確認」です。

安全確認のやり方や回数は道路交通法の対象外ですが、交通事故防止には欠かせないものです。
偶然にも交通事故を起こしていないのがプロドライバーではなく、ルールを守って確認を行った上で、交通事故を起こしていないのがプロドライバーだと言えるでしょう。

ありがとうございました。

次回は10月16日(金)の更新予定です。

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この記事の著者

株式会社プロデキューブ 代表取締役

高柳 勝二

運送会社の管理者育成と安全教育をサポートしている株式会社プロデキューブの代表取締役。
前職は中堅運送会社にドライバーとして入社し18年間勤務。
安全管理・品質管理・開発営業などの実務経験が豊富な物流インストラクター。
現在ではドライバーの交通事故防止による利益確保と輸送品質の向上による単価の向上で得た原資によって、働き方改革を実現するまでを事業領域として、現場を親身にサポートしている。
中小運送会社からの依頼が多い“提案型”研修は、受講されたドライバーや管理者からの「おもしろい・眠くならない・わかりやすい」との評判が口コミで広がり、各社内で開催される社員研修の外部講師として全国45都道府県で講演。
また、全日本トラック協会主催の「全国トラック運送事業者大会」における交通安全対策推進の分科会で、7年連続コーディネータを担当(2013年札幌開催:2014年福岡開催:2015年金沢開催:2016年度米子開催:2017年仙台開催:2018年高松開催:2019年千葉開催)。
2013年度:全日本トラック協会「トラック運送事業における運行管理者のあり方研究会」委員
2015年度:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会ワーキンググループ」委員
2016年度:「貸切バス運転者に対して行う指導及び監督の改正検討ワーキンググループ」委員
2016年度より現在:国土交通省「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」委員
2017年度より現在:熊本県トラック協会 専門アドバイザー(企業経営・労務管理)
各都道府県のトラック協会や青年部会、支部や協同組合単位での各研修会で講演多数。
プロデキューブ
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