第33回 アイゼンハワーの法則

皆さん、こんにちは!

この夏は、序盤の異常なほどの高い気温に悩まされ、8月に入ってからは日本各地で
局地的な大雨による被害が相次ぎ、特に先日の広島での土砂災害は、あまりにも痛ましい状況に声を失ってしまいます。被災された皆様にお見舞い申し上げます。

それにしても、この気候の変化、地球環境の変化は私たちが感じている以上のスピードで押し寄せてきているような気がします。自然の前では何もあらがうことのできない弱い存在の私たち人間は、今、何をすべきか、本当に考えた上で一つひとつ実践していくことが求められているように感じています。

ひとたび視点を変えて、私たちの毎日のビジネスシーンでも同じことが言えるのではないでしょうか・・・。
あらがうことのできない社会の成熟化・少子高齢化・グローバル化・・・。こうした時代の流れの中で「本当に大切なことは何か?」を見極め、その実現に向かって歩を進めることを再認識する必要に迫られているように思います。

ということで、今回は、「重要だけど緊急ではないこと」という視点で「組織文化や従業員の活性化」を考えてみたいと思います。

■ アイゼンハワーの法則

あまりにも有名な「重要度&緊急度の高低」をマトリックスに表現した左図ですが「アイゼンハワーの法則」という名前がついていることはあまり知られていないのではないでしょうか。

何事にも当てはまるこのマトリックスですが、頭では理解していても、実際に実践出来ているかどうか?となると甚だ心もとないのが一般的です。

これを皆さん「経営者」の仕事(≒経営)に当てはめると「重要且つ緊急」「重要でないけど緊急」「緊急でないけど重要」のそれぞれの項目にはどのようなことが該当するのでしょうか・・・。

■緊急ではないが重要なこと
この「各項目に何が入るのか?」は一般論としては幾らでも書けますが、厳密には
皆さんそれぞれで、経営者の価値観によって変わってくるはずです。
ただ、一般的には「重要且つ緊急」「重要ではないが緊急」は、日々の経営の中で取
り組まれておられると思いますが、「緊急ではないが重要」なことが後回し、もしく
は「ないがしろ」にされる傾向が強いのではないでしょうか。

この「緊急ではないが重要」なことを放置していると何が起こるでしょうか・・・。

それは、ある日突然「のっぴきならない程、緊急!」という事態に姿を変えて、私た
ちの前に姿を現すということです。

だからこそ、「緊急ではないが重要」なことは、「誰がどのように実践していくのか?」を含めて計画的に地道に進めていく必要があるのではないでしょうか。

このコラムの対象領域である「組織文化・イキイキ働く従業員」といったテーマは
皆さんにとって、どのマトリックスにマッピングされるのでしょうか。

従業員のモチベーション向上・自律性向上・組織へのロイヤリティ向上、さらには能
力開発・・・。お客様に対して高い価値を提供し、喜んでもらえることを使命と感じ
る組織文化創り・・・。

どれも一朝一夕に実現できるコトではないかも知れません。でも・・・、いや、だから
こそ「緊急ではないが重要」と捉えて日々「計画的に確実に」取り組んでいく必要が
あるように思います。

■人手不足、「今いる社員」で乗り切る
「日経トップリーダー 2014年8月号」で上記タイトルの特集が組まれています。

「これからの経営」において、企業が社員に求めるのは、労働時間の提供ではなく、
質の高い創造性に溢れた価値を生み出す仕事だと思います。

国内でも大手企業が採用を表明するケースが出てきた「ホワイトカラーエグゼンプション」制度に対しては、まだ賛否両論があるようですが、目指している本質は「価値ある仕事は残業をしても生み出せるものではなく、社員が楽しみを感じ、生きがいを感じ、自身の成長を実感しながら働くことでこそ実現できる」という思考性に立脚していると思います。

仕事は苦痛・労役という「古い価値観」を壊してこそ、「社員がイキイキ働く企業風土・自律的従業員育成」というテーマに初めて向き合うことになるように思います。

「インタンジブルアセット(見えざる資産)」と言われて久しいですが、「人手不足」という現実を迎えて、改めてクローズアップされてきたのではないでしょうか。

次回は9月17日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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