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第19回 リスケジュール期間中に短期融資を受ける
リスケジュール、つまり銀行融資の返済の減額・猶予を行っている時、融資は全く受けられないのでしょうか。
そのような状態でも、チャレンジしてみたい融資があります。
それは、短期融資です。
短期融資とは、返済期間が1年以内の融資のことですが、その中で明確な返済原資がある融資であれば、銀行は融資を考えやすいものです。
なお返済原資とは、融資を、何で返すか、ということです。
リスケジュールを行っている企業は、融資を受けることは困難なものです。
なぜなら、返すべきものを返していないのに、新たな融資を受けることはどうなのか、を考えてみると分かるでしょう。
リスケジュールは長期融資、つまり返済期間1年を超える融資の返済を減額・猶予しているケースが大半ですが、その長期融資と、短期融資は、そもそも融資の使い道、つまり資金使途が違います。
長期融資では、企業が現金預金を多く持っておきたい長期運転資金や、設備資金などになります。短期融資では、例えば建設業が、外注費や材料費の支払いが先に来て工事代金の入金が後に来るつなぎ資金を指します。これは工事代金の入金によって、銀行へ返済を行うことです。
このような、支払いと入金のズレを埋めるような短期の融資などは、長期融資とは融資の性質が違うものであり、返済原資が明確であるため、銀行に対してそのような融資が受けられないか、交渉してみたいものです。
これを銀行に説得するためには、仕事の契約書や発注書などの証拠資料と、その仕事のためにいつ支払いが必要で、いつ入金となるのかの予定表です。
銀行を説得するためには、融資を何で返すのか、明確な説明が何より重要です。
なお、このような融資を申込む銀行は、リスケジュールを行っている銀行より、リスケジュールを行っていない、つまり融資をまだ受けていない銀行の方が、スムーズであることが多いです。
その場合も、他の銀行ではリスケジュールを行っていること、そして経営改善計画により経営改善に向けて取り組んでいることを融資を申込む銀行に伝えてください。経営改善の結果が出てきているのであれば、それを強調してください。
なお融資を受けていない銀行でも、預金口座もない銀行より、預金口座がある銀行の方が、なぜその銀行に融資を申込みたいのか、理由が明確となります。それは預金口座があるからです。ただ直前に預金口座を作るのでは、融資を申込むために預金口座を作ったとしか思われません。預金口座を作り、6ヶ月以上は置いた上で融資を申し込みたいものです。
次回は4月14日(火)更新予定です。
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