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第155回 残暑お見舞い申し上げます
猛暑日が続いても仕事を正しく継続できるように、ドライバーには夏を迎える前に身に付けるべき「知識や習慣」があります。熱中症と眠気への対処法のほか、夏のイベントが開催される時期や時間、地域での危険を細分化して、危険の予測や安全についての会話をすることで、渋滞を避ける努力だけでなく、情報により事故を遠ざけることも夏の安全対策になります。
残暑お見舞い申し上げます
体温にも迫る暑さは、運転に必要な体力だけでなく、確認をする気力も奪ってしまいます。
ドライバーは自身の体の異常に対して「寝不足だからだろう」や「疲れているからだろう」といった「だろう判断」により、自身の疾病に気付くのが遅れることがあるようです。
猛暑日が続いても正しい仕事が継続できるように、ドライバーは夏を迎える前に「知識や習慣」にしておくべきことがあります。
熱中症の防止対策としては「疲れ=体調が低下」と「病気=健康が低下」の違いを知り、「これは熱中症の症状」と判断できるかがまず始めの対策であり、また作業を中断することが最大の対策です。
また不在納品による配送コースでは、自身のペースで仕事を進められる分、配送時間を前倒しにしようとする気持ちが強まって、休憩をせずに仕事を続けてしまうことが散見されます。
一呼吸とは「体を休める」ことはもちろん、連続運転を防止するための「法律を守る」ためだけでなく。
一呼吸とは「頭や目を休める」や「次の仕事の段取りを考える」時間でもあると伝えれば、さらに休憩の取り方にも理解や工夫が生まれると思います。
ドライバーには、熱中症への対策と眠気への対処法を関連して伝えるとよいでしょう。
熱中症も居眠り運転も「我慢強い人」や「真面目な人」に起こりやすいようなのでドライバーに「あなたは特に注意してください」と付け加えると、その場の笑顔と以降の記憶が増すでしょう。
熱中症の症状よりも眠気を感じる回数の方が多く、理解以上の納得が得られやすくなるのでお勧めです。
「眠くなる前に休憩をする」と同じく「喉が渇く前に水分補給」を。
さらには「事故が起こる前に研修」や「病気になる前に検診」を。
点呼時に「夏休み中の安全運転」に関するキーワードを発する場合には、地域の盆踊りや花火大会の日程、小学校のプール開放日など「夏休み中の危険日と危険個所を細分化」しましょう。
イベントの開催による渋滞を避ける努力だけでなく、情報により事故を遠ざけるのも「夏休み中の安全教育」です。
それぞれの夏のイベントの時期や時間、地域での危険を細分化して、危険の予測や安全の会話をすることは、プロの管理者が点呼時に行う「本格的な夏の安全対策」です。
炎天下からエアコンの効いた涼しい車内に移動したことで、必要以上に落ち着いてしまい、安全心理が低下して確認や合図が横着になることも「危険な夏の風物詩」といえます。
交通事故を起こして加害者になれば、犯罪者として収監されます。
収監中には暑い時期に誰よりも暑い思いをして、寒い時期には誰よりも寒い思いをしながら過ごすことを強いられます。
誰もがそのような自分の姿を想像したくはありません。ゆえに、そのような想像の経験もないかもしれません。
車を運転する車内は「エアコンで気温を好みの状態に調整ができる」天国の状態ですが、運転とは交通事故を起こして犯罪者として収監されるなどの地獄に陥る可能性があります。
今日の運転の結果により、人生における最後の夏にならないように。
今日の運転も無事に終えて、明日も楽しい思い出の夏が続くように。
重ね重ね、残暑お見舞い申し上げます。
ありがとうございました。
次回は9月6日(金)更新予定です。
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