第138回 病院移転大全~その5~

現場との打ち合わせを重ねると、搬送する入院患者数と什器のおおよその数量が明らかになってきます。入院患者の移送ルートと移送計画、什器などの搬送ルートと搬送計画を作成していきます。今回は移送や搬送をスムーズに行うために必要な手順を解説していきます。

病院移転大全~その5~

現場との打ち合わせを重ねると、搬送する入院患者数と什器のおおよその数量が明らかになってきます。入院患者の移送ルートと移送計画、什器などの搬送ルートと搬送計画を作成します。入院患者の移送ルートと什器の搬送ルートは事故を防ぐためにも、別ルートを設定しましょう。

患者搬送と什器などの物品移送

旧病院から新病院への行きのルートと新病院から旧病院への帰りのルートも交差しないようにします。これも事故防止のためです。入院患者数と移送日数にもよりますが、複数のルートを設定することもあります。さらに雨天時のルートも考えておかなければなりません。患者の搬送計画は、横移動と縦移動に分けて考えます。

旧病院の病室からエレベーターまでの所要時間、エレベーターの待ち時間、エレベーター乗降時間、1階での移動時間を実際にストップウオッチで時間計測します。敷地外移転の場合、旧病院から新病院へ車両などを利用した移送となりますので、旧病院から新病院への移動時間、新病院から旧病院への移動時間も事前に計測が必要です。これらの所要時間を考慮して入院患者の搬送計画を作成します。

また、あらかじめ患者の状態に合わせて、救急車による搬送、担送車による搬送など患者ごとに搬送手段も決定しておきます。正面玄関付近を広く片付けて搬送患者待機場所を設けておくと、事前作成の計画が順調に進みます。

待機場所について、患者をストレッチャーやベッドから移乗させる行為がここで発生しますが、普段やり慣れていない事務職員などが行うとすぐに腰などを痛めてしまいます。理学療法士や作業療法士の皆さんは普段からこのような作業は慣れていますので、お願いをすると良いでしょう。

搬送や救急受け入れなど、車両関係で必要な対応

車両による患者搬送をタクシー会社などに委託することもできます(ドライバーだけとか、ドライバーと車両両方など)。しかし、その場合、数時間おきにドライバーに休憩を取得させることが法律で決められていますので、その点にも配慮した搬送計画が必要です。

さらに地元の警察とも事前に相談しておきます。車両による患者搬送ですので、途中で事故にでもあったら一大事です。事前に警察に相談しておくことで、搬送当日、警察車両による誘導なども期待できます。今までの経験で警察に事前に相談し、主要な交差点に病院職員を配置した方が良いとアドバイスを受け、職員を配置したこともあります。

事前の相談は警察だけでなく、消防にも行います。移転日は救急車の受け入れは不可能ですし、新病院に移転して、いつから救急車の受け入れを開始するなどを事前に連絡をしておかなければなりません。その際に救急車の搬入路などもお知らせしておきます。

ベッドや物品の移送も準備が重要

そして当然のことですが、患者の搬送の前にベッドを移設しておく必要があります。移転を機にベッドを新たに入れ替えるのであれば計画は難しくありませんが、現在、使用しているベッドを移設しながら患者を搬送するのであれば、より綿密な計画を立案する必要があります。

患者以外の物品の移送は、基本的には移送業者主導で行います。移送物品へラベルを貼付し、ラベルの色に意味を持たせるという方法は一般的です。

さらにラベルにナンバーを付与することで、搬入する部屋と具体的な場所を指定することができます。什器などの物品が搬入された後の荷物の整理、後片付けは各職員が行うので、なるべく整理がしやすいように置いてほしい場所を指定できるように工夫します。

そのほか、移転当日の昼食にも注意が必要です。昼食前の午前中に患者の搬送が終了する場合は、全ての入院患者の昼食は新病院で用意すれば良いですが、昼食をまたぎ、午前、午後を通して入院患者の搬送を実施するであれば、新病院のどの病室にどの患者がいるのか、旧病院のどの病室にどの患者がいるのかを正確に把握して、昼食を準備しておく必要があります。患者の食事は常食とは限りませんので、患者単位での把握と用意が必要です。

また職員の昼食にも配慮しておきましょう。お弁当を用意して、職員が食事する場所を確保しておく必要があります。

皆さんはどう思いますか?

  • * 移転に関してのご相談は以下にお願いします。
    【株式会社FMCA】fujiimca@gmail.com

次回は7月12日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社FMCA 代表取締役

藤井 昌弘

1984年に医療関連企業入社。院内の各種改善活動を指導。急性期医療機関出向、帰任後、厚生労働省担当主任研究員として厚生行政の政策分析に従事。2005年退職、株式会社FMCAを設立。原価計算の導入と活用、病院移転に伴うマネジメントも実施。
株式会社FMCA

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