棚卸はデジタルで効率化! 負担を減らすシステム活用の具体策

健全な企業経営に欠かせないのが、適切な棚卸作業です。ただ、棚卸作業は業務負担が大きく、ヒューマンエラーが頻発するなどの課題も介在しています。こうした課題を解決するには、システム導入など棚卸作業のデジタル化が有効です。本記事では、棚卸のよくある課題や解決に有効なシステムを紹介します。併せて、棚卸効率化に向けたシステム導入のポイントも解説します。

企業経営において軽視できない「棚卸」作業

棚卸とは、商品や半製品、消耗品、原材料といった企業が保有する資産の保管場所や数、状態などをチェックする作業です。在庫の数を把握することで正確な利益を確認でき、適切な在庫管理にもつながります。

販売の機会損失を回避するために、棚卸は重要な業務です。在庫数を正しく把握できていないと、注文を受けたにもかかわらず売れる商品がない、といった状況に陥りかねません。このような状況を回避すべく、帳簿上だけでなく目視で現物を確認し、数量や品質を把握します。

棚卸にありがちな三つの課題

棚卸で生じる課題として、作業負担の大きさが挙げられます。また、帳簿と実数に差異が生じることや、ヒューマンエラーを防ぎにくいことなども生じやすい課題です。

作業負担が大きい

棚卸作業の進め方は企業によって異なるものの、一般的には棚卸計画書に基づき進めます。従業員が倉庫や工場など、現場で直接在庫の現物を目視でチェックし、棚卸表に数や品質、保管場所などの情報を記入したうえで、後ほど帳簿と照らし合わせます。

商品や消耗品などの在庫に棚札などのタグを貼りつけていく、「タグ方式」と呼ばれる方法で棚卸を行う企業も少なくありません。いずれの方法にしても、従業員が手作業で取り組むため、多大な手間と時間がかかります。そのため、在庫の数が膨大な企業ともなると、棚卸に相当な時間を割かねばならず、本来の業務に支障をきたしかねません。

帳簿と実数に差異が生じる

帳簿には50個と記載されているのに実際の在庫は45個しかない、といった状況に直面するケースは多々あります。普段から適切に在庫管理を行っていないと、在庫の実数と帳簿上の数字に差異が生じます。

帳簿と在庫の実数に違いがある場合、企業の利益を損ねているかもしれません。例えば、原料を必要以上に使用している、従業員がこっそり商品を横流ししている、といったことが起きている可能性もあります。

帳簿と実数に差異があると、原因究明にも時間を割かねばなりません。余計な時間と手間が発生し、本来の業務にも影響を及ぼすおそれがあります。

ヒューマンエラーを防ぎにくい

在庫の現物を目視でチェックし、管理表などへ記入していくアナログな棚卸手法では、どうしてもヒューマンエラーが発生します。人が手作業で行うため、数え間違いや書き間違い、抜け・漏れなどが生じかねません。

在庫の数が膨大な場合、棚卸作業には相当な時間を要します。長時間の作業で集中力が低下すると、さらにヒューマンエラーが発生する可能性は高まり、正確に在庫を把握できません。

在庫数を誤って把握するほかにも、既にほかの従業員がチェックした場所を、重複して数えてしまうケースも考えられます。作業状況を従業員全体で把握できないと、必要のない人件費の発生や、業務の非効率化が懸念されます。

システム活用で解決! 棚卸を効率化する具体策

棚卸で生じやすい課題を解決するには、棚卸業務のデジタル化が有効です。システム導入によって棚卸をデジタル化すれば、作業で生じる負担を軽減でき、効率化につながります。具体的には、以下のようなシステムが効率化に役立ちます。

在庫管理システムの導入

棚卸業務を効率化するには、前提として日ごろから適切な在庫管理を徹底しなくてはなりません。適切な在庫管理によって、帳簿上のデータと現物の数が一致している、「情物一致」の状況を保つことが重要です。

在庫管理システムを導入すれば、在庫管理を効率的に行えるようになり、情物一致の状態を保てます。在庫管理システムは、自社が保有する在庫を一括管理できるほか、在庫の移動記録や出荷予定の商品をリスト化する機能を有します。

複数店舗や移送中の商品をリアルタイムに一元管理できるシステムなら、より正確な在庫管理が可能です。システムによって実装されている機能は異なるため、事前に確認のうえ、導入するか否かを検討しましょう。

バーコードとハンディターミナルの活用

バーコードを印刷したラベルを在庫の外装へ貼りつけ、ハンディターミナルで情報を読み取る検品システムがあります。在庫の名称や番号などを手書きする必要がないため、ヒューマンエラーの回避に有効です。

データ通信を行えるタイプのハンディターミナルなら、読み取った情報をリアルタイムでPCなどの端末へ送信できます。作業の進捗(しんちょく)をリアルタイムでチェックでき、読み取った情報をデータとして保管できるのもメリットです。

RFID(ICタグ)の活用

RFIDとは「Radio Frequency Identification」の略で、日本語では「無線周波数識別」と訳されます。電波を発信するRFIDタグを在庫に取りつけ、専用リーダーを使うことで情報を読み取れます。

バーコード管理では一つ一つの在庫から情報を読み取っていく必要がありますが、RFIDを利用したシステムなら、複数のタグから情報を読み取れる点がメリットです。リーダーの通信可能領域であれば、目視できない在庫の情報も読み取れるため、抜けや漏れも回避できます。

また、バーコードより多くの情報を記録できるのも魅力です。記憶容量が大きいため、製品名やサイズ、重量、納品日など、あらゆる情報を記録できます。さらに、複数タグの情報を一度に読み取れることから、レジでの清算など、会計作業の効率化にも有効です。

棚卸効率化に向けたシステム導入のポイント

在庫管理の適正化と棚卸業務の効率化を目的にシステムを導入するのなら、以下のポイントを踏まえて選定を行いましょう。

商材や規模に合ったシステムを選ぶ

自社商品や業界、経営規模にマッチしたシステムを導入するのが成功のコツです。例えばアパレル業の場合、扱う商品の数が膨大であり、色違いやサイズ違いのアイテムも数多く扱うため、アパレル業の商習慣に対応したシステムの導入をおすすめします。

複数の店舗運営やオンライン販売も行っているのなら、全ての在庫を一元管理できるシステムを検討しましょう。移送中の在庫も考慮できれば、より正確な在庫の把握が可能です。

アパレル業界では、在庫管理や倉庫管理のシステム化が進んでいます。衣料品の製造から販売まで手がける大手アパレル企業では、RFIDを導入し、検品から棚卸、会計業務の大幅な効率化を実現したことで話題になりました。

より正確な在庫管理が行えるかどうかをチェックする

在庫や入出庫管理の適正化と、棚卸業務の効率化には、正確かつリアルタイムにデータのやり取りを行えるシステムの選定が必要です。

店舗とECサイトの販売情報や在庫データがすぐ反映されず、帳簿上の数字と実数が合わない、となるケースも少なくありません。各種の状況に対応できるシステムを選択し、より正確で効率的な在庫管理を目指しましょう。

システム導入の費用対効果を考える

高額なシステムを導入したにもかかわらず、ほとんど効果を得られなかった、といった事態にならないよう、投入する費用に対し得られる効果の検討が必要です。まずは解決したい課題を明確にし、そのうえで状況にマッチしたシステムの選定を行う必要があります。

また、システムごとのメリット・デメリットを正しく把握しておくことも大切です。例えば、RFIDの場合導入コストは高額になりますが、大量の在庫を正確に管理できるメリットがあります。棚卸業務や精算業務の効率化にもつながるため、中長期的な視点で見ると優れた費用対効果です。

棚卸作業の効率化には、システムによるデジタル化が効果的です。今回ご紹介した内容を踏まえ、ぜひ自社に適したシステムをご検討ください。

まとめ:自社に合ったシステムで、棚卸の効率化を実現しよう

棚卸に関する課題を解決するには、システム導入など作業のデジタル化が欠かせません。アパレル事業における棚卸の効率化実現には、「ApaRevo」がおすすめです。

「ApaRevo」は、複数店舗の在庫をリアルタイムに管理できるほか、「大車輪SaaSシリーズ」「ハンディターミナル連携テンプレート」と連携すれば、バーコードやRFIDを活用できます。入出庫管理や棚卸管理が正確に行え、過剰在庫・在庫不足を防ぐことが可能です。アパレル業の商習慣に沿って構築された販売・在庫管理システムであり、棚卸の課題解決も実現します。

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