第41回 仮説提案を成功させるには【2】…仮説のプレゼンはソフトに入り中味は具体的に

本コラム39回でお話ししましたように、仮説提案は積極的に新規案件を獲得する手段としては有効です。
そして、その仮説提案とは、営業自らが顧客の課題や商品による解決策と効果(メリット)の仮説を検討する提案です。

第39回 仮説提案を成功させるには【1】…仮説の提案は情報収集とニーズ発掘のため

最近、仮説提案を進める企業が増えていますが、顧客のことを調べ、仮説を一生懸命考えて提案を作成してもプレゼンテーションで失敗しているケースが多い……。この原因の多くは、顧客が既に検討している提案、顧客から依頼された提案と同じようにプレゼンテーションをしてしまうことにあります。

この仮説提案には……
・顧客が商品の購入を検討している提案ではない、顧客から依頼された提案ではない
・気づいていない、明確になっていない課題を気づかせ案件を獲得する
・仮説がずれていたとしても他のニーズを聞き出し案件を獲得する
という三つのポイントがあります。

この三つを踏まえると、
顧客が商品購入を検討している提案、顧客から依頼された提案と異なるプレゼン方法が必要です。

「ソフトな提案の入り方」
「具体的な内容」

顧客が必要と思っている、検討している、そして顧客が依頼した提案は、当然、顧客は真剣に聞きます。しかしこの仮説提案は、顧客が依頼するのではなく、営業自らが勝手に考えた提案、顧客が必要と思っていない、検討していないことに対する提案です。
この状況で仮説として勝手に考えた提案を聞かせるということが一つのポイントです。

つまり、この勝手に考えた提案を聞かせる入り方。

必要と思っていない(気づいていない)、検討していない時に、「ぜひ、○○について提案させてください」「○○のご提案をさせていただきます」と言われたら、どう思うでしょう?

「商品の購入を検討しないけど」「うちには必要ないけど」と感じてしまうのではないでしょうか?
そのため、提案を断られる、仮に提案を受けてもらっても「聞くのはいいけど買わないよ」とネガティブな意識からスタートしてしまう……。

つまり、必要と思っていない、検討していない、依頼された提案でないという前提を踏まえると、「商品購入の検討の有無(提案や売込み)」に関する意識を持たせない、自然に聞かせる入り方が必要です。

「ぜひ、○○について提案させてください」「○○のご提案をさせていただきます」

「○○について、少し考えてきたので聞いてもらえますか……」
受ける側の印象はいかがでしょうか?

ちゃんと提案しなければ、提案内容を聞いてもらいたい、提案内容を理解してもらいたいという気持ちが強く、提案の入り方が硬くなってしまっていることが多いのです。その結果、「ぜひ、○○について提案させてください」「○○のご提案をさせていただきます」になり、提案そのものを断られたり、提案できても「必要ない」で終わってしまったり。

そして、仮説提案には
・気づいていない、明確になっていない課題を気づかせる
・仮説がずれていたとしても他のニーズを聞き出す
この二つを実現するためには具体的な情報・内容が必要です。

気づいていない、明確でないことを気づかせる、考えさせるためには、具体的な状況を想像させる、考えさせる必要があります。
「業務が煩雑」「資料が多い」では理解はできても想像できない。
「日報、営業報告書、商談議事録、提案書、見積書……」と話すと具体的に想像できる。

仮説提案は、気づいていないことを気づかせる、具体的な状況を考えさせる提案です。
そのためには、抽象的な内容や一般論でなく具体的な情報を使って説明しなくてはなりません。

しかし、顧客の課題は、営業には見えない顧客の中のことであり、実態や具体的な情報を調べる、想定するのが難しいし、大変です。
そのため、商品は具体的に説明できても、顧客の状況や課題は抽象的、一般論になってしまい、顧客に考えさせることができない。

顧客から依頼された提案でなく、営業自らが積極的に顧客の課題やメリットを考えた提案は、全て仮説提案であり、この仮説提案は新規案件の獲得にとって有効な手段です。

その仮説提案の成功には、仮説の検討や提案書の作成にこだわることも大切ですが、プレゼン方法も大切なのです。

お知らせ

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本コラムに掲載した「仮説提案のプレゼン方法」に関する実践方法など営業活動で活用できるノウハウを提供しています。ご興味のある方はセントリーディングまでお気軽にお問い合わせください。

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次回は2016年1月6日(水)更新予定です。

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この記事の著者

株式会社セントリーディング 代表取締役社長

桜井 正樹

セールス・マーケティング企業で15年以上、法人向け提案型・課題解決型営業を専門にコンサルティング、アウトソーシング、教育事業に携わり、株式会社セントリーディング設立。IT企業、設備機器メーカー、販促・マーケティング会社など150社以上の営業強化を経験。
株式会社セントリーディング

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