第135回 相手と同じ景色を見る ~伴走する覚悟を通した関係性構築~

WBCでは、監督と選手との関係性が話題になりました。「リーダーシップ」や「リーダーとフォロワーとの関係」といったテーマになりますが、今回は抽象度を上げて「人と人との関係性」という視点で「伴走する覚悟」をひも解いてみたいと思います。

相手と同じ景色を見る ~伴走する覚悟を通した関係性構築~

こんにちは!

桜満開の季節は過ぎ去ってしまったものの、コロナにおびえることもなく、マスク着用の緩和も相まって、新入生・新入社員を含めた人生の新たな門出の季節を、本当に久しぶりに華やいだ気持ちで迎えることができた4月なのではないでしょうか。

とはいえ、世界を見渡すといろいろな思惑や駆け引きがうごめいている状況は変わらず、日本国内も生活必需品の値上げをはじめ、鬱々(うつうつ)とした気持ちが晴れる状況ではありません。そんな中、WBC(ワールドベースボールクラシック)での日本代表の活躍、優勝はそんなモヤモヤを晴らしてくれるような痛快さを感じることができました。

その中でもリーダーである栗山英樹監督と大谷翔平選手をはじめ、多くの選手との関係性がいろいろと話題になっているように思います。

いわゆる「リーダーシップ」や「リーダーとフォロワーとの関係」にまつわるテーマになってしまうわけですが、今回はもう一段階、抽象度を上げて「人と人との関係性」という視点で「伴走する覚悟」をひも解いてみたいと思います。

大谷選手「メジャー挑戦」に向けた栗山監督との姿勢から関係性を考える

大谷翔平選手にまつわる話は枚挙にいとまがない状況ですが、大谷選手が高校3年生の頃には日本プロ野球界に進むつもりがなかったといいます。高卒でメジャーに行く方向で考えており、ドラフト指名を拒否していたことは有名な話です。

そんな彼を翻意させた日本ハムファイターズが提示した資料が下記「大谷翔平君 夢への道しるべ」です。

大谷選手との入団交渉時に提示した球団資料について

この入団に至るプロセスに関しては「現代ビジネス」に掲載された2013年2月11日の下記サイトを参考にさせていただきます。

究極の交渉術を学ぼう

日本ハムスカウトディレクターが初めて明かす
大谷翔平の心をこうして動かした

この中に出てくる重要なキーワードは、

  • 交渉開始するにあたって何より大事にしたことは、「本人の気持ちを正しく理解する」というスタンス。
  • 「大谷君が自分で決断できるように」、あくまで大谷君の立場に立って考えることだけは貫こう。
  • 本人以上に真剣に「大谷君の将来」を考えているのだと、我々チーム全体の姿勢を、ストレートに大谷君にぶつけていった。

の3点のように思います。

究極の交渉術を学ぼう 日本ハムスカウトディレクターが初めて明かす 大谷翔平の心をこうして動かした(現代ビジネスWebサイト)

「同じ景色を見る」ことで築かれる信頼関係

上記で見えてくることは何なのでしょうか……。
ここでの話は「フォロワーをエナジャイズしたり、エンカレッジしたりするリーダー」という組織の内の話だけでなく、

  • 子供をエナジャイズ・エンカレッジする親
  • 部下/若い人をエナジャイズ・エンカレッジする上司/先輩
  • 顧客をエナジャイズ・エンカレッジする営業

と、どんな関係にも置き換えて考えられる「人と人との関係性」に帰結することなのではないでしょうか。

前述した重要な三つの視点を一段階、抽象度を上げた表現にすると

  • 本人の気持ちを正しく理解する
  • 相手の立場に立って考える
  • 本人以上に真剣に「相手の将来」を考える

と置き換えることになります。

文字にして表現すると「そりゃそうだ……」と納得いただけるとは思いますが、これを実践するとなると、そんなに簡単なことではありません。頭で理解することと、実践を通じて表現できることとの違いともいえるかもしれません。

上記3点の実践は「自分の立ち位置を変えて、相手側に回って、相手と同じ景色を見る」ということになります。

その「伴走して、同じ景色を見る」ことができてこそ、初めてその人の気持ちになれ、相手が「この人は一緒に考えてくれる人だ」という信頼感、というか安心感のようなものが築かれていくのではないかと思います。

そして、本当に実践できるようになりたいのであれば、これはスキルやテクニックの話ではなく、「人としての在り方」の問題だということを強く認識する必要があると思います。

栗山監督の言動を見聞きしていると、改めてその実践の難しさと同時に、それによるインパクトのある結果の大きさを感じてしまいます。

「伴走する生き方・在り方」という名の自己中心的利他

近年、アダム・グラントの著書『GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代』以降、「利他性」に関して「自己中心的利他」と「自己犠牲的利他」との区分や違いが取り上げられ、一般化しつつあると思います。

自己犠牲しすぎて燃え尽きる “愚かなお人好し” にならないための、3つのちょっとしたコツ(STUDY HACKER Webサイト)

「自己中心的利他」と「自己犠牲的利他」いう表現や、その違いは難しく感じる方もいるかもしれませんが、一言で言い換えた言葉が「努力は、夢中にかなわない」ではないでしょうか。

つまり「相手の見ている景色を一緒に見たい」、そんな生き方をしたいと思っているかどうかに懸かっているのかもしれません。

書籍やAIが指し示す「正解を知る」ことに意味があるのではなく、どこまでも自分なりに深く考え、学び続け、さらにそれを実践できるレベルにまで昇華する姿勢が、血肉の通った人間としての自負を持つ覚悟であり、「自分以外の誰かに伴走する」ことの実践につながるような気がします。

あなたは、私は、新入社員の、部下の、子供の、奥さんの側(がわ)に回って、同じ景色を見ることができていますでしょうか……。

今後もよろしくお願いいたします。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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