第142回 「大切なことを大切にする生き方」を考える

人が幸せになるための手段であるはずの企業活動において、私たちは何を「大切にしていくことが大切」なのでしょうか。今回は、「大切なことを大切にする生き方」に関して考えてみたいと思います。

「大切なことを大切にする生き方」を考える

こんにちは!

11月になっても25度を超える「夏日」が続くような状況で、この夏「地球沸騰化」という表現が初めて聞かれました。それが2023年の「流行語大賞」の候補になってしまうほど、今年は気象的な側面ではエポックメイキング的な1年として、後世、振り返られるのかもしれませんね……

熊の出没被害も尋常ではない数が出て、コロナ禍の影響で私たちの免疫力が下がり、いつになくインフルエンザが夏過ぎから流行し、気候を含めた外部環境の変化が、これほどにも著しい影響を及ぼしてきていることを実感させられます。

人間そのものにまで多くの影響を及ぼしているわけですから、その人間の営みに一つであるビジネス・企業活動にも影響はあって当然です。

そもそも「人が幸せになる」ための手段であるはずの「企業活動」において、私たちは何を大切にしていくことが大切なのでしょうか。今回は、「大切なことを大切にする生き方」に関して考えてみたいと思います。

最も大切なことは、最も大切なことを、最も大切にすること

上記の言葉は『7つの習慣』で有名なスティーブン.R.コヴィー博士の言葉です。
私はこの言葉に出会い、衝撃を受け、自身の人生を変える転機をつかむことにつなげることができました。

私はこの言葉に出会った際に、「自分の人生において最も大切なことは、自分の人生において最も大切なことを、最も大切にすること」と意味解釈をして読み解きましたが、その際に下記の二つのことを感じました。

一つは、「“大切なことを大切にすること”は、そんなに簡単ではないのではないか」ということです。

例えば、「家族を大切にしています」という人がいます。その人に「今週、“家族を大切にすること”を、何かしましたか?」と問うと、「今週は忙しかったから、あまりゆっくり話していないし、子供の顔も見ていない」ということや、「健康を大切にしています」という人に同様の問いを投げかけても、「今週は外食が多くて、暴飲暴食だった」みたいな話が多いように思います。

つまり「大切なことを大切にすること」は、必ずしも簡単ではないということになります。

二つめは、そもそも「自分の人生において“最も大切なこと”」が何か? が、自分で分かっていなかったという事実です。

これは正直、ショックでした。結婚をし、子供も中学生にもなろうかという人生の半ばの年齢に差し掛かっていた私は、何と「自分の人生において大切なこと」が分かっていなかったわけです。

それは周囲に流され、上司の言うことに影響を受け続け、右往左往した日々を送っていたのも納得できてしまいました。

そこから、私の葛藤が始まりました……

「自分の理想」と「組織の理想」とを擦り合わせる

ドラッカーは、その著書『プロフェッショナルの条件』の中で下記のように述べています。

価値観を優先する

自らをマネジメントするためには、強みや仕事の仕方とともに、自らの価値観を知っておかなければならない。組織には価値観がある。そこに働く者にも価値観がある。組織において成果を上げるためには、働く者の価値観が組織の価値観になじまなければならない。同一である必要はない。だが、共存出来なければならない。さもなければ、心楽しまず、成果も上がらない。

組織にはビジョンやパーパスが明確にあったとしても、そこで働く私たち一人一人の従業員自身に「自分の人生のビジョン・パーパス」がなければ、擦り合わせようもないということになってしまいます。

ということは、会社に対して「ビジョンがない・明確じゃない」「どうなりたいのか分からない」と文句を言っている人自身に、自分の人生におけるビジョンが、もし定かでないようであれば、それは天に唾を吐いている状態になってしまいます。

人を幸せにするための企業活動

企業活動とは、本来「人が幸せになる」ためにあると認識しています。ここで言っている「人」は、必ずしも従業員だけでなく、社会も、お客さんも、取引先も、株主も含めていますが、その企業活動を進めている従業員自身の幸せは、当然含まれています。

ただ、会社が従業員を幸せにするのではなく、従業員自身が「自ら企業活動を通じて幸せをつかみ取りにいく」という姿勢が必要になってくるのではないでしょうか。

「自分の人生の経営者は“自分”」である以上、その人生において最も大切なことを明確に自覚的にしたうえで、組織の中で何をすることが自分らしくいられることなのかを探索し続けることが重要であり、その実践そのものが「幸せ」につながっていくのではないかと思います。

今後もよろしくお願いいたします。

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この記事の著者

株式会社大塚商会 トータルソリューショングループ TSM支援課

三宅 恒基

1984年大塚商会入社。コンピューター営業・マーケティング部門を経て、ナレッジマネジメント・B2Bなどビジネス開発を担当、2003年から経営品質向上活動に関わる。現在は、業績につながる顧客満足(CS)を志向した「価値提供経営」と共に、組織風土・人材開発・自律性育成テーマでの企業支援、セミナー・研修講師などに携わる。

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