消費税ポイント還元の仕組みと事業者が押さえておきたい三つのメリット

消費税の増税を迎えたことで、家計に負担が大きくのしかかっていると言う消費者も少なくありません。ここで覚えておきたいのは、消費者の負担を和らげるために消費税の増税とともに行われる「キャッシュレス・ポイント還元事業」です。ここでは、キャッシュレス決済の導入を悩んでいる事業者に向けた、消費税ポイント還元の仕組みや押さえておきたいメリットなどについてご紹介します。

消費税ポイント還元の仕組み

消費税額が従来の8%から10%に引き上げられたことを受けて、消費者の負担増加による消費の落ち込みを懸念した国は一つの対策を実施しました。それがキャッシュレス決済によるポイント還元です。商品を購入する際、購入する価格の5%がポイント還元されます。また、近年クレジットカード以外の決済手段である電子マネーは着実に普及しつつあります。SuicaやWAON、楽天Edyなどの電子マネーやスマホ決済といったキャッシュレス決済が充実してきたことから、国はこの決済方法を一層普及させようという目的もあり、ポイント還元事業が開始されました。これらの制度や仕組みを活用することで、増税によって生じた消費者の負担を和らげることができるのです。
ポイント還元によって恩恵を受けるのは、消費者だけではありません。商品を提供する店舗側にもメリットがあります。ポイント還元の制度の詳細や「軽減税率」との違いなどについては、ぜひとも押さえておきましょう。

軽減税率とポイント還元の違い

消費税の増税に伴い、ニュースやメディアから「軽減税率」という言葉を耳にすることが多くなりました。この軽減税率もまた、消費税の増税に伴う負担を和らげるための施策です。それでは、軽減税率とポイント還元の違いは一体どのようなものなのでしょうか。
軽減税率とは、消費税が10%になった後も一部の飲食料品や生活必需品に対して8%の税率が据え置きで適用される仕組みのことです。
一方、ポイント還元の場合、ポイント還元制度の実施期間中(以下、対象期間中)に対象の店舗で電子マネーやQRコード、クレジットカードで決済するとポイントが還元されます。どちらも増税による消費の落ち込みに対しての施策です。

キャッシュレス・ポイント還元事業とは

キャッシュレス・ポイント還元事業とは経済産業省が推進している事業で、キャッシュレス決済を普及させることと、消費税の増税による消費の落ち込みを緩和させることを目的としています。ポイント還元事業の実施期間は、増税開始日である2019年10月1日から2020年6月30日までの9カ月間です。

キャッシュレスによる還元は、一般的に税込価格の5%が還元の対象となります。例えば、税抜価格が10,000円の商品を購入する場合であれば、税込価格の11,000円の5%が還元の対象となるので、還元される金額は550円となります。ただし、ガソリンスタンドやフランチャイズチェーン店舗の場合では、還元率が2%になります。つまり、税抜価格が10,000円であれば還元される金額は220円です。また一部のコンビニエンスストアなどもこれに該当します。還元の割合は店舗によって異なるので利用する際は注意が必要です。

ポイント還元を受けるためには、対象店舗でのクレジットカードやスマホ決済、QRコード決済が必須になります。対象店舗であっても、店内全ての商品が対象になるというわけではなく、対象外の商品もあります。主に飲食店や小売店などが対象店舗であり、中でも中小規模の店舗が中心で大手の量販店などは対象外となるため注意が必要です。対象外商品としては、自動車や住宅などの大きな買い物、金券のような生活必需品でないものなどが当てはまります。また、非課税の商品やサービスもこれに該当し、病院での診察や手術費用、さらには教育機関の受験料、入学金、授業料などが挙げられます。

商品購入後、ポイントが還元されるまでの時間は店舗によって異なります。早ければ購入時にその場で受けられますが、遅ければ購入から3カ月ほどかかることもあります。
ポイント還元は消費者にとってたくさんのメリットがあり、導入に当たって事業者が負担する費用も非常に少ないのです。なぜならポイント還元の際に生じる費用は、国が負担することになっているためです。厳密にいえば、消費者が商品を購入した後、事業者が還元分を立て替え、その後に国から補助金を受け取るという流れになります。

消費税ポイント還元のメリット

購入する側にも販売する側にも魅力のあるポイント還元。ここでは、特に事業者側のメリットに注目して確認していきましょう。

キャッシュレス決済による業務効率化

キャッシュレス決済を導入するメリットの一つは、業務の効率化です。政府側が導入する目的の一つは業務の効率化、すなわち生産性の向上にあります。店舗で現金を処理する場合と比べて、キャッシュレス決済では時間や手間が大幅に削減されます。つまり、業務やサービスの付加価値を高めることができるので、結果的に全体の生産性が向上します。導入に必要な端末の費用は国が2/3を負担し、残りの1/3を決済事業者が負担します。すなわち、店舗事業者の負担分はなく、実質的に無料で導入することができます。(ただし、大手企業のフランチャイズ店舗など一部では例外があるため確認が必要です。)

集客力の向上

導入によるもう一つのメリットは、対象店舗への来客数の増加です。対象店舗になる場合、事前登録が必要ですが消費者は少しでも安い、もしくはポイント還元される店舗の利用が予想されるため、導入することによって多くの来客が期待できます。さらに還元期間が終了した後も、リピーターとして来店することも見込まれるので、対象期間中の短期的な集客という観点からだけでなく、中長期的な観点からも期待ができるのです。

決済手数料の補助

決済時には決済事業者に対して手数料を事業者側が負担します。なお、対象期間中であれば手数料の1/3が国によって補助されるため、事業者の負担は2/3で済むというメリットがあります。具体的な数字でいえば、決済手数料は3.25%以下に設定しなければならないため、対象期間中の事業者の負担は最大でも2.17%ということになります。とはいえ、大手企業のフランチャイズ店舗などは国による負担軽減の対象には含まれていないため、事業者は事前に確認する必要があります。

キャッシュレス決済の導入で売り上げ拡大を!

消費者にだけでなく事業者にも大きなメリットがあるこれらのポイント還元制度。導入して業務効率を高めるためにはその仕組みだけでなく、実際にキャッシュレス決済に対応させるフローや方法をしっかり押さえておきましょう。
実際に導入する際には、キャッシュレス決済専用の端末を購入・設置するという方法だけでなく、既存のPOSに決済機能を追加するという方法もあります。その際には決済業者との取り次ぎが必要になるので、この点に関しては詳しく仕組みを調べておく必要があります。近年ではスマートフォンをベースとした、アプリをインストールするだけで対応可能なものもあります。また、POS機能の一部として在庫管理機能を併せ持つものもあるため、導入次第でキャッシュレス決済に対応できるだけでなく、業務効率の改善も見込めます。

キャッシュレス決済やポイント還元というと購入者側のメリットのみに焦点が当てられがちですが、導入すれば事業者側にとっても多くのメリットがあるのです。導入に当たっては国や決済事業者が費用を負担することからも、導入することでかかるコストのハードルはさほど高くないといえるでしょう。

これからの時代、少しでも多く集客し、より円滑にそして業務効率を高めて事業を行っていくためには、キャッシュレス決済の導入を推奨します。今後はますます現金での支払いが減っていくと予想されます。まだ導入されていない場合は、この記事を参考にしてしっかり準備しておくとよいでしょう。

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