企業のSNSマーケティング成功事例から見る“効果的な戦略”5選

SNSはいまや、企業と消費者を結ぶ重要なマーケティングチャネルとして機能しています。しかし、漫然と運用しているだけでは、他の投稿に埋もれてしまい、フォロワーの獲得や購買行動にはつながりにくいのが現実です。では、SNSマーケティングで成果を出している企業は、どのような工夫をしているのでしょうか。本記事では、主要なSNSの特徴や運用ポイント、先行企業の成功事例からうかがえる効果的なSNS戦略について解説します。

なぜ? 企業が今“SNSマーケティング”に注力すべき理由

なぜ? 企業が今“SNSマーケティング”に注力すべき理由

SNSマーケティングとは、InstagramやX、TikTokなどのソーシャルネットワークサービスを通じて、消費者との関係構築を図るマーケティング手法です。

SNSは双方向的なコミュニケーションツールであるため、従来型の一方的な広報とは異なり、消費者とのつながりや共感を生みやすいという特長があります。この特長により、SNSマーケティングを展開することで、認知度向上、ブランディング、顧客エンゲージメントの強化、リードの獲得など、多岐にわたる効果を得ることが可能です。

SNSはいまや、多くの消費者に日常的に利用されており、購買活動においても重要な情報収集手段として機能しています。従って、現代の企業にとってSNSは、無視できないマーケティングチャネルです。

全企業のうち、特に「BtoCの小売業」における成功事例が多数

SNSマーケティングは業種を問わず広がりを見せていますが、BtoCの小売業においては、特に顕著な効果が期待できます。

帝国データバンクの調査によると、SNS運用を行っている企業の割合は全体で見ると40.8%なのに対し、小売業に絞ると69.3%にものぼります。

参照元:帝国データバンク「企業におけるSNSのビジネス活用動向アンケート」

また、東京商工リサーチの調査によると、SNS運用をしても特に効果が出なかった企業は約3割存在する一方、小売業に限定するとその数字は5.8%にとどまるとのことです。

参照元:株式会社東京商工リサーチ「2023年『企業のSNS運用に関するアンケート』調査」

こうしたデータから、SNSマーケティングはとりわけBtoCの小売業に適した手法であると解釈できます。

SNSマーケティングの主要プラットフォームと成功率を高める活用アイデア

主要プラットフォームと成功率を高める活用アイデア

SNSマーケティングを成功させるには、まず自社の伝えたいメッセージやターゲット層に適したプラットフォームを選ぶことが重要です。ここでは、現在多くの企業が活用している六つの主要プラットフォームの概要と、運用上のポイントを解説します。

視覚的な魅力や世界観が伝わりやすい「Instagram」

10代〜30代の、特に女性ユーザーに人気のSNSです。写真や動画投稿がメインのため、ビジュアル面での訴求に適しています。ストーリーズやリール、ハッシュタグなどの機能を活用することで、効率的に認知度を拡大可能です。

例えばアパレル企業であれば、新商品やコーディネートの紹介、ブランドコンセプトを伝えるビジュアルの発信などに役立ちます。さらにライブコマース、ユーザーの投稿写真(UGC)のシェア、インフルエンサーとのタイアップなどにも効果的です。

Instagramユーザーの関心を引くには、企業の投稿も洗練されたビジュアルであることが求められます。また、ストーリーズで日常的なシーンを投稿するなど、親近感に訴える戦略も有効です。

リアルタイムな情報発信と双方向コミュニケーションが得意な「X(旧Twitter)」

Xは、拡散力とリアルタイム性に秀でたSNSです。短文の投稿が主ですが、画像や動画も投稿できます。10代〜40代を中心に、幅広いターゲットにリーチ可能です。リポスト機能を使えば、他のユーザーとの双方向のやりとりや情報拡散もできます。

アパレル企業では、新作情報やセール・キャンペーンの告知などに活用できる他、ユーザーからの問い合わせ対応やアンケートの実施、顧客の声の収集などにも有効です。

Xではタイムリーな対応が求められるため、「トレンドを敏感に捉えて投稿に反映する」「顧客の声には素早くレスポンスする」など、即応力のある運用体制を構築しましょう。

圧倒的なユーザー数が強みの「LINE」

LINEは、日本で最も広く利用されているコミュニケーションツールです。年齢や性別を問わず幅広く日常利用されており、プッシュ通知やLINE公式機能などを活用することで、高い開封率が期待できます。

アパレル企業の場合、友だち限定クーポンの配布、新商品やセールの案内、チャットボットによる自動応答などに活用されることが多いです。

LINEマーケティングを具体的な成果に結びつけるには、「プッシュ通知を利用して再来店を促す」「1to1メッセージで各ユーザーの関心に応える」といった工夫が鍵になります。

認知度が低くてもバズを狙いやすい「TikTok」

TikTokはショート動画に特化しており、10代〜30代がメイン層のSNSです。TikTokは拡散力が高いうえ、動画ごとにその魅力を判定するアルゴリズムが採用されているため、フォロワー数が少ない段階でもバズを起こし、一気にファンを獲得できる可能性があります。

アパレル企業での活用例としては、新作や1週間の着回しコーデの紹介、ユーザー参加型の企画、インフルエンサーとのコラボなどが挙げられます。

TikTok投稿ではエンターテインメント性が重要です。「トレンドのダンス動画を踊ってみる」「ユーザー参加型のハッシュタグキャンペーンを開催する」など、話題性や面白さを意識しましょう。

一つのコンテンツを長期的に生かせる「YouTube」

YouTubeは、10代から50代以上まで幅広い世代に利用されている動画共有プラットフォームで、長尺・短尺(たんじゃく)どちらの動画も投稿可能です。YouTubeの投稿動画はアーカイブされるため、長期にわたって資産として活用できます。チャンネル登録機能によって固定ファンがつきやすいことや、Google検索結果に表示されることも集客するうえで魅力的です。

アパレル企業の場合、長尺を生かしたブランド紹介動画、商品の紹介・レビュー動画などの用途に適しています。また、スタイリング講座やコレクションの舞台裏、ライブ配信などを投稿するのも需要が見込めます。

「ブランドの世界観を丁寧に表現した高品質動画」「ユーザーのよくある疑問に答えるHow To動画」など、長期的に価値を発揮するコンテンツを制作できると良いでしょう。

幅広い層への詳細な情報提供が可能な「Facebook」

Facebookは、30代以上の社会人層を中心に安定した利用率を誇るSNSです。テキスト・画像・動画・リンクといった多様な形式で情報発信ができます。また、グループ機能・広告機能などもあり、BtoCに限らずBtoBマーケティングにも効果的です。

アパレル企業では、商品やブランドストーリーの詳細な紹介、ファンコミュニティーの運営、ターゲットを絞った広告配信などに活用できます。

イベント情報などで実店舗への来客を促すのはもちろん、グループ機能を生かして顧客同士の交流を促進し、ロイヤルカスタマーの育成へとつなげましょう。

ユニークな手法も! 企業のSNSマーケ成功事例から見る“効果的な戦略”5選

SNSマーケティングを展開する際は、ユーザーニーズを的確に捉え、自社の個性や存在感を高める創意工夫をすることが大切です。以下では、その参考となる成功事例をご紹介します。

1.「中の人」の個性を生かすアカウント運用でファンを獲得

ある健康関連企業は、Xで担当者の人間味ある個性を前面に出した投稿を展開しました。社内の日常や雑談、オリジナルキャラクターとの掛け合いなど親しみやすい内容が話題となり、フォロワーが急増。他社メディアとのコラボにも発展し、ブランド認知度の向上とファン獲得に大きく貢献しました。

2.インフィード広告を活用して自社コンテンツの話題化を促進

ある化粧品メーカーは、TikTokでインフィード広告とエフェクト機能を巧みに活用し、新商品のリップアイテムの販促に役立てました。具体的には、ユーザーが自分の顔に口紅を塗ったように見せられるオリジナルエフェクトを開発し、新作リップの疑似体験を提供しました。この投稿は、人気クリエイターを起点に多くのユーザーの注目を集め、460万回以上の再生を記録。商品の話題化と購買喚起につながりました。

3.高頻度のSNSキャンペーンで“フォロワーが離れにくい”状況を構築

ある飲食料品メーカーは、抽選でプレゼントなどが当たるキャンペーンをXで定期的に展開しています。リポストやハッシュタグを活用して積極的に拡散を狙い、ブランドの認知度向上を促進しています。同社は、こうした目を引くキャンペーンを絶え間なく提供することで、ユーザーの関心をしっかりと引き、安定したフォロワー数の確保に成功しています。

4.SNSを活用したインフルエンサーマーケティングで売上を拡大

あるアパレル企業は、InstagramやTikTokなど複数のSNSを運用し、インフルエンサーや人気YouTuberとのコラボレーションアイテムの販売などを積極的に行っています。こうしたインフルエンサーの活用は、特に若年層のターゲットに効果的です。また、AIを使ったバーチャルモデルを採用し、ユーザーからそのモデル名を公募するなど、先進的なプロモーションで多くの注目を集めています。

5.ソーシャルリスニングで業界のトレンドをいち早く把握

あるファッション系Webサービスの運営企業は、SNS上の投稿内容や画像、ハッシュタグなどを定期的に分析し、注目のアイテムや色、投稿形式の傾向などを詳細に分析しました。こうしたソーシャルリスニングを通して得た知見を業界のトレンドを把握し、仕入れ計画やプロモーション戦略の調整などに役立てています。ソーシャルリスニングは、このようなトレンド分析以外に、自社商品に対するお客様の声を探るためにも有効です。

SNSマーケティング成功の第一歩は自社データの正確な把握・分析から

SNSマーケティングを安定的に成功させるには、場当たり的にユニークな投稿をするのではなく、データ分析に裏付けされた戦略に沿って運用していくことが重要です。ターゲット層の特性、売上傾向、在庫情報などの自社データを一元管理し、リアルタイムで活用可能にすることで、SNS運用の効果を高めやすくなります。

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