EC事業成功の秘訣 ~その時間、大事なところに使いましょう~/実践ソリューションフェア2020レポート

2020年2月7日の実践ソリューションフェア2020内で行われたEC事業推進セミナー「累計販売数1400万個! スマホケースiFaceを販売するHameeのEC事業の事例を大公開!」をレポートします。スマホケースで年間約85億円を売り上げるHamee株式会社(以下、Hamee)のチャネルセールス部 日橋正義氏が、EC事業成功の秘訣(ひけつ)について具体的な施策を交えて解説しました。

大きなヒット商品に恵まれても、そこから長期にわたって売り上げを伸ばし続けるのは容易なことではありません。

1990年代に携帯ストラップの販売からスタートしたHameeのEC事業は、年間約85億円を売り上げるまでに成長し、国内のみならず海外でも販売網を広げ、現在も拡大路線を歩んでいます。HameeのEC事業運営の秀逸さは、「顧客との程良い距離感」と「スムーズなフルフィルメント」にあるようです。Hameeの成功事例からEC事業を成功に導くためのヒントを探ります。

Hamee株式会社 チャネルセールス部 日橋正義氏

顧客との程良い距離感

顔の見えないネット販売では、顧客をどう呼び込み、どのようにして良好な関係を構築し続けていくかが課題となります。

Hameeは、ターゲット層が豊富にアクセスするECモールの中で「多店舗展開」を行い、ユーザーがお目当ての商品を見つけやすくなるよう工夫しています。また、「コンテンツマーケティング(注)」の手法を用いて効果的にプロモーション活動を実施、独自の施策でお客様とのコミュニケーションツールを確立しています。

(注)コンテンツマーケティング:ターゲット層の顧客が興味を持つコンテンツを作成・伝達することによって、顧客との関係を維持し、最終的に利益に結び付く行動を促すマーケティングのこと。

事例1:多店舗展開

ユーザーを自社のECサイトに効率よく呼び込むためにはターゲット層に合わせた店舗づくりが欠かせないと考えたHameeは、ECサイト8モールの中で15店舗を出店させるという多店舗展開を手掛けています。特に、売り上げの上位を占める楽天市場においては5店舗を展開しています。

一つのモールの中で店を複数に分けてしまうと、顧客の食い合いが起こりそうなものですが、実はこの方策こそが検索対策に有効なのだそうです。例えば楽天市場の場合、モール内検索による顧客の店舗への流入率が約50%にも上ります。そこで、店舗側は商品名や色、柄を入力するための検索キーワードを商品にひも付けることにより、楽天市場の入り口から最短距離でユーザーを誘導できるというわけです。1店舗のみだと楽天市場の入り口から自社の店舗に運よく入ってこられても、そこからさらに検索をかけて商品を探していくという手間がかかってしまいます。好みの商品が探しにくいと感じた顧客は、すぐにほかの店舗に移ってしまうでしょう。多店舗展開を行うことで、ターゲット層や商品の特性にマッチした店舗構えや商品ラインアップを行えますので、顧客の流出阻止にもつながるとのことです。

事例2:コンテンツマーケティング

HameeはSNSとアナログの両方でコンテンツマーケティングを手掛け、顧客と良質な関係を構築するためのプロモーションやカスタマー対応を行っています。また、顧客とのきめ細かなコミュニケーションにより、売り上げにつなげる方策も確立しています。

プロモーションは主にSNSを活用。インスタグラムでは専用サイトを開設し、セールスマーケティング担当が投稿されるコメントや検索キーワードを一つ一つ分析し、ユーザーにとって魅力のある企画になるよう試行錯誤を繰り返しています。商品について投稿してくれたお客様には「コメントありがとうございます」と返答し、続いて関連する新商品を紹介します。あるいは商品を買ってくれたユーザーから「このような使い方をしています」といった画像を投稿してもらい、抽選でプレゼントを贈ります。こうしたSNSを通じたユーザーとのやりとりをリアルタイムで行うことで、売る側と買う側の程良い距離感が生まれ、良好な関係構築につながっているようです。

特に認知度の高い商品のプロモーションには、このような「お客様との関係構築」の手法が役立つとのことです。

一方、立ち上げたばかりの新しいブランドの場合は、そのブランドだけをPRしても知名度が低く引きが弱いため、「トレンドメディア」の運用方法を採用しています。トレンドメディア手法とは、売りたい商品だけをアップするのではなく、購買層の中心年齢を想定し、その層が興味を抱きそうなファッションや趣味のアイテムを紹介。その中の一つに自社ブランドの商品を載せて使い方の提案を行うやり方です。自社ブランドのアイテムが生活シーンに溶け込んでいる様子を披露することで、ユーザーがそのアイテムを使って生活している自分を想像できるようにし、購買を促します。

このように、SNSをユーザーとのコミュニティの場と捉え、自社商品に親近感を持ってもらうことを意識してプロモーションを進めた結果、昨年(2019年)1年間でフォロワーを2万人増やすことができたとのことです。

Hameeではアナログなプロモーションも重視しています。例えば、商品と共に同封される納品書があります。納品書は購入者が100%目にする紙です。そこで、この納品書の裏にHameeの本社所在地である小田原の散策マップを掲載したところ、商品レビューに「納品書がかわいかった」「納品書いつも見ています」などの書き込みが入るようになり、やがてレビューの平均評価が向上して商品がランキングの上位を占め、最終的に売り上げに貢献するまでになったとのことです。

スムーズなフルフィルメント

EC事業成功に欠かせないもう一つのポイントは、スムーズなフルフィルメントです。

前述のように、魅力ある店舗づくりやSNSによるプロモーションに力を注ぐためには、企画から制作・実行を手掛ける人材と多くの時間が必要となります。ただし、販売するアイテムの数が増えれば増えるほど、また売り上げが伸びれば伸びるほど、バックエンドのフルフィルメントも膨大で複雑さを増しますが、その対応もおろそかにはできません。Hameeも楽天市場に始まり、売り上げ拡大を狙って出店先のモールを増やし、さらに多店舗展開を進めていく中で受注から発送、そして返品対応やカスタマー対応に至るまでのハンドリングに大半の時間と手間がかかるようになってしまったとのことでした。そこで、解決策として自社でバックエンドシステムを構築することを決意しました。その結果、誕生したのがフルフィルメント管理システムのネクストエンジンです。

ネクストエンジンは在庫や受注状況を一元管理するシステムで、売り上げの効率化を図り、ECのバックオフィス業務を限りなく自動化することを目指しています。アパレル業界を筆頭にEC事業を営む3,790社、29,000店舗が採用、SaaS型ECプラットフォームでの対応数はNo.1を誇ります。

EC運営を陰で支えるネクストエンジン

ネクストエンジンにはEC事業運営に必要な約200種類の機能が搭載されています。主な機能は次の四つです。

  1. 受注管理機能
  2. 在庫連携機能
  3. ページ管理機能
  4. 他社システムとの連携機能

受注管理機能

ネクストエンジンの受注管理機能の特徴は、受注APIやCSV、あるいは受注メールを介して集められた受注データを取り込んだ後、「目を通してから行う出荷注文」と「目を通さず出荷できる注文」を自動的に振り分ける機能が付いていることです。

取得した受注情報をネクストエンジンのシステムが自動分析し、すぐに出荷処理ができるもの(=目を通さず出荷できるもの)と、何らかの確認ステータス(郵便番号間違い、銀行振り込みの入金待ち、欠品による引き当て待ち、発売日前で販売開始待ちなど)が発生して、人のチェックが必要なものとに振り分けるシステムです。エラーが出ていない受注ステータスについては、出荷作業を促す出荷待ちステータスに自動的に推移されます。確認しなければならない受注ステータスでは、伝票画面の備考欄にどういう操作が必要なのかが一目瞭然なので、各サイトで内容を確認することなく、ネクストエンジンの管理画面だけを確認すれば出荷まで持っていけるシステムとなっています。Hameeでは全受注のうち、約96%の出荷が自動で行われています。

在庫連携機能

ネクストエンジンの在庫連携機能は、管理画面で1回在庫数を入力するだけで、各サイトに同じ在庫数を反映させることができます。一つのサイトで「商品が1個売れた」という情報が入れば、各サイトの在庫を一斉に1個減らします。割合表示設定という機能では「100%」「50%」などサイトごとに在庫表記を変えることもできますし、アイテム数がゼロになるまで完全に売り切ってしまう「売り切り在庫設定」、残り在庫が何個になったらどこの店舗のみに絞って販売するという「振り分け在庫設定」も可能です。

ページ管理機能

商品情報をネクストエンジンの商品マスターにアップすると、複数のショップに同時に掲載できるという機能です。

他社システムとの連携機能

ネクストエンジンはAPIを公開しているため、スマートフォンのような追加アプリのように連携が可能です。将来的にはデータプラットフォームのようなスタンスを目指しており、ネクストエンジンをハブにしてさまざまなサイトや基幹システム、レジや倉庫のシステムと連携できるアプリの公開を進めています。

また、大塚商会提供のアパレル向け販売管理システム「ApaRevo」や一般的な「SMILE V 販売管理」との連携も推進しています。ApaRevo(SMILE)から商品マスターと在庫データをAPIで自動的にネクストエンジンに引き込み、各サイトの在庫更新や商品マスターの登録が行えるようになっています。さらに、ネクストエンジン上で出荷済みまで進んだ後、売り上げデータとしてApaRevo(SMILE)に取り込むところまで連携できるようなテンプレートもご用意しています。

自社ソフトから他社ソフトへの連携は手入力で行っている企業が多いのが現状です。残業しながら夜中まで作業を続けているという声も多く、今後この部分の開発強化が期待されるところです。

今後の方向性について

Hameeでは、ネクストエンジンを進化させBtoB向けの受発注システムの構築を進めています。BtoC向けと違いBtoBのシステムは、より複雑で一から構築することが大変なので、楽天市場やYahoo!ショッピングの商品データを自動的に抽出し、BtoB向けのカートを自動的に作るような仕組みを考案中とのことです。ネクストエンジンの中にはもともと卸先マスターが備わっており、卸先ごとに掛け率や値段を区別して入力することができます。また、取引先によって見せる部分を調整したり、商品名や値段も取引先ごとに調整したりする仕組みも備わっているのでBtoB用に利用できる日も近いかもしれません。将来はBtoCとBtoBの垣根をなくし、両方が同じシステム上で操作できる仕組みにしたいと考えているとのことです。

売り上げを継続させるために欠かせないプロモーション活動に、人と時間を費やすこと、そしてプロモーション活動の円滑な推進に欠かせないのが、バックエンドのフルフィルメント機能の充実化です。必要なところに必要な時間をかけられる仕組みをどう構築していくか。Hameeの成功事例から多くのヒントが得られました。

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