得意先からの注文をWebで受け付けることができるBtoB ECサイトです。アパレル業向け販売管理システム「ApaRevo」のデータベース情報(商品マスター、在庫情報など)を直接参照することで、シームレスかつリアルタイム性を確保したシステムを構築します。
BtoB-ECとは? 市場規模と、課題解決へ向けたシステム構築のコツ
近年、BtoB-EC(企業間電子商取引)が注目されていますが、その導入にはさまざまなメリットと課題があります。本記事では、BtoB-ECの概要から市場規模、導入のメリット・デメリット、構築方法の種類までを詳しく解説します。
BtoB-EC(BtoBコマース)とは?
BtoB-EC(Business-to-Business Electronic Commerce)とは、企業間でインターネットを通じて電子商取引を行うことを指します。BtoB-ECにより、企業はオンラインで商品やサービスを購入・販売でき、効率的な取引が実現します。ただし、BtoBとひと口にいっても、ネット卸や職域販売から受発注などまで、さまざまな取引形態が含まれます。これに対し、BtoC(Business-to-Consumer)-ECは、企業が消費者に直接製品やサービスを提供する電子商取引のことです。
BtoB-ECサイトの主な種類
BtoB-ECサイトには大きく分けてクローズド型とスモール型の二種類があります。クローズド型は、特定のビジネスパートナーとの取引を目的とした専用のECサイトです。取引先との信頼関係が強く、安全性やプライバシーが重視される場合に適しています。一方、スモール型は、より広範なビジネスパートナーとの取引を目的とした汎用(はんよう)的なECサイトです。取引先が多岐にわたる場合や、新規ビジネスパートナーとの取引を増やすことを目指す場合に適しています。
「EDI」も、BtoB-ECの一つ
EDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)は、企業間でのビジネス文書の自動交換を行うシステムです。発注書や請求書、在庫状況報告書などの標準化されたデータを、企業間で直接やり取りすることで、業務の効率化とミスの削減を図ります。EDIも広義ではBtoB-ECの一部です。
しかし、近年では「2024年問題」と呼ばれるEDIの技術的な制約により、インターネットEDIの導入や、EDIからBtoB-ECへの転換を図る企業も増えています。インターネットEDIは、より柔軟でスケーラブルなシステムを提供し、EDIの制約を克服するための解決策として注目されています。
BtoB-ECの市場規模とEC化率の動向
経済産業省が2024年9月に公表した「令和5年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によれば、国内のBtoB-EC市場規模は年々増加しており、2023年(令和5年)は465兆2,372億円に達しています(対前年比10.7%増)。BtoBのEC化率も増加傾向にあり、前年の37.5~40.0%になっています。
この動きは、働き方改革やBCP(事業継続計画)策定の推進などを背景として、業種を問わず継続して増加傾向にあります。働く場所や時間、状況にとらわれず取引できるBtoB-ECは、柔軟で効率的な取引形態として、多くの企業に採用されています。
BtoB-ECを構築する企業のメリット・デメリット

BtoB-ECを導入することで、企業には業務効率化などの大きなメリットがもたらされますが、一方で注意しなければならない課題も存在します。
最大のメリットは、受注対応業務の効率化
企業の受注対応業務が大幅に効率化されることが、BtoB-ECの導入による最大のメリットです。従来のFAXや電話を用いた受注対応では、手作業でのデータ入力や確認作業が必要であり、担当者に負担がかかります。注文内容の入力ミスや確認漏れといったヒューマンエラーのリスクもあります。
BtoB-ECを導入すれば、受注対応の処理がオンラインで完結するため、これらの手作業が減少し、受注データの入力や確認作業、問い合わせ対応といった業務が不要になります。受注処理が迅速かつ正確に行われるため、業務負担が大幅に軽減され、新規顧客の獲得にあてられる時間も増えます。
一方で、導入コストや既存顧客へのフォローが課題に
BtoB-ECを導入する際には、独自の商習慣に対応するシステムの設計・構築が必要となり、それにともなうコストが発生します。また、社内全体の業務フローを見直す必要があり、多くの時間や人的リソースが必要です。これらの初期投資は企業にとって大きな負担となる可能性があります。
さらに、これまでの発注方法が変わることによる既存顧客へのフォローも重要な課題です。導入初期には新しいシステムの利用に慣れてもらうためのフォローや顧客とのコミュニケーションが求められます。
BtoB-ECを構築する三つの方法
BtoB-ECの構築方法には、主に「ASP(SaaS)型」「パッケージ型」「フルスクラッチ開発」の三つがあります。
1.ASP(SaaS)型
ASP(Application Service Provider)型、またはSaaS(Software as a Service)型のBtoB-ECは、クラウド上で提供されるサービスです。このタイプのシステムは、サーバーを管理する負担を軽減し、初期投資を抑えられます。
ASP型のBtoB-ECは、大幅なカスタマイズは難しいことが一般的です。しかし、自社の商習慣や業務フローに適したシステムを提供しているサービスであれば、初期費用を抑えつつ、スピーディーに導入できるというメリットがあります。
2.パッケージ型
パッケージ型のBtoB-ECシステムは、既存のソフトウェアをベースにする方法です。このタイプのシステムは、基本的な機能が既に備わっており、企業の特定のニーズや業務フローに合わせた調整が可能です。
パッケージ型の主なメリットは、一からシステムを構築する場合に比べてコストを抑えられることです。既存のソフトウェアをベースにしているため、開発期間も短縮でき、スピーディーな導入が可能です。
ただし、システムによってカスタマイズの範囲が制約される場合があり、自社の業務プロセスに完全にはフィットしない可能性があります。
3.フルスクラッチ開発
フルスクラッチ開発は、既存のテンプレートやパッケージソフトを使わず、ゼロからオーダーメードでシステムを構築する方法です。この方式は、企業の独自の商習慣や業務フローに完璧に対応することが可能で、必要な機能を網羅したBtoB-ECサイトを作り上げられます。
一方、要件定義から設計、実装、テストまで一貫して行うため、他の方式と比べて開発期間が長くなります。開発費用が高額になることも多く、人材リソースの確保も課題です。
BtoB-ECの導入を成功させるシステム構築のコツ

BtoB-ECの導入にあたって、現状の課題を解決しつつ、業務効率化など期待どおりの効果を得るためには、次のポイントを意識することが重要です。
BtoB-ECに求められる機能を把握する
BtoB-ECとBtoC-ECとでは、求められる機能が異なります。BtoB-ECでは、取引先企業との取引管理や、大量発注、複雑な価格設定、長い購入サイクルなど、BtoBならではの取引に対応する機能が必要です。また、EDIの機能も重要で、効率的な情報交換が求められます。
取引先にスムーズにインターネット受注へ移行してもらうためには、BtoB取引や業界特有の商習慣にも対応できるシステムを選ぶことがポイントです。最適なシステムを選択することで、取引先との信頼関係を築き、ビジネスの効率化を図れます。
販売管理などの基幹業務システムと連携する
BtoB-ECシステムの導入を成功させるためには、販売管理や在庫管理などの基幹業務システムと連携させることが重要です。
基幹業務システムとの連携により、業務効率が大幅に向上し、手作業によるデータ入力ミスや漏れなどを減らすことができます。また、受注から出荷までのプロセスを自動化することで、業務がスムーズに進行し、迅速な顧客対応が可能です。リアルタイムでのデータ統合・分析が可能なので、在庫管理の最適化や適切な出荷スケジュールの設定などを実現できます。
業務効率化を実現するためには、BtoB-ECシステムと連携できる基幹業務システムへの刷新も視野に入れることが重要です。既存の基幹業務システムがBtoB-ECシステムと連携できない場合、システム全体を見直して一元的なシステム構築を行えば、業務全体の最適化を図れます。
BtoB-ECは、独自の商習慣に対応したシステムの導入が肝
BtoB-ECは企業間取引の効率化に不可欠な要素です。電話やFAXによる受注からインターネットを活用した受注へ移行することで、業務効率の大幅な改善が期待できます。ただし、導入コストや既存顧客へのフォローといった課題も存在します。これらの課題に対処しながら、効率化を図るためには、注文確定後はデータが販売管理システム「ApaRevo」と連携できる「ApaRevo BtoB Web受注オプション」や、データの送受信だけでなく、訂正やピッキングリストの発行などのEDI業務全体をカバーする「EOS名人.NET」の活用も一案です。適切なシステム導入によって、独自の商習慣に対応した柔軟なBtoB-ECを構築することが可能です。
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「EOS名人.NET」は得意先のオンライン受注への要請に応えるためのソフトウェアです。データの送受信だけでなく、データの訂正や緊急発注入力、納品書や一括納入明細書、ピッキングリストの発行など、EDI業務全体をカバーします。
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