化粧品のDtoC(D2C)ブランドを展開するには? 成功のためのポイントを解説

近年、BtoCやBtoBと異なる新たなビジネスモデルとして消費者と直接関係性を持ち、販売する「DtoC」が注目を集めています。アパレルや食品業界などで導入が進み、化粧品メーカーでも導入する事例が増えています。本記事ではDtoCの概要や従来のビジネスモデルとの違い、導入するメリット・デメリットについて紹介します。

DtoC(D2C)とは?

DtoC(Direct to Consumer)とは、直接(Direct)消費者(Consumer)にアプローチをし、商品の販売や契約を行うビジネスモデルです。業種によって形態は変わりますが、化粧品メーカーであれば卸売業者や流通、小売店を仲介せずに自社で運営するECサイトで直接商品を販売する形が代表的です。直接消費者へ訴求を行うため、販売経路に掛かるもろもろの工数やコスト削減、物流の効率化だけでなく、広告費用の削減やブランディング構築のしやすさ、少量の在庫での販売が可能な点など、多くのメリットがあります。

DtoCが流行した背景として、スマートフォンの普及やインターネットへのアクセスがしやすくなったことでECサイト利用のハードルが下がったことと、SNSの普及によって消費者と直接コミュニケーションを取れるようになったことが大きいといえます。また、個人でも簡単にECサイトを構築できるようになったのもDtoCが広まった背景です。

化粧品業界におけるDtoC(D2C)の流れ

経済産業省が発表した2020年度の『電子商取引に関する市場調査』によると、物販系分野のBtoC-EC市場規模はコロナ禍の中でも全体的に上昇傾向にありますが、化粧品は衣服や生活用品と比べると比較的にEC市場の規模が小さく、今後、伸び代がある領域です。また、コロナ禍の影響により、店頭での販売減少はもちろん、外国人観光客の減少もあり、ECサイトのニーズそのものが高くなっている背景があります。

SNSの普及で化粧品メーカーが公式アカウントを運用するのも珍しいことではなくなり、消費者と直接関係性を構築できるようになりました。そのため、化粧品の店頭販売だけでなく、メーカーが直接運営するECサイトでの取引がしやすくなっている点も化粧品メーカーのDtoC導入の後押しとなっているのもポイントです。無料で使えるASP(Application Service Provider)が登場したことでECサイトそのものを低コストで構築できるようになっているのも、化粧品業界全体のDtoCの流れを後押ししています。

以下の記事でも、実際にDtoCを導入し販売拡大に成功した企業例を紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

DtoC(D2C)ブランドに必要な三つの要素

DtoCブランドとして成功するためには「独自の商品力」「Webマーケティング」「販売形式」の三つの要素を押さえることが不可欠です。ここでは各要素について解説をします。

1. 独自の商品力

扱う商品そのものに魅力がないと、どんなにDtoCを取り入れても効果は出にくいです。

ファンを獲得できるニーズを満たす商品開発と、継続的な価値の発信を行うことで、ブランド認知が拡大し商品購入につながります。

加えて、SNSでコミュニケーションを取った消費者からの意見を取り入れた商品や、個人個人に合わせて開発されたオーダーメード展開のように競合と差別化して、独自性を高めることがポイントです。商品力が高いものはSNSを通じてシェアやレビューが行われ、レコメンドや拡散が発生しやすくなります。

2. Webマーケティングのノウハウ

自社でECサイトを運用しDtoCブランドとして成功するためには、ブログやSNSを駆使した集客を行うことが必要不可欠です。例えば、自社で運営するWebサイトだけでなく、楽天市場のような巨大なECモールに出店し、その中で広告を出稿するアプローチなど、露出面を増やす戦略も有効です。また、SNSの活用もテキストだけでなく、画像や動画を作成して視覚的に商品の魅力が伝わるように訴求方法を工夫することも効果的です。こうした施策を実行するためにはWebマーケティングのノウハウが重要となります。

3. リピーターを増やす販売形式

多くの利益をもたらすためには新規顧客の獲得だけでなく、何度もECサイトを利用してくれるリピーターの母数を増やすことが必要です。例えば、新商品の開発をSNSで発信しその魅力をアピールする事も施策の一つになります。また、メルマガなどで定期的にコミュニケーションを取り関係性を築くことも重要です。

そしてコミュニケーションだけでなく、販売形式の最適化を図ることもリピーターを獲得するポイントです。例えば、毎月商品が届く定期販売や月額定額制でサービスを利用できるサブスクリプションなどの販売形式があります。継続的に利用できる仕組みを構築することで、リピーターの獲得につながりやすくなります。

化粧品DtoC(D2C)ブランドを展開する際のポイントは?

化粧品DtoCブランドを展開する際はさまざまなポイントがあります。ここではブランド展開をする際に押さえておきたい三つのポイントを解説します。

1. ユーザーレビューを伝える・生かす

化粧品は消耗品のため、アパレル商品とは異なり継続的な購入、利用という特徴があります。また、自身にとって相性の良い商品を選びたいという心理が働くため、利用者による実際の使用感についてのコメントやレビューは必要不可欠な要素です。ECサイトで購入した人のレビュー数や、SNSでのシェアは消費者が購入する判断基準として役立ちます。レビューに特化した専用サービスの導入や、SNSと連携したキャンペーンを実施するなど、レビューを増やすアプローチを仕掛けましょう。

レビューを生かした商品開発やECサイトのリニューアルは商品力の向上にも大きく影響するため、真摯(しんし)に受け止め、開発に役立てるのも重要です。

2. さまざまな販売チャネルを活用する

EC戦略では販売チャネル選定は重要なポイントとなります。通常、EC戦略では自社で運営するECサイトを構築することと、ECモールに出店することの二つに分類できます。そして販売チャネルを拡大することが、DtoCでの成果につながります。Instagramのショッピング機能を活用すれば、Instagramで投稿した写真から直接購買活動を行えるようになります。ほかにも利用しているASPによってはFacebookとの連携が可能なため、SNSによる販売チャネル拡大が導入しやすくなりました。

一方で、販売チャネルを拡大すると扱うデータ量が増加するため、管理が煩雑(はんざつ)になってしまう可能性があります。さらに発生するコストも増加するため、適切な管理体制が求められます。そのため、物流管理システムや受注管理システム、在庫管理システムを活用しながら販売チャネルを拡大するのが効果的です。

3. 海外への展開も視野に入れる

国内にとどまらず海外に向けてもアプローチできるのがDtoCのメリットです。海外市場の顧客を獲得できれば大幅な利益の増加が見込めるだけでなく、事業そのものが大きく拡大する可能性を秘めています。DtoCブランドを立ち上げる際は最初から海外展開を視野に入れておくことで、事前に拡張性のあるECサイトが構築しやすくなります。

ただし、海外市場へ展開する際は輸送コストや国ごとの法律・規制に対する対応、決済方法の多様化など対応するべきポイントもあります。トラブルを想定し、対策をあらかじめ準備をしておくことでスムーズに海外展開が行えます。

まとめ

消費者消費者と直接関係性を持ち販売を行うDtoCは、手数料などのコストを削減しつつ、消費者と直接コミュニケーションを取りながらブランドの魅力を訴求できます。しかし、ECサイト上で商品を販売することで、実店舗の卸状況や取引状況との連携を取ることが難しくなるデメリットもあります。そうした課題を解決するために、化粧品メーカーと相性がよい販売管理システムの導入をおすすめします。販売管理システム「ApaRevo」であれば、ECサイトの受注、在庫の状況を「ネクストエンジン」という、クラウドシステムと連携することで、ECサイトと実店舗の販売状況の一元管理が可能になります。

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