ECサイト構築の手順と構築前に知っておきたい注意点

インターネットが普及し、ECサイトはいまやビジネスにおいてなくてはならないものとなりました。では、ECサイトはどのように構築していけばよいのでしょうか。この記事では、ECサイトを構築する際の制作会社の選び方、スケジュール例、各プラットフォームの特徴と費用の相場、作業の負担など、ECサイトの運営で生じやすい課題について解説していきます。

ECサイト構築から運用までの流れ

ECサイトの構築では、目的や予算を明確にし、委託する企業を慎重に選ぶことが大切です。そこで、ECサイトを構築する際のポイントや具体的なスケジュール例、さらにECサイト構築によく使われる五つのプラットフォームの特徴や費用についてご紹介します。

目的や予算を明確に

制作会社に依頼をする前に、ECサイトの目的や予算を明確にしておくと、制作会社もこちらが望むサイトのイメージを的確に把握できます。

まずはECサイトを構築する目的について考えます。「商品を購入してもらうため」といった大まかなものではなく、どのターゲット層に、どのような方法で購入してもらいたいのかなど、細かい部分まで明確にしておきましょう。これらの基礎情報やコンセプトに沿って、ECサイトに必要な機能を洗い出していきます。検討する要素としては、支払い方法やクーポン利用の有無、商品ページの構成や購入までのクリック数などがあります。さらに、サイトの開発・運営にかけられる予算についても話し合っておきましょう。

制作会社を選ぶ

自社内での企画が定まったら制作会社を探します。ECサイト構築の依頼先は、大手企業もしくは中小企業・に大別できます。従来は大手企業は品質が高くて安定しており、価格が高い傾向がありました。一方で中小企業は、個性的なデザインや価格の交渉ができるなど大手にはない魅力がある反面、品質にバラツキが大きく、補償内容が大手に劣るなどの問題を抱えていました。

しかし、近年は企業努力が実を結び、大手や中小企業というくくりでは語れなくなってきています。例えば、格安でECサイト構築を請け負っている大手企業もありますし、中小企業でも少数精鋭のチームを組んで安定したクオリティのECサイト構築を実現しているケースもあります。そのため、企業規模で制作会社を選ぶのではなく、ECサイト構築までの期間や価格、デザイン、機能など、自社が構築するECサイトが必要とする条件を満たしてくれるかどうかを基準に選ぶ必要があります。加えて、BtoBのECサイト構築に強い企業と、BtoCのECサイト構築に強い企業がある点や、制作会社が得意としている業界も加味して、多方面から絞り込んでいきます。

ある程度まで絞り込むことができたら見積りを取り、詳細を確認していきます。見積りを取る際はECサイトに必要な機能を伝えるだけではなく、特に重要なものは別途資料を用意して詳しく説明するのがコツです。そして見積りを取った数社の中から依頼する会社を決定します。あるいはコンペを開催し、各社に発表してもらうという形も可能です。選ぶ基準としては、安さよりも内容を重視するとよいでしょう。また、見積りの金額が低すぎる会社では、その後の制作が進むにつれて追加費用が発生する可能性があることを念頭に置いておきましょう。

運用までのスケジュール例

続いて、プロジェクトの立ち上げからリリースまでのスケジュールを確認してみましょう。サイトの規模や開発に要する時間にもよりますが、一般的にプロジェクトの立ち上げからリリースまでには、3~6カ月ほどの期間が必要です。大まかな手順は以下のとおりです。

1カ月目:プロジェクトの立ち上げ
2カ月目:制作会社の選定
3カ月目:システム仕様の決定
4カ月目:開発・運用準備
5カ月目:テスト
6カ月目:トレーニング

プラットフォームの種類と特徴

ECサイト構築の際に把握しておきたいのが、プラットフォームです。これはECサイトを制作する際に利用するシステムで、サイト設計の基盤となります。ここでは、ECサイト設計でよく使われる五つのプラットフォームの特徴や費用の相場をご紹介します。

  • * 以下に示す費用はあくまでも一般的な目安です。実際の費用と異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください。

ASP(Application Service Provider)

初期費用:0~10万円
月額費用:数千~数万円
EC年商目安:~1億円

ASPは初期費用が安いという特徴があります。テンプレートが用意されているので、ECサイトを構築するまでの期間が比較的短く、サーバーの取得やメンテナンスが不要という利点があります。しかしカスタマイズできない部分が多く、売り上げが増すとサイトの見直しが必要になり、大変手間がかかります。ECサイトの売り上げ規模が1億円を超える場合には不向きでしょう。

オープンソース

初期費用:0~数百万円
月額費用:0~数十万円
EC年商目安:1億円程度

オープンソースとは、Web上に無料で公開されているプラットフォームを指します。ソフトウェアをダウンロードし、サイトを作っていくので、自社内で制作すればライセンス・初期費用はかかりません。ただしカスタマイズには専門的な知識が必要になるので、外部に委託するケースもあります(初期費用が発生)。またソースコードが一般公開されているため、情報の漏えいが起こりやすく、セキュリティ対策が必要になります。

パッケージ

初期費用:数百万~数千万円
月額費用:数十万円
EC年商目安:1億~50億円

パッケージ化され、既にある程度作り込まれた製品です。柔軟にカスタマイズできるので、デザイン性を重視したい場合におすすめです。自動的にアップデートがされないため、長く使っていると機能やシステムが時代に追い付けず、他社のECサイトと比較して見劣りする場合があります。定期的なアップデートの手間を惜しまなければ、最新の状態で使用し続けられます。

クラウドEC

初期費用:300万~数千万円
月額費用:数十万円
EC年商目安:1億~50億円

ASPとパッケージを一つに合わせたようなプラットフォームです。ベースとしてASPのようなテンプレートがあり、さらにパッケージのようなデザインの幅が広いカスタム部分が用意されています。ただし、内部のコードが明らかにされておらず、システム構造を自社で把握できないという問題があるため、自社運用には不向きです。外部委託を前提とする場合におすすめです。

フルスクラッチ

初期費用:数千万円
月額費用:数十万円
EC年商目安:50億円~

ゼロから全てを作る方法がフルスクラッチです。思いどおりのサイトを制作しやすい一方、構築には多くのコストと時間(最低1年)がかかります。とにかくこだわってサイトを作りたい場合にはおすすめですが、相応のコストと時間も必要なので、よく検討しましょう。

構築前に知っておきたいECサイト運営の注意点

ECサイトの制作が済んだら、いよいよサイトの運営です。運営に必要な業務を簡単にご紹介します。

運営業務

  • 商品管理、撮影、商品説明の作成
  • デザイン、カスタマイズ
  • 受注・入金・売り上げ・発注管理・顧客対応・管理
  • 在庫管理、検品、発送
  • アクセス解析
  • 集客、プロモーション
  • 経理 など

このようにECサイトの運営にはさまざまな業務が伴うため、社内で十分な人手を確保し、効率を求めることが大切です。具体的には、パターン化できる作業を外部委託したり、管理システムを取り入れたりする方法を検討するとよいでしょう。効率が悪いと裏方業務に支障が出て、人手不足によるコスト増加や、お客様に商品が届かないなどのトラブルが起きるおそれがあります。

ECサイト構築後は便利な業務効率システムで業務を最適化

ECサイト運営を自社内で行うには、それなりの人手と効率化が必要になるため、より円滑に管理を行えるシステムの導入が効果を発揮します。例えば、受注管理を行うASPの「ECサイト一元管理システム ネクストエンジン」は、受注データを取り込み、在庫を確認して「入金待ち」「在庫引当待ち」「要確認」など、ステータスを自動的に振り分けます。また社内で複数のECサイトを持っている場合、それらを一括管理できるのもうれしいポイントです。システム上で注文状況が把握できるので、運営業務を一人で抱え込む事態を避けられます。受注管理でお悩みの方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

今回はECサイト構築から運営までの手順をご紹介しました。全てを自社内で行うのはなかなか難しいため、外部に委託したりシステムを取り入れたりして、効率よくサイトの構築・運営を計画していきましょう。

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