次に注目すべきビジネスモデルDNVBとD2Cの違いとは?

スマートフォンをはじめとしたモバイル端末が人々の生活に深く関わるようになってから、消費者向けのビジネスもオンラインで活発に展開されています。ECではAmazonや楽天などのモール型ECが台頭する一方、昨今は消費者と直接つながって販売をする「D2C」や、ブランド価値の向上や理念の共感を目的とする「DNVB」などが注目されています。D2CとDNVBは、直接消費者とつながる点では共通していますが、本質的な部分が異なります。当記事ではDNVBの解説をメインに、D2Cとの違いや、DNVBの将来性について解説します。

ブランド価値の向上を目指すDNVB

「DNVB」とは「Digitally Native Vertical Brand」の略称で、1980年~2000年初頭生まれのデジタルネイティブ世代に対し、バーティカル市場(ニッチな市場)において、商品やサービスを販売するブランドのことを指します。

DNVB はD2Cのビジネスモデルの一つではありますが、商品(モノ)の訴求よりもブランドの存在意義や制作秘話、ストーリー、参加型キャンペーンなどの体験を得られるコンテンツ(コト)からターゲットの共感を獲得し、ブランド価値の向上を目的としています。これまでは「モノ」を購入してもらうためのマーケティングが主流でしたが、DNVBはブランドが提供する価値、体験といった「共感を得るコンテンツ」によるブランドコミュニケーションを通してブランドを作っていくモデルです。

ターゲットであるデジタルネイティブ世代がよく触れるInstagramやTwitterなどのSNSや、YouTubeを活用したマーケティングが活発に実施されるという特徴があります。そして、共感したターゲットによってコンテンツが拡散されることで、ブランド認知度が上がっていきます。

DNVBのメリット

DNVBのビジネスモデルには主に二つのメリットがあります。

一つ目は、全ての顧客体験から一次情報を得られる点です。ブランドに興味があるターゲット情報をリアルタイムに取得することで、いち早くターゲットに有益なコンテンツを届けられます。タイムリーなコンテンツ発信はエンゲージメント強化につながります。

二つ目は仲介業者がいないため、出店料や手数料などのコストが削減できる点です。また、仲介事業者のブランデイングやレギュレーションに従う必要がないため、自社の世界観を100%表現することが可能です。

DNVBの成功例

DNVBは、アメリカのアパレル業界を起点に影響力を持ち始めています。ここでは、DNVBの先駆者といわれている「BONOBOS」の事例をご紹介します。

2007年創業のメンズアパレルブランド「BONOBOS」は、自社ECサイトと実店舗を持っています。通常の実店舗とは異なり、BONOBOSの実店舗は販売ではなく、ターゲットに試着を通じて商品やブランドが持つ世界観を体験してもらうことを目的としています。

また、販売はあくまでEC上を主としており、店舗では在庫を抱えていません。店舗運営コストを従来よりも抑えられているため、高品質な商品を低価格で提供できています。

BONOBOSが提供する体験の場、低価格の実現、欲しいときに手に入れられるECの存在がターゲットのニーズにマッチし、DNVBの成功につながったと考えられます。

DNVBとD2Cの違い

ターゲットに直接販売するDNVBとD2C。両者の間には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、それぞれの目的や手法について解説します。

いまだ日本では主流のD2C

そもそも「D2C」とは「Direct to Consumer」の略称で、メーカーが仲介業者を挟まずに自社ECサイトを使って、直接ターゲットに商品やサービスを販売するビジネスモデルのことを指します。

仲介業者を挟まないことで出店料や手数料などのコストが削減でき、削減できたコストはアフターケアや商品開発・改善などに投資され、付加価値としてターゲットへ提供されます。

また、顧客の一次情報をリアルタイムで取得できるため、顧客満足度を高める活動にすぐに取り組めます。リアルタイムで直接顧客とつながることで、商品やブランド理念への共感を得やすくなり、結果的に長期的なファンの獲得に寄与します。

そうしたメリットを持つ一方で、D2Cは企画から販売までのプロセスを全て自社で担うことから、初期投資と労力がかかります。仲介業者がいない分、商品やブランド認知に必要なマーケティング活動も積極的に行わなければなりません。

日本におけるD2Cは、商品の認知度を高めて販売を目指す、商品に注目したマーケティング活動が主流です。分かりやすいD2Cのマーケティング活動例としては、ブランド目線の画一的な広告を不特定多数に発信し、一時的に安価で購入できるキャンペーンの実施が挙げられます。

このようなD2Cの活動でもターゲットから共感を得ることはできますが、DNVBのように最初から共感を得ることを目的とはしていないのが特徴です。

ブランドの情報発信と共に広がるDNVBとD2Cの違い

DNVBもD2Cも、メーカーが直接ターゲットとつながり、アプローチすることは変わりありません。しかし、それぞれの目的や手法には明確な違いがあります。

DNVBとD2Cの一番大きな違いは、DNVBの目的はブランド価値の創造と向上(ブランド投資)であるのに対し、D2Cの目的はECを基本とした販売経路によって利益を得ること(ビジネス投資)であることです。ターゲットがデジタルネイティブかつバーティカル市場に特化するDNVBは、複数のチャネルで情報を発信し、ターゲットによる拡散を目指しブランドを育てることが目的です。

そのため、発信するコンテンツの違いだけではなく、マーケティング活動の実施期間にも違いが出てきます。D2C的なマーケティング活動の実施期間は短期的ですが、DNVBは長期的に活動を行います。

また、D2Cでは、流通チャネルのECを軸に、ターゲットに対して一方的に商品や情報を届け、売上向上を目指します。一方でDNVBは、商品や世界観を体験できる場をECだけではなく、実店舗・SNS・ペイドメデイアで展開している点が特徴です。

D2Cの特徴から脱却をみせるDNVBのこれから

これまでD2Cを含むECは、マーケティングから販売まで、全てオンライン上で完結させるというこだわりがありました。しかし近年では、DNVBのように「オンラインで売るためにリアル店舗を活用する」という考えにシフトし始めています。

実店舗のコストを削減するため積極的にECを始める事業者が増えていましたが、今では価値を体験できる実店舗こそが、結果的にECの売上を伸ばす効果があると考えられるようになってきています。

特に、実物を見ずに買うのが難しい商品は、オンラインでの購入ハードルが上がります。米国のマットレスメーカー「Casper」は、購入ハードルを下げるため、仮眠を体験できる直営店をオープンしました。

またCasperは、自社をマットレスメーカーではなく、人々の健やかな毎日を支えるウェルネス会社と位置付けています。ターゲットにはマットレスではなく、良質な睡眠を提供するのがCasperであり、まさにDNVBの理想的なビジネスモデルを体現しているといえるでしょう。

日本では、オンラインスーツメーカー「FABRIC TOKYO」がECと実店舗を持つことで、投資家から注目を浴びています。先述のBONOBOSのように、実店舗では試着や採寸のみを行い、購入はオンラインで行うビジネスモデルです。

さらに最近では、DNVB向けに空きスペースや店舗を貸し出すサービスが登場しています。中にはスペースだけでなく、店舗運営に必要なスタッフやノウハウもワンストップで提供するサービスもあります。

DNVBで成功しているブランドは、直営店をオープンしたり、リアルイベントを開催したりするなど、ターゲットと接する機会を積極的に設けています。

このように、オンラインとオフラインにとらわれないマーケティング手法を駆使することが、限定的な市場においてコアなファンを獲得し続ける秘けつといえるでしょう。

D2Cの時代からDNVBの時代へ

消費者がさまざまな情報にアクセスでき、ライフスタイルが多様化した今日、「モノ」の訴求だけでは売れなくなってきています。そこで「体験(コト)」という付加価値が注目されるようになりました。

今後は、従来のD2Cのような経費を削減して短期的に「モノ」を売る考え方よりも、オンライン・オフライン問わず「体験(コト)」を通じて、時間をかけてファンを増やし、ブランド価値の向上を測るDNVBの考え方が重要となるでしょう。

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