アパレル業のECサイトを構築するメリット・デメリット

アパレル業界におけるビジネスモデルは、時代の流れに伴い大きく変化してきました。かつては消費者が直接店舗へ足を運び商品を購入していましたが、現在ではECサイトを利用する方も少なくありません。
アパレル関連企業がこれからの時代を生き抜くには、ECサイトを使った戦略が不可欠です。本記事では、アパレル企業やブランドがECサイトを構築するメリットとデメリット、ECサイトに便利な業務効率システムなどについて解説します。

ECサイトとは

近年増加傾向にあるECサイトですが、詳しくは理解できていないという方もいるかもしれません。ECサイトのECとは、Electronic Commerceを指します。日本語では「電子商取引」を意味し、通販サイトやオンラインショップとも呼ばれます。

一般的な企業Webサイトとの違いは、商品やサービスの販売機能、決済機能があるかどうかです。基本的にECサイトでは消費者が商品についての情報を得て、注文から決済までを一貫して行えます。

インターネットやモバイル端末の普及により、EC市場は拡大の一途をたどっています。経済産業省が発表したデータによれば、2010年に約7.8兆円だった市場規模が、2019年には約19.4兆円まで伸びています。

引用元:電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました (METI/経済産業省)

市場規模が拡大した理由としては、先述したインターネットの普及が一番大きいといえるでしょう。わざわざ店舗へ足を運ばずとも、いつでもどこでも買い物ができる利便性の高さは、消費者にとって非常にありがたいことです。

ECサイトの種類

ECサイトには、単店舗型やオムニチャネル型、モール型、BtoB型、越境・グローバル型といった種類が幾つかあります。それぞれに特徴があるため、きちんと理解しておきましょう。

単店舗型

自社で扱う商品を販売するためのECサイトです。自社ブランドの商品だけを扱う、アパレルブランドのオンラインショップをイメージすると分かりやすいでしょう。

オムニチャネル型

複数の販売経路を活用し集客効果や売り上げアップを狙うものです。消費者は通販のほか、店舗への取り寄せ、カタログ請求、カスタマーセンターへの問い合わせなどといった、さまざまなアクションを起こすことができます。

モール型

一つのECサイトで複数ブランドの商品を扱っているのが特徴です。大手企業の場合、複数ブランドを展開していることがほとんどです。例えば、A社が五つのブランドを展開しているのなら、サイト内にそれぞれのブランドとして店舗を構築するようなイメージです。

BtoB型

企業を顧客としたサイトです。主な消費者は企業であり、商品の仕入れや卸売りなどに利用されます。

越境・グローバル型

日本国内だけにとどまらず、世界を相手にビジネスを展開するためのサイトです。販路拡大により新たな顧客の開拓や売り上げアップも大いに期待できます。

ECサイトのメリット

ECサイトのメリットは、何といっても消費者が時間や場所にとらわれず商品を購入できるところです。ECサイトは24時間365日営業しているため、インターネット環境と端末さえあれば、いつでもどこにいても商品を購入できます。

また実店舗販売の場合、販売員の確保が欠かせませんが、ECサイトならそれも不要です。採用にかかるコストを削減でき、新人教育や指導を行う手間も省けます。

自社のECサイトの場合はブランディングもしやすく、自社の魅力や特徴を積極的にアピールでき、外部からの制約もありません。オリジナリティーも出しやすいため、他社との差別化も実現できるでしょう。

ECサイトのデメリット

多大なメリットが得られるECサイトですが、デメリットももちろんあります。さまざまなデメリットがありますが、その中でも顕著なのが集客の難しさです。

EC市場は着実に拡大しており、アパレル業界においてもたくさんのライバルが存在しています。その中から自社のサイトへ訪問してもらうには、集客のためのノウハウや努力が不可欠です。

またアパレル販売のオンライン化においては、Webサイト運営の知識も必要でしょう。自社で運営を行う場合は、画像の加工やページ作成などといったスキルがなくては運営できません。アクセスを増やすためのSEO施策や、商品の魅力を伝えるためのライティングスキルなども求められます。

さらに現在では、アパレル関連企業やブランドが続々とECサイトを立ち上げており、今後もライバルは増えていくことが予想されます。集客を優位にしようと値下げをする企業もあり、他社も追従してしまうと、価格競争に巻き込まれてしまう恐れもあります。これも代表的なデメリットの一つといえるでしょう。

アパレル業界におけるECサイトのメリット

前述したようにECサイトは店舗運営や人件費などのコストを削減できる分、商品を最安値で提供することができます。
また時間や場所にとらわれずに商品を販売できるため、日本中を商圏としてビジネス展開が可能であり、消費者の近くに店舗がなかったとしても、エリアを問わず商品を届けられます。さらにグローバル展開をすれば、日本国内にとどまらず世界中を商圏としてビジネスを行えます。

また購買データを管理することで、顧客の嗜好に合ったセールス活動をしやすいというメリットもあります。
店舗販売でもメンバーズカードやDMの発行でリピーターを増やす工夫は行われてきましたが、効果は限定的なものでした。一方、ECサイトで管理された顧客データを活用すれば、顧客の趣向に合わせた新作情報やキャンペーン情報をメールマガジンで送ったり、個別にクーポンを送ったり、優良顧客向けにシークレットセールを行ったりなど、より細分化された能動的なセールス活動を行えます。

さらに、ユーザーが検索したキーワードと連動して広告が表示される「リスティング広告」を活用することで、より効率的に新規顧客の獲得も可能です。

アパレルでは、店舗での接客が苦手で服が買いにくいという人も少なくありません。ECでは接客がなく、買う側が自分のペースで服を選べるのもメリットです。コロナ禍の影響もあり、店舗販売には苦戦しているアパレル業界ですが、反面ECでの販売実績は年々伸びています。つまり、多くの人が店舗よりECでの買い物に魅力を感じるようになっているのです。

アパレル業界におけるECサイトのデメリット

ネット通販であるが故に、実店舗販売のように実物を見られるわけではないため、消費者が商品の色やサイズを判断しにくい点が最大のデメリットです。場合によっては、「イメージしたものと違う」といったクレームが入ったり、サイズが合わないなどと商品を返品されたりするケースもゼロではありません。

また既に、大手アパレルブランドはECサイトを活用してビジネスを展開しています。これからスタートする場合、知名度のある人気の高い大手ブランドがライバルになってしまうのも、デメリットといえるでしょう。もちろん、大手以外のアパレルブランドも続々と参入しているため、その中で勝ち抜いていくためには多大な工夫が必要です。

実店舗販売だけを行ってきたショップの場合、「口コミサイトに悪いレビューを書き込まれる」「梱包(こんぽう)や発送に労力がかかる」などといった、これまでにはなかった苦労が増える可能性もあります。これからECサイトの運営に乗り出すのなら、このような事態への対応も押さえておくようにしましょう。

アパレル業界におけるECサイトに便利な業務効率システムの紹介

ECサイトを自社で全て運用するのが難しい場合は、外部に委託したりシステムを取り入れたりする方法もあります。

システム導入の方法として、カスタマイズできるクラウドECシステム「MakeShopエンタープライズ」なら、BtoCとBtoBのどちらにも対応しており、これまで2万2,000千店舗が導入してきた実績とノウハウがあります。自由にカスタマイズができるのが魅力のクラウドECサービスです。約650以上の機能を備え、毎月新たな機能が追加、バージョンアップされているのも特長です。

ECサイトの一元管理を可能にするシステム「ネクストエンジン」もおすすめです。複数チャネルにまたがる受注管理が可能で、ネット通販の運営をあらゆる面からサポートしてくれます。
モール間における商品情報の一括変換ができるほか、在庫自動連携により自動的に販売可能数の更新も行えます。

「MakeShopエンタープライズ」および「ネクストエンジン」は、大塚商会が取り扱っているアパレル・ファッション業向け販売管理「ApaRevo」と連携実績があります。各マスターや売り上げ実績の一元管理を実現しています。

これからの時代、アパレル業界で生き残るにはECサイトを使った戦略が不可欠です。自社で運用のノウハウを磨くのはもちろんのこと、紹介した外部委託業者を活用して売り上げ、利益の向上を狙いましょう。

まとめ

アパレル業界においても実店舗販売だけでなく、ECサイトを活用すれば最安値で商品の販売ができたり、賃料や人件費などのコストを削減できたりと、たくさんのメリットが得られます。ブランディングによる他社との差別化も実現可能です。
ただし、Webサイト運営の知識は不可欠で、集客のノウハウが求められるといった課題も存在します。今後、ECサイトを活用して売り上げ増や利益増を狙いたいと考えているのなら、ぜひここでご紹介した外部委託サービスも検討してみてください。

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