インバウンドビジネスはこうやって進める! 事業拡大に欠かせないポイントとは

政府が掲げた2030年の訪日外国人旅行者数6,000万人というビジョンに加え、コロナ禍からの急速な規制緩和および国内市場の限界により、インバウンドビジネスに注目が集まっています。本記事では、インバウンドビジネスの概要や取り組むメリット、進め方のポイントを紹介します。併せて企業や自治体の実例、日本におけるインバウンドの展望も確認しましょう。

インバウンドビジネスとは?

インバウンドとは直訳すると「外から中に入ってくる」という意味ですが、近年は外国人の訪日を指す意味として捉えられることが増えています。そのことから、インバウンドビジネスは、訪日する外国人旅行者をターゲットにしたビジネスを指す言葉として使われています。これはインバウンドに関わるビジネス全般のことであり、観光業から飲食業、IT産業、エンターテインメントまで、訪日外国人旅行者が関わる可能性があれば全てインバウンドビジネスです。

インバウンドの現状

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年から2021年はインバウンド需要が低迷していました。しかし、2022年10月11日からビザなし渡航および個人旅行客の受け入れが再開されたことで、需要の増大が期待されています。日本政府観光局が発表した2023年1月の訪日外国人数の推計値は、149万7,300人となっており、新型コロナウイルス感染拡大の影響が出る前の2019年1月の約270万人と比較し、55.7%まで回復しました。

参考:訪日外客数(2023年1月推計値/日本政府観光局・PDF)

一方、コロナ禍の需要低迷から、主に観光業では人員カットなどの対策を行ったため、受け入れ態勢が整っていないのが現状です。急速な規制緩和は需要増大に期待が集まる一方で、受け入れ側の課題も懸念されています。

インバウンドビジネスに取り組むメリット

企業がインバウンドビジネスに取り組むメリットは、国内市場の限界による売り上げの減少を防げることです。日本の人口は現在、「減少期」に入っており、2053年には1億人を割り、2065年には8,808 万人になると推計されています。

参考:日本の将来推計人口(平成 29 年推計:p.3/国立社会保障・人口問題研究所・PDF)

そのため、国内観光客に向けたビジネスは限界を迎えると予想されているのが現状です。一方で世界の旅行市場は急成長しています。なおかつ日本の観光需要は世界的に見ても高いことから、インバウンドをターゲットにしたほうが利益を得やすくなると予想されます。
また、地方創生と親和性が高いこともメリットです。高齢化・過疎化が進む地方でも、そこにしかない地域独自の魅力を引き出せれば、地域活性化が期待できます。雇用促進や地域全体で取り組む「旗印」として、地方でもインバウンドビジネスに注目が集まっています。

インバウンドビジネスを進めるポイント三つ

企業がインバウンドビジネスを進める際のポイントを三つにまとめて解説します。

1.ターゲットの選定

訪日する外国人は、それぞれの国や地域によって国民性や特徴、ニーズが異なります。日本人が魅力に感じるものを外国人も同じように感じるわけではなく、外国人のニーズに合わせたサービスの提供が求められます。そのためには、SNSや外国人の口コミを調べるなど、インターネットを活用した情報収集も有効です。ターゲットを定めて、ニーズに訴求したマーケティングを行いましょう。

2.SNSなどの情報発信インフラ整備

インターネットの活用が定着している昨今、訪日予定の外国人の多くがホームページやSNSなどから情報収集を行っています。特に、InstagramやFacebookなどの世界的にもユーザーの多いSNSは、自社を認知してもらうために有効なツールです。海外向けのアカウントを開設し、運用することで自社の魅力を伝えられます。その際は、画像や動画を駆使することで、言葉だけでなく視覚的にも魅力が伝わります。

3.多言語対応

必須なのが多言語対応です。SNSアカウントや自社サイトの多言語対応はもちろんですが、案内板やメニューなど、あらゆるツールに多言語を用いることが重要です。その際は、英語や中国語だけでなく、ターゲットとなる外国人の言語も記載します。例えば、店舗のターゲットとなる外国人が韓国人である場合、韓国語の対応が必要です。特にアジア圏からの観光客は多いため、中国語や韓国語以外にも柔軟な対応が求められます。

インバウンドビジネスの事業事例

ここでは、インバウンド対策を行い成功した企業と自治体の実例を紹介します。

国内小売店 A社|多言語対応

訪日外国人から高い人気を獲得している A社では、あらゆる場所にインバウンド対策が施されています。その一つはWebサイトや店内のPOP、案内板、放送など、至る所で多言語対応が行われていることです。加えて、多言語対応が可能なコールセンターの設置も行っています。また、 A社全店舗において免税免許を取得していることから、免税カウンターも設置されています。支払い方法もクレジットカードや円だけでなく、ドルやユーロ、ウォン、元での支払いも可能です。訪日した外国人も安心して利用できる対策が徹底されています。

中部地方B市|SNS活用によるPR

城下町の情緒を残す町並みに、北アルプスの雄大な自然を感じられる観光スポットがある中部地方B市では、国際観光モデル地区に指定されてからインバウンド対策に取り組んでいます。2011年に海外戦略室を設立し、特例通訳案内士の育成や免税一括手続きカウンターの設置、JNTO(日本政府観光局)認定の外国人観光案内所設置などの取り組みを行ってきました。近年では、動画配信やSNS、Webを活用したプロモーションを行い、海外向け情報発信用の特設サイトの開設、外国人を起用した動画作成なども行っています。補助金の活用やさまざまな事業者・団体とも連携し、積極的にインバウンド対策に取り組んでいるのが特長です。

日本のインバウンドの展望

コロナ禍を経て、インバウンドビジネスは今後、さらなる成長市場となることが予測されます。ここでは日本におけるインバウンドの展望について解説します。

2030年に訪日外国人旅行者を6,000万人に

政府は2016年、「観光先進国」としての国づくりに向けて、「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定しました。そこでは、2030年における訪日外国人旅行者数を6,000万人に、訪日外国人旅行消費額を15兆円にという目標を掲げています。そのためには、官民一体となり、観光業の再生および体質強化に取り組むことが重要です。一方、観光業の実情として、コロナ禍以前から団体旅行客の減少や後継者不足が課題となっていました。観光庁では、新たに2020年から補助制度の創設および融資制度の大幅な拡充を行うことで、観光地域の再生、活性化を目指しています。

観光のICT化

政府は、訪日外国人旅行者の受け入れ環境を整備するため、観光のICT化も推進しています。ICTとは「情報通信技術」のことです。ICTを利活用し、無料公衆無線LAN環境の提供や予約システム管理、キャッシュレス決済対応などを行います。これらを推進することで、訪日外国人旅行者の満足度向上に加え、リピーターの増加、訪日旅行の評判向上などを目指します。ICT化は、販路開拓の必要性からも、多くの企業が導入している取り組みです。

まとめ

企業が行うべきインバウンド対策は、SNSやWebサイトを活用したマーケティング、あらゆる場所の多言語対応です。コロナ禍を経て、インバウンド需要は徐々に回復してきました。店舗においては免税機能の設置やキャッシュレス決済などを行うことで、インバウンドの販売機会を逃さないことが重要です。また、ECサイトを構築することで、帰国後の購入も促せます。
キャッシュレス決済や免税販売にも対応する、パソコンPOSシステムの「BCPOS」の導入など、システムを活用しインバウンドの仕組みづくりを行いましょう。

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