循環型ファッションとは? 環境問題にアパレル業界ができること

現在、ファッション業界はさまざまな課題を抱えており、問題を克服して事業を継続するための取り組みが行われています。課題解決に向けて注目されているのが「循環型ファッション」です。この記事では、循環型ファッションの基礎的知識や、アパレル業界における環境問題について解説します。課題解決のための、おすすめのソリューションについても紹介します。

循環型ファッションとは?

流行に沿った商品展開を行うアパレル業界では、大量に生産・消費・廃棄が行われています。このサイクルにより環境は汚染され、多大な負荷がかかります。そのため、リメークやリサイクルを行い、廃棄物をなくして環境負荷を減らそうとする動きが出てきました。環境に配慮して服や素材を循環させる「循環型ファッション」が注目されるようになり、取り組みも活発化しています。循環型ファッションは、サーキュラーファッションと呼ばれることもあります。

循環型ファッションやサーキュラーファッションと似た意味を持つ言葉として挙げられるのが、「サステナブルファッション」です。サステナブルファッションについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

関連記事:サステナブルファッションとは? アパレル企業ができる取り組みを紹介

アパレル業界が抱える環境問題

トレンドに乗りながら持続可能な服を作るには、資源の大量消費や有害物質による水質汚染などの問題を解決する必要があります。

製造過程における資源の大量消費

服を製造するには、水や化石燃料など大量の資源を消費しなければなりません。綿花など原材料の栽培には大量の水が必要で、化学肥料による土壌汚染も生じます。ナイロンやポリエステルなどの合成繊維の原料は石油であり、製造過程ではCO2を排出します。環境省のWebサイト「サステナブルファッション」によると、服一着の製造プロセスで必要な水の量は2,300リットル、CO2の排出量はペットボトル(500ml)約255本製造分です。服を多く作るほど、環境への負荷は大きくなります。

参照:環境省「サステナブルファッション」

ファストファッション流行による過剰生産・消費・廃棄

ファストファッションとは、流行に沿った低価格帯のファッションです。ファストファッションの台頭によって服の大量生産・消費が可能になりますが、短いサイクルで不要になった服は廃棄される傾向があります。現在、国内のアパレル市場で扱われている商品は、ほとんどが輸入品です。国内におけるアパレルの供給量は増加していますが、一方で市場規模は縮小しています。近年では新型コロナウイルス感染症まん延の影響により在宅勤務などで働く人が増えたため、カジュアルな服のニーズが高くなっています。このような流れの中で循環型ファッションを定着させるには、さまざまな工夫や企業独自の取り組みが必要です。

有害物質による水質汚染

国連貿易開発会議(UNCTAD)によれば、アパレル業界は世界第2位の汚染産業です。服の染色・処理には水だけでなく有害物質も使用されています。有害物質を含んだ水が放出されると河川や地下水が汚染されてしまい、生物にも悪影響を及ぼしかねません。さらに、合成繊維の洗濯時にはマイクロファイバーやマイクロプラスチックが生じます。環境省の「ファッションと環境」によれば、世界の工業用水汚染の20%は繊維の染色・処理が原因とされています。また、洗濯などにより海洋に放出されるマイクロファイバーは、年間約50万トンに及びます。服の材料はほぼ再利用されずに焼却されており、現在のスタイルを持続して服の大量生産が続けば水質の改善は期待できません。

出典元:環境省「ファッションと環境」

アパレル業界における取り組み

上述の環境問題を改善しながら収益を上げるため、アパレル業界では服の再利用や在庫管理の効率化など多くの取り組みが求められています。

服の再利用を促すサービスを検討する

さまざまなサービスを通して、服の再利用活発化を推進する企業もあります。レンタルサービスを利用提供することで、値引きした商品や売れ残り商品からも収益を上げられます。また、多くの大手企業が取り組んでいるのが古着回収サービスです。使用しなくなった服とクーポン券を交換する、自社ブランドでなくとも引き取るなど、さまざまな工夫をしています。回収した古着は再販売したり、生地のリサイクルに回したりすることもできます。裁断したパーツから、新しい商品を製造することも可能です。

長く着られる服を作る

安く買えるけれども品質が低い服は、長く着用してもらえません。短いサイクルで使い捨てられる商品ではなく、長く着てもらえるような商品づくりが重要です。色落ちしにくい技術や丈夫で再利用しやすい素材づくり、品質向上など、企業はさまざまな取り組みを行っています。服を長く着てもらうために、多くの企業が取り組んでいるのが自社製品のリペアです。服が破れたりほつれたりした場合は、リペアすることで長く着られる服になります。取り組みを通して自社と顧客のつながりが強くなり、服を大事に着ようという意識も高まることが期待できます。

在庫管理を適切に行う

新品の衣類を含め、まだ着られるのに捨てられてしまう「衣類ロス」を削減するためには、適切な在庫管理が不可欠です。アパレル企業は店舗、倉庫などのさまざまな場所で商品を管理しています。複数拠点に分散された商品を正確に把握しなければ、適切なタイミングで商品を販売できません。売れ残った商品は廃棄され、処分コストもかかり環境も汚染されます。

売れそうな商品やタイミングを予測した仕入、売れ残った商品は値引きをして販売するなど、売上向上のための対策を行う企業もあります。効率的な在庫管理には、在庫の可視化や流動化、一元管理に役立つサービスやシステムの導入が効果的です。

アパレル業界の課題解決に導く在庫管理システム「ApaRevo」とは?

「ApaRevo」は、アパレル業界向けの販売・在庫管理システムです。多彩な機能が搭載されており、導入することで業務効率化につなげられます。ネットショップの一元管理ツール「ネクストエンジン」との連携によって、アパレル商品の一元管理も可能です。また、クラウドWMSの「ロジザードZERO」とAPI連携させれば、EC向けの個人出荷作業をスムーズに進められます。得意先や店舗に対する品番単位の商品配分指示や、配分率の指定もできます。さらに在庫一覧表により、商品の色・サイズごとの在庫把握が可能です。店舗や委託先、倉庫に加えて予定在庫の管理もできます。

「ApaRevo」は、アパレル業界に特化した機能も利用可能です。展示会マップの作成や、ハンディターミナルによる受注登録などの展示会支援機能が備わっています。商品の色・サイズごとの売上伝票の発行も可能であり、業界ならではの取引にも対応します。その他顧客管理システムや会計システム、POSレジシステムにも対応しており、手厚い導入サポートやアフターサポートを受けられます。

まとめ

近年、環境問題への取り組みとファッション性を両立できる循環型ファッションのニーズが高まっています。資源の大量消費や過剰生産・廃棄や水質汚染など、アパレル業界が与える環境負荷は多大なものです。服の再利用サービスや適切な在庫管理を行うことで、課題解決に役立ちます。

在庫管理システム「ApaRevo」は、アパレル業界向けの機能が充実しており、在庫一覧の可視化や商品の一元管理が可能です。現在、在庫管理に悩みを抱えている方は導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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