基幹業務システム導入の進め方は? 成功までの流れと三つの注意点

基幹業務システムの導入は、企業にとって生産性向上につながる大きなプロジェクトです。投入するリソースも相応に必要なるため、計画の初期段階から慎重を期し、導入効果を最大限に引き出したいところです。そこで本記事では、基幹業務システムの導入プロジェクトの進め方や、失敗を避けるための注意点、そして成功に導くポイントを解説します。

【手順解説】“基幹業務システム導入プロジェクト”の進め方

】“基幹業務システム導入プロジェクト”の進め方五つのステップ

基幹業務システムとは、企業の根幹業務を支える情報システムの総称です。具体例としては、在庫管理システム、販売管理システム、会計システム、人事システムなどが挙げられます。その導入にあたっては、以下の手順を踏んで計画的にプロジェクトを進めましょう。

【Step1】現状の課題や導入目的を明確にする

最初のステップは、現状の業務や既存システムにおける課題を明らかにすることです。問題点の洗い出しが不十分なまま導入を進めると、既存システムの不便な点や非効率な業務フローをそのまま引き継いでしまう恐れがあります。そのため、各部署の担当者へのヒアリングも含め、部門ごと・業務ごとに抱えている課題を詳細にリストアップしましょう。

課題が明確になったら、その中でも特に優先的に解決したい事項をピックアップし、導入目的を定めます。こうして定めた導入目的は、ベンダーやシステムの選定基準や機能要件の土台となります。

【Step2】ベンダーを選定する

導入目的が定まったら、その目的の実現を支援してくれるベンダーを選定します。ベンダーの選定にあたって特に注目すべきなのは、自社と同業種・同規模の企業への導入実績の有無です。経験豊富なベンダーであれば、業界特有の業務フローや課題などにも精通しており、必要な機能やサポートの提供が期待できます。

ベンダーはシステム導入後も保守や運用支援を担うため、長期的なパートナーとなる存在です。信頼できるベンダーに出会えるように、複数のベンダーに提案を依頼し、価格や納期だけでなく、対応姿勢やフィードバックの質も含めて総合的に判断することが大切です。

【Step3】システムの要件定義を行う

ベンダーが決まったら、次はシステムの要件定義を行います。要件定義は、システムに求める機能や仕様、運用ルールなどを明文化し、ベンダーと共通理解を築くために極めて重要です。

要件定義書には、導入の目的、自社が抱える課題、必要な機能、運用方法、開発スケジュール、予算、現行のIT資産情報などを記載します。ベンダーの提案を適切に取捨選択するために、業務フローを把握している社員が要件定義に関わるように留意しましょう。

【Step4】システムを開発・実装する

システム開発の大まかな流れは、「設計」→「プログラミング」→「テスト」の順です。開発が完了したら、現場へ実際に試験導入し、問題がないか検証します。

このテストが完了後、システムを本番環境にリリースに進みます。実装後は予期せぬアクシデントを想定し、ベンダーと連携しながら問い合わせや不具合への対応に備えておくことが重要です。導入に合わせて、操作マニュアルの配布や研修の実施なども行いましょう。

【Step5】運用・保守および効果測定を実施する

システムの導入後は、安定的な利用を継続できるように、運用・保守を行います。また、導入したシステムがどの程度業務に貢献しているかを確認するために、効果測定を実施することも大切です。

コストや業務時間の変化など定量的な指標を使い、システムの導入効果を検証します。効果が期待を下回る場合は、システムの改修や運用方法の見直しも視野に入れなければなりません。

失敗はなぜ起こる?基幹業務システム導入時における三つの注意点

基幹業務システム導入時における三つの注意点

基幹業務システムの導入に際しては、「計画が途中で頓挫してしまった」「社内に定着しなかった」「使いこなせなかった」など、失敗してしまうケースも少なくありません。こうした失敗を回避するためには、以下の三点に注意することが大切です。

1.業務プロセスの見直しも含めた導入計画を立てる

基幹業務システムの導入にあたっては、業務プロセスそのものの見直しも検討しましょう。現場からは、慣れ親しんだ業務フローを維持するために、現行のシステムと同じ仕様や使い勝手を求める声も出るかもしれません。

しかし、現行のシステムの仕様をそのまま移し替えようとすると、前システムの枠に捉われ要件が必要以上に複雑化するリスクが高まります。また、現行の業務フローに問題がある場合、その課題を残したまま新システムに移行しても、業務改善効果は得られません。そのため、導入計画段階から業務プロセスの最適化も視野に入れ、ときにはシステム側に合わせて業務プロセスを再設計する判断も必要です。

2.部門間での連携を意識する

基幹業務システムの導入は、企業全体の業務に関わるプロジェクトです。そのため、導入に際しては情報システム部門だけでなく、関係する各部門の課題や要望を事前に把握しておく必要があります。

そのためには、新システムの方向性を決める段階からプロジェクトチームを組織し、各部門の代表者もそこに参加させるのがおすすめです。このプロジェクトチームを中心に、部門間での調整と連携を徹底し、全社最適の視点からシステム要件を整理しましょう。

3.導入目的に合ったシステムを選ぶ

基幹業務システムの導入では、コストや開発期間などの観点から、パッケージ製品の活用が現実的な選択肢になります。しかし、パッケージ製品であっても、対応する業務領域や機能、カスタマイズ性、他システムとの連携など、特長はさまざまです。導入するシステムによって、使い勝手や導入効果は大きく変わります。

そこで重要になるのが、自社の業種・業務に加え、プロジェクトの初期段階で設定した導入目的です。「どのようなシステムなら導入目的を達成できそうか」という視点を常に意識することで、ブレない姿勢で自社に最適な製品を見極めやすくなります。

プロジェクト成功の肝! 導入すべきシステムを選ぶ三大ポイント

基幹業務システムは一般に長期運用が前提となるので、自社の業務や組織に合うかどうかはもちろん、将来的なビジネスビジョンも見据えて選定することが重要です。具体的には、以下の三点に着目します。

1.ビジネス環境の変化にも対応できる柔軟性がある

変化の激しい現代のビジネス環境においては、基幹業務システムにも高い柔軟性が求められます。新商品の投入やサービスの多様化、販路の拡大、海外進出といった今後の事業展開に適応できる製品を選ぶことが大切です。

そのため、他のクラウドサービスや外部システムと連携しやすい仕様を備えている基幹業務システムを選定しましょう。また、AIやIoTなどの最新技術と連携できる製品を導入すれば、DXの推進につなげることが可能です。グローバル展開を構想している場合は、多言語・多通貨に対応した製品も優先順位が高くなります。

2.データの一元管理や分析・活用が行える

データドリブン経営の実現のために、データの一元管理や分析・活用ができる製品を選ぶこともポイントです。現代のビジネス環境では、データに基づくリアルタイムな意思決定ができる体制を構築することが、成功の鍵になっています。その際、基幹業務システムは、各部門で発生する情報を集約・管理・分析するための基盤になります。

例えば、在庫情報や顧客情報など各種データを一元管理し、可視化することで、経営層はデータに基づいた的確な判断を迅速に行えます。AI機能を活用して需要予測や発注の最適提案が行える製品であれば、業務の高度化も推進できます。加えて、業界特有の商習慣や業務フローに対応している製品であれば、複雑なカスタマイズを避けつつ、便利な使い勝手を期待できます。

3.自社に合った導入形態を選択できる

基幹業務システムには、大きく分けて「クラウド型」と「オンプレミス型」の二つの導入形態があります。以下のようにそれぞれ異なる特性があるため、自社に適した導入形態に対応できる製品を選ぶことも大切です。

クラウド型
初期費用が小さく、導入が迅速。事業規模に合わせてスケーラビリティを調整しやすい一方、カスタマイズ制限や利用者数の増加に伴うコスト増の可能性もある。
オンプレミス型
高いカスタマイズ性とセキュリティを確保できる。その一方で、サーバーの設置などに要する初期費用や運用負担が大きい。

導入形態の選定に際しては、将来の事業展開や運用体制、予算とのバランスを見ながら判断する必要があります。

基幹業務システムの導入は、複数の提案が可能なSIerへ相談を

基幹業務システムの導入を成功させるには、社内で現状の課題や導入目的を明確に共有したうえで、計画的にプロジェクトを進める必要があります。失敗を防ぐには、自社の導入目的に沿った提案を柔軟にできる、実績豊富なSIerに相談するのがおすすめです。大塚商会は多彩なお客様と取引してきた豊富なノウハウを生かして、多様な業種・業務に対応したシステムを提案できます。ぜひお気軽にご相談ください。

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