大塚商会が考える「DXオフィスとその活用」

DXの推進は、企業が将来にわたって競争力を維持し続けるために必要な経営課題の一つです。しかし、DXという言葉自体が独り歩きをしてしまい、逆にDXの推進を難しく考えている企業も多いのではないでしょうか。

大塚商会は本社ビルに「DXオフィス」を開設し、お客様の生産性向上に必要なオフィスのDXをさまざまな形で具現化しています。お客様のDX推進のヒントになるように、「DXオフィス」のノウハウ、導入ツールなどを詳しく解説します。

  • * 現在はDXオフィスはリニューアルされており、本コラムは2021年11月時点の情報となっています。

大塚商会の「DXオフィス」とは

昨今の日本では、企業がデータやデジタル技術を活用し、製品やサービス、ビジネスモデルを変革していくDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。その考え方をオフィス空間で再現しようと大塚商会が取り入れたものが、「DXオフィス」です。

DX推進がもたらす効果や働きやすさ

DXを推進すると、企業は次のようなメリットを得ることができます。

業務の効率化

昨今のデジタル技術の発達によって、オフィスではさまざまな自動化・効率化ツールを利用できるようになっています。例えば、AIやRPAは人の代わりに業務を自動で行ってくれるツールであり、積極的に活用すればオフィス業務の大幅な効率化を実現できます。

自然災害、感染症拡大など緊急時対応のしやすさ

クラウドサービスの活用やペーパーレス化、テレワーク環境の構築といったDXを進めておけば、自然災害や感染症の拡大といった緊急時にも柔軟に対応でき、素早い業務の復旧や継続が図れるようになります。

人的コストが削減できる

DXオフィスには人的コストの削減効果もあります。例えば、上述したAIやRPAのような自動化ツールを導入すると、これまでその業務に必要だった従業員を削減できたり、ほかのクリエーティブな業務に割り当てたりできるようになります。

「DXオフィス」の5つの柱とは

大塚商会では、DXを実現するための重要なテーマとして、5つの柱を挙げてDXオフィスで説明しています。

DXに欠かせないペーパーレス

紙での運用のためにかかっている時間や、決裁を待っている時間はムダが多いものです。また、紙の書類は物理的な保管場所を確保しなければならず、必要な情報を探し出すのに手間もかかります。紙の書類を電子化し、業務をペーパーレスで行うことで、大幅な効率化を実現できます。

DXで広がるテレワーク

私たちの働き方は急速に変化しており、今ではテレワークも普及しました。リモートアクセスの導入やクラウドストレージでのデータ共有などを行い、いつでも在宅勤務ができる環境を整えることは、企業にとって必須の時代となっています。

DXで加速するコミュニケーション

テレワークで円滑に業務を行うためには、従来よりも高速かつ安定した通信インフラが不可欠です。また、出社して顔を合わせる機会が減るため、これまで以上にコミュニケーションを活性化していく必要があります。ネットワーク環境や電話対応、Web会議の方法などを見直すべきといえるでしょう。

DXを支えるセキュリティ

デジタル技術の活用に伴って、セキュリティリスクが高まります。また、テレワークのような新しい環境を標的にしたサイバー攻撃も増加しているため、従来のセキュリティ対策だけでは不十分です。自社の情報資産を守るために、適切なセキュリティ対策を講じていきましょう。

DXで進めるAI、RPA

少子高齢化に伴う労働人口の減少に備えて、業務の自動化・効率化が急速に広がっています。AIによる課題解決やRPAによる定型業務の自動化など、最新のデジタル技術を活用することで、オフィス業務の生産性は大きく向上します。

DX推進をイメージできる大塚商会DXオフィスツアー

大塚商会は、DX推進に必要な「実際の業務」をイメージでき、課題やニーズの「気づき」へとつなげられる場として「DXオフィス」を本社ビルに開設しています。「DXオフィスでは生産性向上に必要なオフィスのDXをさまざまな場面に分けて具現化しており、リアル・オンラインの両方で「DXオフィスツアー」を随時開催しています。

【エントランス】AI温度検知・入退室管理

「DXオフィス」のエントランスには、感染症対策を想定したさまざまなシステムを導入しており、AI・IoTを活用したサーマルカメラによって体温測定やマスクチェックを行っています。また、顔認証でドアを解錠するシステムや、出退勤を自動で記録できる入退室管理システムなどを活用しています。

入退室管理システム導入の効果

入退室管理システムは、オフィスなどへの人の出入りを管理するシステムです。導入することで、企業は次のようなメリットを得ることができます。

セキュリティの強化
入退室管理システムでは、暗証番号やICカード、顔認証といった方法で本人確認を行っています。あらかじめ登録された人しか出入りができなくなるので、不審者の侵入を防ぐことができ、セキュリティの強化に役立ちます。
正確な勤怠管理
勤怠管理では従業員が出退勤した時間を記録する必要がありますが、申告漏れや計算ミスによって正確な記録ができていないケースが多いです。しかし、入退室管理システムであればオフィスへの入退室の記録をもとに勤務時間を計測できるので、正確な勤怠管理を実現できます。
労務管理工数の削減
昨今の働き方改革に伴って、長時間労働や休日出勤の是正といった労務管理にかかる手間は増加しています。しかし、入退室管理システムによって自動かつ正確な勤怠管理が実現すれば、労務管理にかかる時間やコストも大幅に削減できます。

【総務・経理部】固定席での業務を想定、経理処理のクラウド型OCRソリューション

総務・経理部では、見積書・請求書・経理申請書などを複合機でスキャンして電子化しています。電子化した書類はパソコン上で一括管理できるので、申請フローの電子化も実現でき、業務効率が大幅にアップします。

さらに、会計システムも連携させれば、申請フロー後の仕訳業務の自動化、契約業務、人事データの管理などもパソコン上でできるようになります。

ソリューションご紹介

経理のペーパーレス・ソリューション

月末・月初に集中してしまう経理処理は、請求書の処理を一枚一枚手入力するなど大変な労力がかかります。請求書のクラウド型OCRソリューションなら、どんな形式の請求書でも複合機のスキャン機能があれば、帳票解析技術とAIによる画像処理技術により、請求日、請求元、請求金額を自動認識しデータ化します。データはCSVで簡単に会計システムなどに連携できるので業務工数の削減につながります。

電子承認システム導入の効果

電子承認システムは、電子署名や電子印鑑などの技術を活用した申請・承認のワークフローシステムです。導入することで、企業は次のようなメリットを得ることができます。

承認までの工数削減
電子承認システムを導入すれば、紙の書類での申請・承認で必要だった幾つかのステップを省略できます。具体的には、紙のプリントアウトや承認者への提出、文書保管などです。また、申請内容にミスがあった場合の作り直しや修正もすぐに実施できます。
自宅や外出先・テレワークでも承認可能
電子承認システムではオンラインで申請から承認までの一連の作業が完結するため、申請者と承認者が同じオフィスにいる必要はありません。自宅や外出先といったオフィス外にいても承認が可能になるので、テレワークに適しています。
印刷コストの削減
電子承認に切り替えると、紙が不要になるので印刷コストを削減できます。また、承認済みの書類を保管する場所を確保する必要もなくなります。
セキュリティ強化
紙の書類とは異なり、電子データには閲覧権限をつけられます。限られた人にしか閲覧できないように権限を設定したり、パスワードを付けたりすることで、情報漏えいを防ぎやすい点もメリットです。

【営業・企画部】フリーアドレス形式のレイアウト

外出の多い営業・企画部には、フリーアドレス形式のレイアウトを提案しています。小口精算などの社内申請業務の電子化ソリューションを導入したり、最新のWi-Fi6を使ったオフィスや作業現場の無線化に取り組んだりすることで、業務を効率化できます。

製造現場など作業や点検を行う現場

作業や点検を行う現場では、スマートグラスや3Dプリンターといったデジタル技術を活用することでDXを推進できます。

スマートグラス

スマートグラスとは、メガネのように装着して映像を見たり、デジタル情報を表示したりできるデバイスです。いわゆるウェアラブルデバイスの一種であり、ビジネスシーンでの活用が急速に進みつつあります。

スマートグラスの導入メリットは、作業者の支援に役立てられることです。例えば、スマートグラス上にマニュアルを表示すれば、作業者は迷うことなく作業を進められます。また、スマートグラスの映像を遠隔地にいる支援者に共有すれば、現地で一緒にいるかのようにリアルタイムに作業を支援できるので、作業者の技術力向上に役立ちます。

3Dプリンター

3Dプリンターとは、樹脂や金属などの材料を少しずつ積層しながら立体物を造形する装置です。主に製品開発における試作品の製作に活用されていますが、昨今では自動車部品や医療機器などの最終製品を3Dプリンターで製作する事例も増えています。

3Dプリンターの活用メリットは、手軽にものづくりができることです。例えば、部品の設計変更があったときに、3Dデータを用意するだけですぐに変更後の部品を製作できます。従来であれば加工や仕上げで何週間もかかっていた部品製作をすぐに実施できるので、生産性の向上につながります。

会議室

会議室には電子ホワイトボードやWeb会議システムを導入することで、紙で共有していた資料を電子化でき、コミュニケーションの活性化を実現できます。

電子ホワイトボード導入の効果

電子ホワイトボードとは、パソコンやタブレット端末などのデータを映し出す機能に加えて、従来のホワイトボード同様に書き込むこともできる、進化したホワイトボードです。インタラクティブホワイトボードとも呼ばれることがあります。

電子ホワイトボードの特長は、会議の参加者が一つの大きな画面を見ながらディスカッションできる点です。アイデアや意見を画面に書き込みながら議論を進めていけるので、会議が活性化します。また、離れた場所にいる参加者と画面や書き込んだ内容を簡単に共有できたり、プリンターでの印刷やPDFファイルへの変換が容易にできたりと、情報共有がしやすくなります。

その他自宅・外出先

昨今では、新型コロナウイルス感染対策としてテレワークが普及したことから、会社のパソコンを遠隔操作できるリモートデスクトップも注目されています。

リモートデスクトップの導入効果

リモートデスクトップとは、離れた場所にあるパソコンを遠隔操作する仕組みです。無料で使えるツールも多く、誰でも簡単に使えるようになっています。

リモートデスクトップを使えば、外出先や自宅で仕事をする際にも、オフィスでの勤務時と同じパソコンを操作できます。パソコンをオフィス外に持ち出す必要がなく、手元にあるデバイスを使って仕事を進められるので、テレワークには最適です。ただし、安全な通信環境を構築するなど、セキュリティ対策を万全にしなければならないことは覚えておきましょう。

例えば大塚商会の「どこでもコネクトリモート」なら、社外にパソコンを持ち出せる方の場合、会社のパソコンがノートパソコンであれば、「どこでもコネクトリモート」に接続して商談に活用したり、見積書や提案書の作成をしたりと社内業務も行えます。
一方、パソコンの持ち出しができない方でも自宅のパソコンが会社のパソコンのように安全・快適なクラウド環境が構築できます。

まとめ

大塚商会が具現化した「DXオフィス」のノウハウをご紹介してきました。DXをどのように推進していけばよいか分からないと難しく考えている企業にとって、この「DXオフィス」がヒントとなれば幸いです。なお、現在のDXオフィスはリニューアルされており、「企業の当たり前を変革する」をコンセプトに、業務やプロセス、企業文化など、さまざまな企業の”当たり前”を変革する以下の5つに分類してご案内しております。

DXを推進するために 「企業の5つの当たり前を変革する」

業務の“当たり前”を変革する~「紙」から「デジタル」へ~

業務の”当たり前”を変革することがイメージできるように、「毎日行っている業務」「毎月定期的に行っている業務」「毎年発生する手間のかかっている業務」という三つの切り口から紙の電子化、業務の効率化の例をご紹介します。

働き方の“当たり前”を変革する~「いつもの」から「どこでも」へ~

Web会議を中心としたコミュニケーションツールから、無線LANやリモートアクセスを使ったネットワークの選び方など、オンラインを活用したさまざまな仕組みで「いつもの」働き方から「どこでも」働ける環境をご紹介します。

意思決定の“当たり前”を変革する~「経験と勘」から「AI×データ」へ~

今までのように「経験と勘」だけで会社の方向性を決めるのではなく、市場の変化に柔軟に対応するためデータを武器に会社の意思決定をリアルタイムで行うデータ基盤の構築、さらにこのデータを飛躍的に活かすAIを活用したソリューションもご紹介します。

顧客接点の“当たり前”を変革する~「リアル」から「Web活用」へ~

魅力的なホームページ・ECサイト、チャットボット、コミュニケーションツールの活用方法といったオンラインの強化に加え、リアル店舗への来店を促すツール、ムダのない販促のためのチラシ・POP・動画と制作方法をご紹介します。

IT環境の“当たり前”を変革する~もっと「安全・安心・快適」へ~

IT環境の“当たり前”を変革するためにネットワークからクラウド、BCP、セキュリティなど、お客様の課題や要望に沿った適切な製品やサービスをご紹介します。

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