デジタルトランスフォーメーション(DX)によってアパレル業界の接客はどのように変わるのか?

デジタルトランスフォーメーション(DX)について、製造業をはじめとした一部の業界での話題だと感じている方も多いかもしれません。しかし消費行動や社会が変化するなか、あらゆる業界・企業でDXが求められています。
近年アパレル業界でも、オンライン接客やチャットボット、マーケティングオートメーションなど、急激にDXの波が押し寄せています。その背景には人手不足やユーザーの変化、実店舗への来客減少があり、生き残りのためにはデジタル化に対応していくことが必要です。
そこで本記事では、アパレル業界での接客におけるデジタル化について紹介します。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

デジタルトランスフォーメーションの定義は幾つかありますが、経済産業省の資料では、

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」

参考資料:デジタルトランスフォーメーションを推進するための ガイドライン(経済産業省・PDF)

と定義されています。
言い換えますと、企業が競争力を獲得するためにAIやIoT、ビッグデータ、クラウドといった技術を活用して、自社のビジネスモデルや組織の構造を変革することです。
DXは、苦境に立たされているアパレル業界にとっても非常に重要です。アパレル業界では、顧客に最適な体験を提供するための手段として、DXの活用が求められています。

DXによって接客業はどう変化するのか

デジタル技術の活用によって、接客業はどのように変わるのでしょうか。具体的に解説していきます。

買い物のデジタル化

一つめは、買い物を行うチャネルのデジタル化です。既にECサイトを運用している企業は多いものの、2019年の物販系分野のEC化率は1割以下(6.76%)と決して高くはない状況です。

  • *参考資料

内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(経済産業省・PDF)

デジタル化によって積極的にInstagramのショッピング機能やライブ配信で商品を販売するライブコマースなどが導入されることにより、デジタルで商品を購入できる環境が整ってきています。
買い物のデジタル化が進みますと、顧客はいつでもどこでもスマートフォンで気軽に商品を購入できるようになります。既に購入前にスマートフォンで商品を検索して検討する流れは当たり前になっていて、そのままその場で購入できる仕組みを提供することにより、購入の機会損失を防げるのです。デジタル化に必要なツール、システムを活用し、顧客との信頼関係を築いていくことが大切でしょう。

オンライン接客の促進

二つめは、今まで対面で行っていたのと同じような接客対応をインターネット上で行う「オンライン接客」の促進です。

新型コロナウイルス予防の影響により、実店舗へ足を運ぶ顧客が減少していることを受け、ビデオ会議ツールのZoomやビデオ通話ができるLINEを活用したオンライン接客を導入する店舗が増えています。

オーダースーツを作成する、あるアパレル系企業では、予約した時刻にプロのテーラーとビデオ通話で相談ができる「オンラインご案内サービス」を2020年より開始しました。従来オーダースーツ作成では店舗でテーラーが顧客を採寸し、生地やボタンなどを選びながら、好みのデザインに近づけてくれます。対面での採寸が難しい状況のなか、採寸専用アプリやオンライン案内を導入することで、客離れの防止やオンラインでの商品購入促進、顧客満足度の向上などを目指しています。

  • *参考URL

DIFFERENCE オンラインご案内サービス

アパレル業界では店頭での試着やスタッフからのアドバイスで購入に至ることも多く、接客は大変重要な販売プロセスです。そのため対面と同じような接客ができるオンライン接客のニーズは非常に高まっています。

店舗側の需要を受けて、オンライン接客をスムーズに行えるようなBtoC店舗向けサービスも開発されています。ECサイトとの連携がスムーズに行える、スタッフの管理や効果測定が行えるといった機能を持ち、ITの専門スキルがなくても利用できるのが特長です。

接客業にDXを取り入れるメリット

接客業にDXを取り入れるメリットとしては、主に以下の三つが挙げられます。

業務効率化

今まで人が行っていた業務を自動化することで、省人化や業務の効率化につながります。例えば人工知能を活用した自動会話プログラム「チャットボット」を導入することで、電話での問い合わせ数が減少し、スタッフの負担も減らせます。また、24時間365日対応可能なため、顧客満足度の向上にも役立ちます。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入により、人手で行っていた入力業務を自動化するといった方法もあります。

業務の自動化やシステム間の連携を促進することによって、ヒューマンエラーを防止し、生産性向上や満足度の高いサービスの供給にも役立ちます。

新商品やサービスの開発

自動化によって生み出された時間や資金を、新商品やサービスの開発に当てることができるのもメリットです。企業の競争力を高めるためには、自社の強みとなるコア業務に注力する必要があります。事務処理業務などのノンコア業務を自動化することで、ヒト・カネ・モノなどといったコア業務にリソースかけられるようになるのです。

働き方改革の実現

オンライン接客の導入などにより、スタッフは出勤せずに在宅、短時間、遠距離での勤務が可能になるでしょう。働き方の多様性が広がることで、子育て中の方や介護を行っている方でも、仕事がしやすくなるなど、働き方改革の実現につながります。
新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークやリモートワークへの移行が進む現在では、このようなオンライン接客の導入も効果的でしょう。

接客業にDXを取り入れるデメリット

一方、デメリットもないわけではありません。接客業にDXを取り入れるデメリットとして、以下の三つが挙げられます。

導入コスト

デジタル化を推進するためには、多額のコストと労力がかかります。組織全体で取り組むものですので、効果が出るのに時間がかかることも多く、見えない将来的な効果よりも目先のコストばかりに目が向きがちです。
DXは短期的な課題解決手段として捉えるのではなく、長期的な成長戦略として捉えて取り組む必要があります。

システム移行が困難

デジタル化の推進に際しては、既存の業務フローを見直し、改善する必要があります。しかしフローを変更したくない現場の反発やシステム上の問題などが起こる可能性もあります。
DXを推進するためには経営層の理解が不可欠なのはもちろんのこと、現場スタッフにもデジタル化の必要性を理解してもらうことが重要です。

人材の育成が必要

アパレル業界に限らず、日本全体で現在深刻なITエンジニア不足が課題になっています。DXを推進するためには、ITやデジタルツールに対する知識に加え、自社のシステムに関する情報収集や課題感を持った人材が不可欠です。
何のためにDXが必要なのか、また将来的に自社が目指す理想像を把握したうえで、必要な人材を獲得・育成する努力が必要です。場合によっては外部企業のサポートを受けるという選択肢も考えられます。

DX新時代に備えた準備が必要

製造業などと比較すると、接客業ではまだまだ人が対応する部分が多く、これまでデジタル化がそれほど進んでいませんでした。しかし現在ではスマートフォンの普及や人々の生活スタイルの変化に伴い、あらゆる業界でデジタル変革が求められています。

アパレル業界でも、先進的な企業では積極的にデジタル変革を進めており、成功している例を多く見かけます。今後はそれら先進事例などを参考にしながら、DXを推進するための人材確保やシステム整備などの準備が必要になっていくでしょう。

DXを取り入れて効率的な接客を目指す

顧客の消費志向の変化に伴い、商品販売の仕方や接客の方法は大きく変化していきます。
アパレル業界でも、AIやIoTなどのIT技術を取り入れることで、接客はより効率的になり、顧客満足度を高める手段としてもさらに活用されていくと予想されます。接客だけでなく、商品管理やプロモーションといったさまざまなプロセスがデジタル化し、それを使いこなしていくことが業界での生き残りにつながっていくでしょう。

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