アパレル業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)移行に失敗しないために! DXの失敗事例や注意点を解説

現在では、さまざまな業界においてDX(デジタルトランスフォーメーション)が推進されています。DXとは、ITやデジタル技術を活用してビジネスに変革をもたらすという概念です。
アパレル業界においても、DXを推進しようと考えている企業やブランドは少なくありませんが、実際にはあまり進んでいません。本記事では、アパレル業界のDXが進まない理由や失敗事例、DXのデメリット、注意点などをお伝えします。

アパレル業界のDXが進まない理由

国内外を問わず、さまざまな業界においてDXが進んでいます。海外では、IT技術を活用した配車サービスにより、タクシー業界の勢力図が大きく塗り替えられました。日本国内でも、製造業や保険業、金融業、小売業などにおいてDXが進んでいます。

アパレル業界では、「ZOZO」がDXを成功させた企業として有名です。斬新なサービスを次々と打ち出し、アパレル系ECサイトとしては異例の大成功を収めました。
しかし、アパレル業界でDXが成功した企業はまだまだ少なく、業界全体ではDXが進んでいないのが現状です。

アパレル業界のDXが進まない理由の一つは、衣服のサイズ問題です。多くの方は、服を買うときに試着をして、体格に合ったものを選びます。実店舗での購入を前提とする方が多くを占めており、そもそもアパレルとオンライン販売の相性は悪く、DXが難しいのです。

DXの失敗事例

スイスのマイケル・ウェイド教授によれば、世界の企業が取り組んでいるDXの95%は失敗に終わっているとのことです。2019年に開催された「デジタル・イノベーション・カンファレンス2019」において、同教授はデータを示しつつこのような発言をしました。

失敗してしまう主な理由としては、経営陣による理解の欠如が挙げられます。直接的に組織の運営に関わる上層部が正しくDXを理解していないと、誤った取り組みをしてしまう可能性があるのです。

また、DXを進めるにはITの知識や技術に長(た)けた人材が必要です。システムを導入しても、適切に扱える人材がいなければ、デジタル技術を生かしたビジネスの変革はできません。

DXのデメリット

さまざまなメリットが得られるからこそ、あらゆる業界においてDXが推進されています。しかし、DXにはメリットだけでなく、デメリットがあることも理解しておかねばなりません。以下に、具体的なデメリットをピックアップしました。

DXを実現してもすぐに結果はでない

一般的に、システムを導入してDXを実現するまでに早くとも1~3年ほどかかるといわれています。システムの導入だけでなく、社内の制度見直しや社員への教育が必要になるケースもあります。また、DXが実現してから効果がでるまでには、3~5年ほどかかるともいわれています。

DXを実現してすぐに結果がでないからといって、「DXは意味がない」「効果がない」と考えてしまうのは早計です。従来のやり方を大きく変えようとしていますのに、すぐ結果がでるはずはありません。長期的な視点で、着実に進めていくことが大切です。また、3~5年先に効果が出ることを見越し、業務プロセスや自社の事業について考えたうえでシステムを導入することが重要です。

システムの導入後には、トライ&エラーを繰り返しつつ、その都度効果の測定や分析も行いましょう。また、確実に効果が現れるタイミングを図ることはできないため、長期的な取り組みに耐えられるよう資金をプールしておくことも大切です。

機械的な接客を嫌う顧客も

近年では、接客業においてもDXが進んでいます。例としてCRMシステム(顧客管理システム)や、電話応対システムなどが挙げられます。

このようなシステムを導入すれば、業務の効率化を実現でき、少ない人数でサポート体制などを運営できます。企業側としてはメリットが大きいのですが、機械的な接客を嫌う顧客が存在することも理解しておきましょう。

生まれたときから、スマートフォンやインターネットが当たり前のように存在した、若い世代なら機械的な接客でも抵抗はないかもしれません。一方、ミドルやシニア層の方は、対人による接客に長く慣れているため、礼儀に欠けていると感じたり、嫌悪感を持ったりしてしまう可能性があります。

自動化で得られるメリットは大きいものの、このようなデメリットがあることは覚えておきましょう。メインターゲットの年齢層や属性も考慮したうえで、自動化を進めるかどうか検討することが大切です。全てを自動化するのではなく、人が案内できる仕組みを残しておくことも考えておきましょう。

堅固なセキュリティの構築が必要

ITやデジタル技術によるシステムを導入した場合、ネットワークを介して攻撃を受ける恐れがあります。悪意のある第三者から攻撃を受け、重要なファイルの改ざんや顧客情報の流出などが生じてしまう可能性もあります。

個人情報の保護が叫ばれる現代において、顧客情報の流出は企業の信頼性に致命的なダメージを与えかねません。信頼を積み上げるのには時間がかかりますが、失うのは一瞬です。企業として甚大な損害を被る危険性もあるため、堅固なセキュリティの構築は必要不可欠といえるでしょう。

システム上でのセキュリティ対策だけでなく、社内ルールの整備も進める必要があります。外部からの攻撃をシャットアウトできても、内部の人間による故意、過失で情報が流出する可能性があるからです。アクセス権限の付与や書類の持ち出しルールを徹底するなど、適切な対策を行いましょう。

DX推進における注意点

やみくもにDXを進めようとしても、失敗してしまう場合があります。失敗しないよう、ここでは幾つか注意点をまとめました。大切なのは、企業全体の意識改革とIT人材の育成、システムの移行を目的にしないことなどです。詳しく見ていきましょう。

企業全体の意識改革

日本における企業の多くはトップダウン方式をとっています。上層部の意思決定に従い現場が動くため、経営陣がDXについて理解不足では、正しく効果を得られなくなってしまいます。

まずは、経営陣がDXを正しく理解することです。率先して取り組みに参加し、組織全体でDXに対する知識を高めましょう。上層部が理解を深めたあとは、現場のリーダーへ、スタッフへとつなげていき、意識改革を進めます。

既存システムからの移行

システムを導入したら完成ではなく、そこからの実運用こそが重要です。前述したように、DXの効果が現れるまでには3~5年かかることも珍しくなく、長期戦が予想されます。

DXを進めるのは、レガシーシステムを刷新し、企業のグローバルな競争力を向上させるためです。導入をゴールとしてしまうのではなく、組織としての最終的な目標を達成することを考えましょう。

経済産業省のDXレポートで懸念されている、「2025年の崖」まであまり時間はありません。「2025年の壁」とは、現在多数の企業で利用されている既存のITシステムが陳腐化し、競争力を失う可能性があるということに警鐘をならすものです。企業がDXを進められなかった場合、2025~30年の5年間に最大12兆円の経済損失が生じると推定されています。
組織全体でDXを推し進めることの重要性を認識し、社内の問題点や改修対象のシステムを洗い出すことから始めましょう。社内に導入するシステムを選定し、段階的にデジタルシフトしていけるよう計画的に取り組むことが大切です。

IT人材の育成

DXを推進し成功へ導くには、ITの知識と技術に長(た)けた人材の抜てき・育成は必要不可欠です。ただでさえ、従来と全く異なるシステムへ移行しようとしているため、ITスキルの高い人材がいなければ現場が混乱に陥ってしまうかもしれません。

新たにエンジニアを採用すればよい、と考える方がいるかもしれませんが、国内では慢性的なエンジニア不足が続いています。優秀なエンジニアは、既に大手企業や有名企業などが獲得しているため、新規採用は難しいでしょう。

そのため、今後DXを進めるにあたっては、自社での人材育成に力を入れましょう。高度なITスキルを有する人材を育成できれば、運用開始後も力を発揮してもらえます。

ただし中小企業の場合、人材育成できる人がいなかったり、時間やノウハウ・予算がなかったりなど、思うように人材育成に取り組めていない企業も多いです。
人材を育成するための体制を整えるには、まずは業務のマニュアル化を進めることが大切です。口頭で伝えていたノウハウや業務をマニュアル化してしまえば、教育の質の均一化や、時間短縮につながります。

また、政府の助成金や補助金を活用することで、人材育成の費用を得ることができます。厚生労働省では「企業内人材育成推進助成金」という制度があります。「職業能力評価」や「キャリア・コンサルティング」等の人材育成制度を導入・実施している企業に対して助成金が出るため、制度を活用することも一つの手です。

必要に応じたeラーニング研修や勉強会を開催したり、スクールを利用したり、支援制度を充実させることも大切です。

注意点を抑えて効果的なDX推進を

DXを進めにくいアパレル業界ですが、大成功を収めた事例もあります。企業として大きく成長できるチャンスでもあるため、この機会にDXを検討してみてはいかがでしょうか。
DXの推進にあたっては、その全容や期待しうる効果を経営陣が正しく理解し、組織全体の意識を改革することが大切です。また、システムの導入がゴールではなく、その先を見据え、自社でIT関連業務やDXを担当する人材の育成にも力を入れましょう。

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