BIMデータを使用した建築確認申請手続きによる国内初の確認済証を交付

平成28年9月1日 第2821号

フリーダムアーキテクツデザイン株式会社、株式会社住宅性能評価センター、株式会社大塚商会、オートデスク株式会社は、オートデスクのBIMソフトウェア「Autodesk(R) Revit(R)」のBIMデータを使用した建築確認申請を実現するために2016年4月から協業し、先月8月に国内で初めての確認済証が住宅性能評価センターから1件交付されましたのでお知らせします。各社は今後もBIMデータを使用した申請・審査プロセスの確立と普及を目指して協業体制を継続していきます。

従前の建築確認申請は、平面図や配置図など複数の2次元図面を確認して審査されていますが、それぞれの図面が作成される際に、建築物の高さや面積などの情報が一部記載されていないなどの不整合があったり、BIMで設計された際は別途建築確認申請用の2次元図面を作成しなければならないなどの手間がかかっています。

これに対して、今回の取り組みで開発したひな形を用いたBIMデータを事前相談で使用すると、一つのデータから複数の図面が自動的に作成されて、各図面間の整合性が保たれ、審査の品質と効率の向上が期待できます。また、BIMで設計する際も別途申請用の2次元図面を作る必要がなくなりますので、準備の負担が軽減されます。

BIMデータを使用した申請の流れ(概略)

  • 確認申請の事前相談時に、申請書とともにBIMデータを確認検査機関に提出。必要な修正を経て受付される
  • 確認検査機関は申請書及びBIMデータを元に事前相談を実施
  • 申請者及び設計者が、確認検査機関に提出した申請書と各図面に電子署名する
  • 申請を受付後、適合が確認できた場合、確認済証が交付される

今回の協業における各社の役割

フリーダムアーキテクツデザイン
住宅性能評価センターの検査項目を元に必要な記載項目を取りまとめ、BIM確認申請のルールを作成。ルールを元にBIM確認申請テンプレートを大塚商会へ製作を依頼。BIM確認申請テンプレートを使い実案件でRevit データの建築確認申請を提出
住宅性能評価センター
確認検査機関の立場から、BIM確認申請手続きのプロセスとテンプレートの仕様を検討
大塚商会
フリーダムアーキテクツデザイン、住宅性能評価センター両社の要望を元に、Revit のBIM確認申請テンプレートを作成
オートデスク
BIMソフトウェア提供者の立場から、BIM確認申請手続きのプロセスをソフトウェア上で効率的に行うための検討、助言

なおフリーダムアーキテクツデザインは、本件の概要を9月8日(木)にオートデスクが開催するユーザー向けイベント「Autodesk University Japan 2016」のセッションで紹介する予定です。

参考資料

BIMデータを活用した建築確認事前相談と本受付から交付までの流れ
(住宅性能評価センターF-2Webシステムを使用した流れ)