アパレルECとは? 立ち上げにおける三つの課題と解決策

アパレル業界では、実店舗以外にECサイトも運営することで、より大きな成長が期待できます。本記事では、アパレルに関わる企業がECを立ち上げる際に注意すべき課題と、その解決策について分かりやすく解説します。アパレルECにおすすめのソリューションもご紹介します。

アパレルECとは? 市場規模の推移と成長の背景

ECとは「Electronic Commerce」の頭文字を取った用語で、日本語で「電子商取引」を意味します。顧客が自分の好きな商品やサービスを選び、決済まで行えるのが大きな特長です。そしてアパレルECは、インターネットのオンライン上で衣服などを販売するサービスを指します。

ECには幾つかの種類があります。単店舗型は、自社の商品やサービスだけを取り扱っているタイプです。一方、モール型は、一つのECサイトでさまざまなブランドの商品やサービスを扱う点がポイントです。このほか、法人のみを顧客とするBtoB型もあります。

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【2023最新】アパレルECの市場規模

総務省統計局が2023年8月に公表した家計調査によると、1年間に1世帯あたりがアパレル(被服・履物)にかけた平均支出は、2022年で9万5,661円でした。5年前の2017年は11万6,268円の金額と比較すると、減少傾向にあることが分かります。

しかし、2023年8月に経済産業省から公表された「令和4年度 電子商取引に関する市場調査報告書」によると、衣服や服飾雑貨分野におけるBtoCのEC市場規模は2兆5,499億円で、前年よりも5.02%増え、EC化率は21.56%となりました。

このことから、アパレル業界は市場全体が縮小傾向にある一方、EC市場は好調であると考えられます。

参照:家計調査年報(家計収支編)2022年(令和4年) 総世帯・<品目分類>1世帯当たり年間の品目別支出金額(e-Stat)

令和4年度 電子商取引に関する市場調査(経済産業省・PDF・p51)

アパレルEC市場が成長を続ける背景

アパレルEC市場が活性化している理由として、まず新型コロナウイルス感染症の流行による影響が挙げられます。また、デジタル技術の発達で、インターネット環境やモバイルデバイスなどが一般社会に浸透しました。ECの手軽さから消費者ニーズが高まっていることも一つの背景です。

企業側からすると、実店舗のみで販売するよりもECは費用対効果が高くなります。立地などで左右されず、参入障壁が低いのもECのメリットです。

アパレルECは今後も成長が期待されているため、売上を伸ばしていきたいと考えている企業なら、ぜひ参入を検討したい市場と考えられます。

アパレルEC立ち上げ時における三つの課題

アパレルEC市場が活性化しているとはいえ、実際にアパレルEC市場へ参入するにあたっては、次のような課題をクリアする必要があります。

  • ブランディング・集客がうまくいかない
  • 在庫管理や顧客管理が煩雑になる
  • ECの構築・運用が可能なIT人材が不足する

ここからは、それぞれの課題について解説します。

ブランディング・集客がうまくいかない

アパレルEC業界には、既にブランド力や知名度のある大手企業が参入しており、同じ市場で競争しなければなりません。競合企業の数も増え続けているため、どのように差別化を図るのかが成功のカギとなります。

在庫管理や顧客管理が煩雑になる

実店舗とは別にECも運営している場合や、自社ECサイトとECモールの両方で販売している場合は、在庫管理や顧客管理が複雑になりがちです。欠品によって販売機会を失ってしまったり、余剰在庫を抱えてしまったりするかもしれません。

ECの構築・運用が可能なIT人材が不足する

ITに精通した人材が社内にいなければ、EC構築や運用のハードルは高まります。マーケティングやブランディングで、理想どおりに施策を実施することも困難です。ひいては競合他社に後れを取りやすくなるなどのリスクも生まれます。

解決策は? アパレルEC参入を成功へ導くアイデア

上記の課題を踏まえ、アパレルECへの参入を成功へと導くためにおすすめなのが、次のような解決策です。

  1. 自社ECサイトの運営に力を入れる
  2. 顧客管理を徹底、ファンマーケティングへ活用する
  3. 実店舗とECの連携(オムニチャネル)を進める
  4. 業務の効率化につながるシステムを導入する

1. 自社ECサイトの運営に力を入れる

自社が立ち上げたECサイトでは、モール型ECに出店するよりも価格競争に巻き込まれにくいメリットがあります。集客を工夫すれば、販売効果を上げることも可能です。モールに頼りすぎず、自社ECサイトの運営に力を注いでいく方法も検討してみましょう。

2. 顧客管理を徹底、ファンマーケティングへ活用する

生産から販売までを一貫して行うビジネスモデル、つまり「D2C」を採用するなら、ファンマーケティング(ファンベースマーケティング)も併せて行うのがおすすめです。ファンマーケティングとは、自社の商品やサービスに対して愛着を持つ、「ファン」を大切にする施策を指します。

D2Cでは自社が目指す世界観を表現しやすいため、ファンを取り込みやすいのがメリットです。例えば、ある商品について積極的に収集したレビューを自社ECサイトへ掲載することで、購入前の不安を解消できたり、顧客からの声によって商品を改善することでリピーターを獲得できたりします。

これらを実行していくためには、実店舗とECで顧客情報を一元化し、管理を徹底することが不可欠です。

3. 実店舗とECの連携(オムニチャネル)を進める

近年、「オムニチャネル」を重視する企業は少なくありません。これは、企業が顧客とのさまざまなチャネル(接点)を連携させ、シームレスな購買体験を提供する仕組みです。ECでたまったポイントを実店舗でも使える、といったようなケースが挙げられます。

複数チャネルで顧客満足度を高めるためには、在庫管理の一元管理やポイント情報の連携などにぜひ取り組みましょう。

4. 業務の効率化につながるシステムを導入する

ITに関する専門的な知識がなくても、簡単にECサイトの構築や運営、オムニチャネル化が行えるシステムやサービスを導入するのも一案です。在庫管理や顧客管理をワンストップで行えるツールがあれば、さまざまな課題を一度に解決できるはずです。

アパレルECの立ち上げ・運営に活用できるシステムの例

最後に、アパレルECをこれから立ち上げて運営していくにあたり、おすすめのシステムについてご紹介します。

大塚商会の販売・在庫管理システム「ApaRevo」は、アパレル業界ならではの特有な商習慣などにも柔軟に対応でき、ほかのシステムとも連携しやすいのが特長です。

例えば、ECサイトを簡単に構築・運営できるECプラットフォームとして「F.ACE」があります。そのほか、カスタマイズがしやすい「MakeShopエンタープライズ」や、全世界175カ国、100万店舗以上で導入されているEC構築プラットフォーム「Shopify」、大規模なECサイトからスタートアップのECサイトまで、さまざまな業種・業態・規模のECサイト構築や運用支援まで対応可能な「ecbeing」などのソリューションとも連携できます。

「ネクストエンジン」を利用すれば、複数のECサイトや実店舗における在庫の一元管理が可能です。クラウド型倉庫管理システムの「ロジザードZERO」は、EC向け個人出荷作業の効率化に適しています。

さらに「ApaRevo」で提供されている「BtoB Web受注オプション」を活用すれば、BtoBのWeb受注にも対応できます。

変化の激しいアパレル業界で、「ApaRevo」を中心にさまざまなシステムを連携させることで、大幅に業務効率化や生産性向上を目指せるのが強みです。アパレルEC立ち上げの際は、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

アパレル業界のEC市場は、消費者ニーズの高まりなどから今後も成長が期待されています。ファンを増やしやすい自社ECサイトを構築し、他社との差別化をうまく図るほか、オムニチャネル化を進め、在庫や顧客情報も一元的に管理できる業務システムを導入することも一案です。

大塚商会なら、お客様のご要望に合わせたシステムのご提案が可能です。どうぞお気軽にご相談ください。

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