創業100余年の老舗靴メーカーの気付き

老舗靴メーカーが多彩なデータ連携で製販一体の一元管理を実現。ものづくりにおけるDXを推し進める

株式会社ハルタ 導入事例

製造業101~1,000名ERP・基幹業務・業務管理営業・業務プロセス効率化

「ローファー」などの製品で知られる靴メーカー株式会社ハルタ。同社は、市場ニーズに即した製販一体のビジネスモデルへの体制変更の過程で、業務プロセスの可視化と情報連携の重要性を認識したという。情報の一元化を実現する基幹業務システム構築までの道のりを、同社取締役の春田 勲氏にお話しいただいた。

  • 業務の効率向上
  • システム間の連携強化
  • 生産性向上対策

株式会社ハルタ

導入先の概要

業種
靴メーカー
事業内容
紳士靴・婦人靴・子供靴の製造および販売
従業員数
270名(2018年2月現在)
ホームページ
https://www.haruta-shoes.co.jp/

導入の狙い

  • 製販一体のビジネスを展開し、売り上げや在庫管理の業務負担を軽減したい
  • 業務プロセスを可視化し、製造・販売両部門間の情報共有を強化したい

解決策

  • 拡張性の高い基幹業務システムに刷新し、EDIや店舗POS、生産・在庫管理システムと柔軟に連携

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
アパレル・ファッション業向け販売・在庫管理システムApaRevoお問い合わせ
業務アプリケーションFileMakerお問い合わせ
高性能モバイルPOSレジスマレジお問い合わせ
ECサイト一元管理システムネクストエンジンお問い合わせ

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導入事例詳細

リアル店舗やEコマースに参入。「国内一貫生産」にこだわる

― 直近の時代の変化をどのように感じておられますか。

取締役 販売本部長 春田 勲氏

当社の製品は通学靴としても人気が高く、学校指定靴の製造・販売において長年トップシェアを誇っています。ただ、昔は作れば売れるといった状況もありましたが、近年は少子化の影響を受けています。ピーク期で年間約270万人だった出生数は100万人を切り、学童靴の需要は半減しています。一方で、代表製品であるローファーやトラッドシューズを成人層の方にもお使いいただく販売戦略を立てましたが、「学童靴メーカー」のイメージが強く、卸先の多くが仕入れに対してあまり積極的になってくれませんでした。そのため、自らブランドコンセプトを浸透させるべく、2011年3月に直営店1号店(横浜赤レンガ倉庫店)を出店したのです。その結果、製品は学生以外のお客様にも広く認知されるようになり、現在では首都圏に7店、関西に1店、計8店舗を展開しています。

近年はEコマース事業も順調に伸長しており、東京都に2工場、北海道、宮城県、山形県に1工場ずつを構え、「国内一貫生産」に強いこだわりがあります。創業100年以上の歴史を有する当社としては、国内で丁寧に仕立てた靴をご提供することで、お客様に喜びを感じていただきたいと考えています。

業務プロセスのリアル店舗への可視化と情報連携の重要性

― 出店やEコマース展開を通じて見えてきた経営・業務課題はどのようなものでしたか。

お客様とのコミュニケーションを強化していくためには、市場ニーズを敏感にキャッチする体制づくりが急務と考えました。そこで、別会社として運営されていた製造部門と販売部門を2014年に統合し、製販一体の体制を構築したのです。販路を拡大し、売り上げを順調に伸ばしていましたが、現場は悲鳴を上げていました。在庫は注文の都度、目で確認する必要があり、品切れの商品はいつ入荷できるか電話確認が必要で、新しく従業員を迎え入れても業務が回らない状況でした。

また、二つの部門が統合されたとはいえ、高度経済成長期以降の大量生産・大量販売時代を経験していた当社では、「川上の製造部門で作ったものを、川下の販売部門に流せばよい」という古い概念が根付いていました。ところが今は、お客様のニーズが以前とは比較にならないほど多様化し、靴業界でもカスタムオーダーが一般的になりつつあります。メーカーはそうした状況にしっかり対応しなければ生き残れない環境になっているので、「作れば売れる」という製造部門の考え方を改め、販売部門との間にあった感覚のギャップを埋める必要がありました。

製販一体のビジネスを展開するうえで不可欠なのが、業務プロセスを可視化してその情報を両部門で共有することです。それまで製造部門は生産管理システム、販売部門は販売管理システムを個別に運用しており、両システムは連携していませんでした。老朽化した販売管理システムでは、工場・倉庫・店舗の在庫や、卸・小売りの売上実績を正確に把握することも難しく、経営管理に資する情報を一元管理する必要性を感じていたのです。

業界に精通した拡張性の高いシステムを選定

― システム導入の決断と、そのポイントをお聞かせください。

折しも製販の一体化を図った時期に、Windows Server 2003のサポート終了期限と、既存の販売管理システムの保守契約の終了期限が迫ってきたことから、基幹業務システムのリプレースを決断しました。複数のベンダーによる提案を検討した結果、複合機やグループウェアなどの導入を通じて以前から取引のあった大塚商会が推奨する、アパレル卸業向け販売管理システム『ApaRevo』の導入を決定したのです。

多数の得意先に販売する商品を色やサイズ別に効率良く管理できるのは、アパレルや靴業界に精通したシステムならではの利点だと思いました。また、パッケージ製品でありながら『ApaRevo』は拡張性が非常に高く、EDIや店舗のPOS、生産・在庫管理システムなどと柔軟に連携させられるのも魅力でした。

業界標準パッケージを基軸とする多彩なデータ連携による一元管理

― 基幹業務システムの刷新によって、どのような効果が生まれましたか。

店舗の『スマレジ』と『ApaRevo』の連携によって、リアルタイムに売上情報を把握できるようになった

当社にとって最も大きな課題の一つだったのが、百貨店や量販店、GMS、専門店、Eコマースなど販売先が多岐にわたりながら、その都度、倉庫に確認しないと在庫の引き当てができないことでした。しかし、『ApaRevo』の導入によって、販売可能在庫数が瞬時に把握できるようになり、これだけでもシステムをリプレースした意義がありました。

各直営販売店では、従来型レジからクラウドPOSレジ『スマレジ』に入れ替え、『ApaRevo』と連携したことで、リアルタイムに売上情報が確認できるようになり、現場での無駄な二重入力がなくなりました。また、店舗のiPadで『ApaRevo』の情報にアクセスできるので、在庫情報もリアルタイムに確認でき、商品のバーコードを読み取るだけで棚卸しができるようになったことは、店舗の業務効率を飛躍的に向上させています。

このように作業の平準化が進み記帳データが自動で落とし込めるようになったことで、繁忙期の残業もかなり減りました。また、無駄な在庫を減らしつつ適正在庫量を維持できるようになったことで売り逃しを回避できるようになり、管理会計上、10%ほどは数値が最適化されています。

量販店やECモールとの取引業務の効率を上げるEDIも整備し、マルチチャネルの販売先に対応する強固なシステム基盤が整ったことで、通販部門の売り上げは約150%も伸長しています。

さらに、『FileMaker』によって生産工程が可視化され、その情報も各部門で共有できるようになったことで、在庫が減り生産計画が立てやすくなりました。情報の共有は「価値の共有」につながりますので、その意味で製販の一体化が一段階レベルアップしたことを感じています。

— 今後のIT活用についてお聞かせください。

今回、拡張性の高い基幹システムの導入によって、時代の変化に対応できるSPAとしての業務基盤を構築できました。今後は、お客様のニーズがますます多様になるであろうことを考えると、製造部門の生産性をさらに向上させながら、少量の製品を高品質・低コストで製造するノウハウを確立しなければなりません。そのためには、ものづくりにおけるDX、デジタルトランスフォーメーションが重要になると考えています。

今、アパレル業界では大量生産、大量廃棄が問題になっています。次に私たちが目指すべき姿は、大量生産で顧客を待つのではなく、限りなく在庫を減らし、既製品よりもカスタムオーダーで顧客体験を生むD2C(Direct to Consumer)、ロイヤルカスタマーづくりです。そもそも私たちの製品は、食産物から廃棄される牛革を原料としており、サステナビリティという観点でもこの先の時代に合致しているはずです。減産増産を自分たちでコントロールできるSPAとして、お客様一人一人の心に響く靴を提供することで、その希少感をビジネスにつなげていきたいです。

時代の流れに合わせて業務を変化させていく必要があります。どのようにも方針、かじを切ることができる環境が整ったので、今後も、よりお客様のためにハルタブランドを磨いていきたいです。

大塚商会担当者からのコメント

「『ApaRevo』を中心としたシステム刷新で、業務効率と生産性向上を実現した好事例です」

株式会社ハルタ様は、『ApaRevo』を中心にシステム連携を進め、製販一体のものづくり体制を構築されました。アパレル業界の未来を見据え、今後取り組まれるD2Cに関しても、引き続きご提案させていただきます。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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