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人的資本経営とは何か? 求められる背景や取り組むメリットを解説

「人的資本経営」とは、人材を「資本」とみなし、従業員の知識やスキルなどの価値を最大限に引き出すことで、持続的な企業価値向上につなげる経営方法です。

目まぐるしく環境が変化する現代社会において、企業の将来性や持続可能性を判断するために、人材をはじめとする「無形資本」への関心が高まっています。これからの企業においては、人的資本経営を通じて多角的な視野をもってビジネスモデルを策定し、人材の獲得を進めることが重要となるでしょう。

この記事では、人的資本経営の概要や人的資本経営が求められる背景、メリットについて詳しく解説します。

人的資本経営とは?従来の経営との違いは?

「人的資本経営」とはどういった経営方法なのでしょうか。一般的な経営方法との比較もあわせて解説します。

人的資本経営の概要

経済産業省では人的資本経営を以下のように定義づけています。

「人的資本経営とは、人材を『資本』として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方です」

人的資本経営~人材の価値を最大限に引き出す~(経済産業省のホームページが開きます)

企業が有する資産は、「有形資産」と「無形資産」の2種類に大別されます。

有形資産に含まれるのは現金や証券、建物、土地、機械設備、原材料などです。一方、形を持たない無形資産に含まれるのは、権利や特許、商標権などで、従業員のノウハウやスキルなどの人的資産はこちらに含まれます。

近年、投資家をはじめとしたステークホルダーは企業の将来性における重要な判断材料として、人的資産に注目しています。そのため、企業の人材育成の方針や具体的なプロセス、昇進などの情報開示を求めるケースが増加しています。

このような動きを受けて、日本政府は2023年1月に「企業内容等の開示に関する内閣府令」を改正しました。そのなかで、同年3月期決算から有価証券報告書において、人的資本や多様性に関する情報についても開示項目とする提言がされました。新たに記載される情報として「女性管理職比率」「男性育児休業取得率」「男女間賃金格差」などが挙げられています。ジェンダーをはじめとした社会的な格差の課題を明らかにし、企業の将来性や持続可能性を判断することが目的です。

従来の経営と人的資本経営の違い

従来の経営方法と人的資本経営の大きな違いは、人材を「資本」として捉えている点です。一般的な経営理論として人材は「資源」としてコストをかけて雇う存在であったのに対し、人的資本経営では人材を「資本」として投資し育成を図るものと考えます。

このような新しい経営方法が広まる影響のひとつとして、雇用の多様化が進むことが予想されます。
従来の日本においては終身雇用が良いとされていた時代が長く、人材の囲い込みが課題となっていました。ところが、近年は終身雇用や年功序列といった概念が崩れ始め、転職などによる人材の流出が珍しくない時代です。企業が人材を選ぶという一方通行の関係性ではなく、企業と人材が互いに選び合う自律的な関係へ変化しているといえるでしょう。

また、人的資本経営において人材を登用する際には、個々の人材のスキルや特性を正確に把握する必要があります。人材を「資本」として捉え、充分に活用していく姿勢が求められます。

人的資本経営が求められる背景とは

日本では長らく、終身雇用で人材を囲い込み「資源」として考える企業風土がありました。しかし現在では、企業の持続可能性を評価する投資家や、働き方が多様化した影響により、人材を「資本」としてとらえ投資する方向へ意識変革が進んでいます。

投資家などの意識の変化

近年の投資業界では、企業の企業戦略や経営課題、サスティナビリティ(持続可能性)への取り組みなど、非財務情報を指標として投資先を決定するケースが多くみられます。そのような投資方法を「ESG投資」と呼んでいます。ESG投資は、「環境(Environment)」「社会(Social)」「ガバナンス(Governance)」の頭文字からつけられた名称です。

人的資本はESG投資の「社会」に含まれ、投資家から企業への人的資本開示を求める傾向が強まっています。ESG投資を実施する投資家を獲得し企業価値を高めるため、企業において人的資本開示に取り組む必要性がますます高まっていくといえるでしょう。

人材や働き方の多様化

現代の日本企業において、さまざまな理由で働き方の多様化が求められています。

共働き世帯増加や非正規雇用者増加、シニア世代の再雇用など、現代日本の人材構造の変化が大きな要因です。
また、リモートワーク増加や副業解禁などによっても働き方が多様になり、企業は従来の画一的な人事制度では対応が難しくなりつつあります。
そのため企業においては、多様な働き方に合わせた労働環境の構築や、多様な人材の能力を最大限に発揮して活躍できる環境づくりが重要です。

多様化の時代に適応した労働環境を実現するうえで、「人材を資本」とする人的資本経営が有効な手段となるでしょう。

人的資本経営に取り組むメリットとは

人的資本経営に切り替えることで、企業が得られるメリットにはどのようなものがあるでしょうか。人材確保の促進や生産性、企業評価の向上など、企業価値に直結したメリットについて解説します。

能力を可視化したうえで人材を配置できる

「人材を資本」と考える人的資本経営においては、個人の能力を可視化するため、人材それぞれの強みやスキルを生かし、パフォーマンスを最大限に発揮する人材配置が可能です。

人的資本経営では、「ジョブ型雇用」という雇用形態を採用しています。ジョブ型雇用は欧米圏においてはすでに広く定着している雇用形態であり、「人材と企業」ではなく「人材と仕事(業務)」を結びつけることで、個人ごとのスキルや特性を鑑みながら人材を配置する仕組みです。企業という大きな枠組みではなく、業務単位で人材を振り分けることが可能になります。

業務の生産性が向上する

人的資本経営は、人材に投資し育成を図る手法であるため、従業員のモチベーションやスキルが向上し、生産性の向上につながることが想定されます。

年功序列型の処遇ではなく、個々の人材のスキルや成果によって給与や実績が総合的に判断される点が、人的資本経営の特徴です。それにより、従業員のモチベーションアップにつながるメリットが考えられます。
また人的資本経営において、それぞれの人材が自身の適正に合った業務に集中しやすい環境整備も特徴のひとつです。それにより広く画一的な業務を実施するジェネラリストの育成だけでなく、専門的スキルやノウハウに特化したスペシャリストが育成され、他社との差別化にもつながります。

企業にとって人的資本経営は、生産性の向上や他社との差別化につながり、企業の利益拡大も期待できるメリットの多い経営方法といえるでしょう。

企業の評価が上がる

人的資本経営に取り組むことで、人材育成に力を入れる企業として企業評価が高まります。企業イメージが向上することで、優秀な人材が集まりやすくなり、良い人材を獲得しやすくなるでしょう。人材が充実することは競争力強化にもつながり、企業にとっては大きなメリットになります。

また、人的資本経営においては、投資家などのステークホルダーに対し、積極的な情報発信が重要です。資料開示のみで済ませるのではなく、なぜそのような人材戦略に至ったのか、その意図や将来的なビジョンを共有し、継続的に企業評価を高める情報を発信していきましょう。

投資家に注目される

投資家にとって、企業評価は投資先を決定する重要な判断材料のひとつです。人的資本経営に積極的に取り組む企業は、社会的価値において高く評価されます。企業評価の向上は、人材を広く集めるというメリットのみならず、投資家などのステークホルダーに対して強いアピールになるでしょう。そして投資先として選ばれ投資額が増えることは、企業の発展につながります。

人的資本経営に関するご相談は大塚商会まで

人的資本経営は、今後の企業発展のために欠かせない取り組みです。
人材の価値を引き出すための経営方法は、効果的な人材獲得にとどまらず、企業価値や生産性、エンゲージメントの向上といったメリットに波及するケースも少なくありません。

しかし、企業の根幹ともいえる人材戦略の方向転換の実施は簡単ではなく、どこから始めたらよいのかわからないという経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで大塚商会では、中小企業診断士やITストラテジスト、MBAホルダー、経営品質協議会認定セルフアセッサーといった、経営分析のプロフェッショナルによるアドバイスをもとに、現状整理と改善アドバイスを無料で提供する「経営支援サービス」をご用意しています。

また大塚商会では、税理士や中小企業診断士などの専門家との協業体制(プラットフォーム)を構築しています。従来のITだけでは解決が難しかった経営課題に関しても、よりプロフェッショナルな支援で解決に導くことが可能です。

人的資本経営へのシフトを検討している方は、ぜひ大塚商会のノウハウとソリューションをご活用ください。

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