自治体DXに対するマインドセットを醸成(じょうせい)

将来の行政課題を想定して、名古屋市が幹部・管理職向けの『DXマインドセット醸成セミナー』を実施

愛知県名古屋市 導入事例

官公庁・自治体1,001名~製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

愛知県名古屋市は、総務省が掲げる自治体DX実現へ向けた取り組みを進めている。その中で幹部・管理職層も含め全庁が「わがこと」としてDXに取り組む体制が不可欠と考えた同市は、大塚商会の『DXマインドセット醸成セミナー』を利用。市長以下、局長級以上の全職員が参加するその研修は、DX推進に大きな役割を果たそうとしている。

  • 自治体DX

愛知県名古屋市

導入先の概要

業種
地方自治体
事業内容
行政
従業員数
33,637名(2022年4月現在)
ホームページ
https://www.city.nagoya.jp/

導入の狙い

  • 自治体DXの確実な推進に向けたマインドセットを醸成したい

解決策

  • 市長、副市長、局長級を対象にした座学形式の研修を実施
  • 課長級を対象にしたワークショップ形式の研修を実施

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
 DXマインドセット醸成セミナー-

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導入事例詳細

人口減少に伴う行政の改革が、今後の必須課題に

難波 伸治氏

総務局長 難波 伸治氏

愛知県名古屋市は人口232万2,941人(2022年5月現在)で、市としては横浜市、大阪市に次ぐ人口を有するとともに、都市圏人口は1,000万人を超える国内三大都市の一つだ。また名古屋市は、国内有数の工業集積地である中京工業地帯の中核に位置し、製品出荷額を見ると特に電気機械器具や自動車、航空機、化学分野などが目立つ。なお国内最大級の港湾である名古屋港の貿易額は17兆3,916億円(2019年度)に上る。

その全国シェアは11.2%に及び、自動車製造という強みを持つ中京工業地帯を後背地とすることもあり、輸出額が輸入額を大幅に上回っていることが特長である。多くの自治体と比較し、名古屋市が恵まれた立ち位置にあることは間違いない。一方で足元を見ると、1996年以降一貫して増え続けてきた人口が2021年に減少に転じるなど、人口減少社会の影響は決してひとごとではない。

さらに、現在進行形で進むテレワークをはじめとする働き方の変化などを考慮すると、行政サービスの品質維持・向上は名古屋市においても避けて通れない課題だ。そんな同市のDX推進において中心的な役割を担うのが、2022年4月に創設された名古屋市 総務局 デジタル改革推進課である。総務局長の難波 伸治氏はその経緯をこう説明する。

「名古屋市では、以前から総務局 情報化推進課が行政業務のICT化の担当部署としての役割を果たし、昨年度からは自治体情報システム標準化をはじめ、自治体DXに呼応した取り組みを開始しました。DX推進の担当部署としての位置付けを明確にする狙いから、同課を『デジタル改革推進課』と名称変更したというのが経緯になります。現在は、各担当部署が所管する一部システム以外は、デジタル改革推進課が名古屋市のDXを一元対応する体制になっています」(難波氏)

幹部職員の意識改革に、大塚商会の研修を採用

幹部職員の意識改革に注力した名古屋市のデジタル改⾰推進課は、市長や副市長をはじめとする幹部職員に研修への参加を促した

名古屋市のDX推進状況は、行政システム標準化に向けたロードマップ策定や行政手続きオンライン化に関する一括規定の整備を終え、いよいよ実践の段階に入ろうとしている。こうした中、難波氏が強く懸念したのは、幹部職員のICTに関する意識の醸成だった。

「我々世代が入庁した当時は、コンピューターこそ導入されていましたが、1人1台端末が割り当てられることなどは想像すらできない時代でした。私の場合、オンライン税務システムの構築に携わったこともあり、システム導入に必要なことがらをある程度理解しているつもりですが、全体を見渡すとICTやトランスフォーメーション(変革)に苦手意識を持つ職員が少なくないのが実情です。DXの実現には全庁を上げて取り組む必要があるので、まずは職員の意識改革が必要だと考えました」(難波氏)

そのパートナーとして名古屋市が選んだのは、既に多くの自治体において『DXマインドセット醸成セミナー』をはじめとする自治体DX支援を行ってきた大塚商会だった。

「多くの事業者の方とお話をさせていただきましたが、その中で大塚商会さんを高く評価した一番の理由は、これまでの実績やノウハウに基づく有意な提案がいただけた点です。我々がまとめた仕様に基づくプロポーザル方式入札を行い、いただいた提案内容を評価し、大塚商会さんの提案を選定させていただきました」(難波氏)

名古屋市は局長以上の幹部職員を対象とした座学形式の研修と、課長級の職員を対象にしたワークショップを実施。中でも、市長以下の幹部職員が一堂に会するDX研修は前例がないものだった。

「開催を担当した職員にとって、市長や副市長をはじめとする幹部職員に研修への参加を求めることは気苦労が大きかったと思いますが、結果として素晴らしい研修になりました。私自身も参加者の一人から『講師の箕浦さんのお話を一度聞いてみたかった』という声を聞いていますが、幹部層の関心を引き付けるうえでも、大塚商会さんによる講師の人選は適切だったと感じています」(難波氏)

『DXマインドセット醸成セミナー』を幹部職員と管理職を対象に実施

第一回目のDX研修では講師に箕浦 龍一氏が招かれ、約1時間の講演が実施された

市長、副市長と局長級の幹部職員が参加した座学形式の研修は2022年5月に実施。講師を務めた公務部門ワークスタイル研究会 研究主幹の箕浦 龍一氏は、総務省において早くからオフィス改革を中心とする働き方改革に取り組んできた。

「DXで公務の世界はどう変わっていくのか?」をテーマに行われた1時間の研修は、働くことの価値やそれによる社会への貢献が見えにくくなっているという公務の本質的課題からスタートし、まずは日本の伝統的な組織文化における問題点を抽出。デジタル化の流れに伴う世の中の変化を俯瞰(ふかん)したうえで、自治体DXの本質的な意義を考えていくという順序で展開された。また、DX推進に関する説明で使われることが多い「サービスデザイン」の考え方に基づき、行政業務におけるDX推進の具体的なアイデアやヒントが数多く紹介された。

課長級の管理職を対象にした研修は、翌6月に実施。研修は「カレーライスの作り方」という一見DXとは関係のなさそうなテーマを考えていくうちに、いつの間にかDXの意義や進め方への理解を深めていくというユニークな構成で展開された。研修の狙いは、参加者がそれぞれの職場でDXを議論するうえで求められる基本的な考え方を習得すること。ワークショップ形式で行われたこの90分の研修で、デジタル化の定義や、改善(Improvement)から革新(Innovation)に至る変化について、常識を疑うことの意義などが分かりやすい言葉や例を用いて解説された。若手職員のアイデアや意見を積極的に引き出す役割が求められる管理職にとって、既成観念を疑うことの重要性をあらためて体感できたワークショップは大いに意義があったという。

「現在は参加した職員からアンケートをとっている段階ですが、幹部向け研修については市長、副市長をはじめとする参加者が積極的に質問を投げかけたことからも、有意な時間が醸成できたと考えています。また課長職を対象とした研修では、参加者から講師の方に感謝のメールが届いたという話も耳にしています」(難波氏)

名古屋市役所で行われた前例のない『DXマインドセット醸成セミナー』には、各回で40名ほどの職員が参加した

名古屋市長 河村 たかし氏(手前)とその後ろの副市長 中田 英雄氏は、第一回目のDX研修に参加した

全庁をあげたDX推進の基盤整備が整う

『DXマインドセット醸成セミナー』の成果としてまず挙げられるのは、全庁をあげてDXに取り組むという意識改革への貢献である。全国を見ても大いに進んでいるとはまだ言えない自治体DXにおいて、幹部職員も含めた全庁での取り組みは、名古屋市行政の将来を見据えた大きな一歩となった。

「DXでは単なるデジタル化だけではなく、どのようにトランスフォーム(変革)するかが大きな意味を持ちます。研修を通して、幹部・管理職のマインドセット醸成が図れたことは、今後の名古屋市のDX推進において大きな一歩になったと考えています。今後は、研修に参加された職員一人一人がそれぞれの職場に成果を持ち帰り、わがこととして自治体DXに関する議論を進めることを期待しています」(難波氏)

自治体DXでは、縦割りを前提としてきた従来の行政サービスの全面的な見直しが求められる。デジタル改革推進課はその取り組みにおいて中心的な役割を果たすことが期待されている。「例えば予算取りは各部署がそれぞれ行うことが原則ですが、DXに関しては、各局の意識醸成を待つと進捗が遅れるというのが実情です。部署の垣根を越えて進めるべき部分についてはデジタル改革推進課が積極的にリードし、市民の皆さまへのサービス向上に努めていきます」(難波氏)

名古屋市のDXの取り組みの方向性について、難波氏は「高齢化と人口減少に伴い、人手に頼って行ってきた行政の事務事業の遂行は困難になると考えられます。それに伴い、ICTによる業務省力化の意義はこれまで以上に大きくなることは間違いありません。現在、証明書を窓口で発行し、紙文書として受け取る仕組みが一般的ですが、極端な例では証明内容をデジタル情報として各行政機関の間で共有できれば、こうした手続きに要する労力自体が不要になります。DXは、名古屋市でも2040年から2050年代には訪れるであろう人口減少に伴う人手不足の課題を解決する第一歩であると考えています。その実現に向け、大塚商会さんには今後も有意義なご提案を期待しています」と展望を語った。

講師・坂本 憲志氏(左下写真)による第二回目の研修では、グループごとに意見を出し合う時間やボールを使ったユニークなワークショップを通し、自治体DXについて学んだ

大塚商会担当者からのコメント

「今後も将来を見据えた自治体DXのためのご提案をさせていただきます」

今後も『DXマインドセット醸成セミナー』をはじめ、具体的なICTの活用例に至るまで、将来を見据えた自治体DXに向けたさまざまなサポートをご提案します。

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  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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