「GIGAスクール構想」用ネットワークを短期間で整備

夏休み期間のわずか2カ月で、市内全小中学校のネットワークを整備。ICT支援員による運用改善も期待

摂津市教育委員会 導入事例

官公庁・自治体101~1,000名セキュリティネットワーク環境の構築・改善

摂津市教育委員会は、「GIGAスクール構想」に対応して全小中学校の児童生徒に1人1台のタブレット端末を配付。端末をインターネットにつなぐネットワークインフラの整備を大塚商会に依頼した。発注から、わずか2カ月で整備が完了。稼働後も、授業支援ソフトやICT支援員の助言に基づいて運用の改善を図っている。

  • 教育のICT化

2021年11月取材

摂津市教育委員会

導入先の概要

業種
教育委員会
事業内容
教育行政
職員数
450名(2021年11月現在)
ホームページ
https://www.city.settsu.osaka.jp/kyouiku/kyouikuiinkai/index.html

導入の狙い

  • 端末利用のためのネットワークインフラを整備したい
  • 各学校により良いICT教育の実践を促す

解決策

  • 市内全15校のネットワークを短期間に整備
  • 導入前の研修、授業支援ソフト・ICT支援員の導入で、より良い活用や運用のアドバイスを実施

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
ネットワークインフラCisco Merakiルーター-
Cisco Meraki AP-
 L2スイッチ-
 高性能タブレット充電保管庫-
Webフィルタリングソフトi-FILTER@Cloudお問い合わせ
タブレット学習用
オールインワンソフト
ミライシード・ICT支援員-

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摂津市教育委員会 導入事例(PDF:3,051KB)

導入事例詳細

「学習向上」を理念に掲げ、児童生徒の学力を高める

宗木 俊憲氏

摂津市教育委員会事務局
教育総務部 学校教育課 指導主事 宗木 俊憲氏

大阪府摂津市は、大阪市の北東部に隣接する人口約8万7,000人の都市である。大阪の都市部から約12kmと近く、ベッドタウンとしての立地に恵まれていることから、少子・高齢化の波にさらされることなく、人口増加が続いている。

市内には10の市立小学校と五つの市立中学校があり、教職員数は約450名で、約6,300人の児童生徒が学んでいる。

摂津市教育委員会は早くからICT教育に取り組んでおり、その効果もあって児童生徒の学力水準は年々高まっているという。

「大阪府教育委員会が府内の生徒の学力を把握・分析するために毎年実施している『中学生チャレンジテスト』でも、当市の生徒の成績は着実に上がっています。また、チャレンジテストの後に行われる生徒へのアンケートでも、『授業中、ノートやプリントに自分の考えを書く場面がある』『自ら課題を見つけて、家で勉強している』『授業中、話し合う活動を通じて自分の考えを深めたり、広げたりしている』と回答する生徒が増えています」と語るのは、摂津市教育委員会事務局 教育総務部 学校教育課 指導主事の宗木 俊憲氏である。

これは、「全学年・クラスの学力が等しく底上げされるように授業改善を行ったことに加え、早くからICT教育を実践してきた効果の表れだと思います」と宗木氏は説明する。

さらに摂津市教育委員会は、YouTubeチャンネルを開設し、各学校のICT教育に関する取り組みなどを動画で公開している。こうした地域や家庭、児童生徒向けのPR活動も、学力や「学ぶ意欲」の向上にひと役買っているようだ。

コロナ禍をきっかけに「GIGAスクール構想」対応を前倒し

摂津市教育委員会は、小中学校の児童生徒に「1人1台」のPCやタブレット端末を配付する文部科学省の「GIGAスクール構想」に沿って、2020年に約6,800台のタブレット端末を導入。全ての市立小中学校の児童生徒に配付した。

本来、同構想には2023年ごろまでに対応する予定だったが、コロナ禍とともに学校を一斉休業させざるを得なくなり、児童生徒が自宅でオンライン授業や動画による授業を受けられるようにする必要に迫られた。そこで予定を大幅に前倒しし、急いで端末を配付することにしたのである。

問題は、配付した端末を、いかにして校内のネットワークにつなげられるようにするかであった。

「全学校のネットワークインフラ整備が決定したのは2020年6月末のことです。2学期が始まる9月までには整備を終わらせるという目標を設定したので、準備期間は夏休みを含むわずか2カ月しかありませんでした。この短い期間で15校全ての整備を終えるのは至難の業ですし、約6,800台もある端末のネットワーク設定も行わなければなりません。しかし、大塚商会さんのレスポンスの早さや、きめ細かな対応に助けられ、今回の環境整備は予定どおりに構築できました」と宗木氏は振り返る。

授業支援システムも大塚商会から導入

摂津市教育委員会は、ネットワークインフラ整備と併せて、各学校がICT教育に使用する授業支援システム『ミライシード』を導入し、ICT支援員の契約も結んだ。

『ミライシード』は、教育サービス大手のベネッセが開発したもので、協働学習・一斉学習・個別学習のそれぞれの場面に対応したタブレット学習用のオールインワンソフトである。

これ一つで、基礎学力の向上から、「主体的・対話的で深い学び」の支援、その学習データの蓄積や効果検証までの一連の流れを全て実現できるのが特長だ。単なる学習ソフトではなく、新学習指導要領に沿った学びを実践できる。

またICT支援員は、文字どおり学校教育におけるICTの活用や運用を支援する外部スタッフである。具体的なメニューとしては、授業開始前のICT機器の設定や、授業における教材活用の提案、教員に対する研修支援などを行う。

ネットワークに限らず、幅広いソリューションを提供してもらえる点も大塚商会さんの魅力でした」と宗木氏は語る。

モデル校の運用状況を見て、残りの学校の整備を改善

こうして、摂津市における「GIGAスクール構想」に対応した市立小中学校のネットワーク整備は2020年7月にスタート。9月末までに全ての小中学校でネットワークを稼働させるという目標を設定したが、それに先駆けて8月末までに稼働させるモデル校4校(小学校2校、中学校2校)を指名した。「モデル校における稼働後の運用状況を見て課題を整理し、残りの学校の整備を改善するのが狙いでした」と宗木氏は説明する。

8月には、校長会、教頭会の場でプロジェクトの詳細を説明し、保護者向けにはリーフレットと同意書を配布して了承を得た。こうして8月末には、予定どおりモデル校でネットワークが稼働。9月末には全15校で「GIGAスクール構想」に対応したICT教育の本格運用がスタートした。

卒業を間近に控えた小6、中3からスタート

これは、大阪府内で最も早い運用開始の事例となった。宗木氏は「急なスケジュールにもかかわらず、迅速かつ丁寧に対応してくれた大塚商会さんのおかげだと感謝しています」と語る。

なお、9月末時点で「GIGAスクール構想」に対応したICT教育がスタートしたのは、小学6年生と中学3年生のみであった。これは、「コロナ禍によって学校の休業状態が続くと、卒業を間近に控えた小学6年生と中学3年生において『学び残し』が生じてしまうことを懸念したからです」と宗木氏は説明する。

その後、12月末までに残りの学年と教職員を含む全学校での導入が完了した。

使いやすい授業支援システムが、未来を見据えたICT教育を促す

導入完了から1年近くが経過した現在、摂津市の市立小中学校におけるICT教育は、大幅に進んでいるようだ。

授業支援システムとして『ミライシード』を採用したことも活用を促すきっかけとなったようである。

「そもそもPCではなくタブレット端末を採用したのは、小学校低学年の子どもでも抵抗なく使えるようにと配慮したからです。『ミライシード』も、使いやすいタブレット学習用のソフトであることが選定の大きな決め手になりました。児童生徒が使いやすいというだけでなく、ICTに不慣れな教員でも使いこなせる点を評価しました」と説明する。

全学校への導入が完了後、大塚商会は全ての教員を対象とする『ミライシード』の導入研修を実施。その効果もあって、学校ごと、教員ごとに工夫を凝らしたインタラクティブ授業が実践されるようになった。学校同士や教員同士が交流し、そうした好事例を共有し合う動きも広がっている。摂津市教育委員会は、各学校の教員から選抜した7名のICT教育推進リーダーに、交流の旗振り役を担わせている。

ICT支援員による助言が改善のきっかけに

また、ICT支援員によるサポートも、各学校のICT教育の活発化に役立っているようである。

ICT支援員は原則月2回、各校を訪問して、授業支援や研修支援などを行うことになっている。宗木氏は、「授業におけるICT機器やソフトの使い方、効果的な学習方法などをアドバイスしてくれるのが非常にありがたいですね。また、毎月の定例会で、どの学校がどんなことに困っているのかといったことを報告してもらえるので、現場の状況を把握し改善を図るうえでも助かっています」と評価する。

現在、摂津市は「摂津市GIGAスクール構想」を立ち上げ、将来を見据えた新しい教育をスタートしている。プログラミング教育については、市独自の体系表を作成し、新学習指導要領が定める以上のカリキュラムを小1から盛り込むなどがその一例だ。

宗木氏は、摂津市教育委員会による今後のICT環境の整備について、「タブレット端末入れ替えの時期には、ICT基盤の見直しや再整理などが必要となってきます。その際にも、大塚商会さんにはご支援を期待したいですね」と語る。また、「今後のICT教育ではデータに基づく改善が重要になってくるので、そうしたデータの提供もご検討いただきたい」と要望した。

大塚商会担当者からのコメント

「これからも迅速な対応を心掛けます」

摂津市教育委員会様からは、「ちょっとした質問や相談に対して迅速かつ親身に答えてくれるので助かる」という評価をいただいております。これからも迅速な対応を心掛けます。

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