3Dレーザースキャナーで現況把握・測量を効率向上

総合建設コンサルタント企業が3Dスキャナーを導入。現況把握と測量の効率がアップしCIM推進にも活用

株式会社エイト日本技術開発 導入事例

建設業101~1,000名CAD(設計支援ツール)営業・業務プロセス効率化コスト削減・売り上げ向上

株式会社エイト日本技術開発は、BIM/CIM推進の一環としてLeicaの3Dレーザースキャナーを大塚商会から導入。地形や建造物の簡易的な現況把握から、公共測量規程に準じた本格的な計測にまで使える点が社内で高く評価され、幅広い業務に活用されている。

  • 業務の効率向上
  • 生産性向上

2020年12月取材

株式会社エイト日本技術開発

導入先の概要

業種
総合建設コンサルタント
事業内容
建設コンサルティング、補償コンサルティング
総従業員数
968名(2020年7月現在)
ホームページ
https://www.ejec.ej-hds.co.jp/

導入の狙い

  • BIM/CIM推進の一環として新技術を導入したい
  • 現況把握や測量の効率向上を図り、手戻りを減らしたい

解決策

  • 3Dレーザースキャナーを導入し、社内各部門への普及を促す

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
3DレーザースキャナーLeica RTC360お問い合わせ
3DレーザースキャナーLeica BLK360お問い合わせ
点群編集ソフトLeica Cyclone FIELD 360
点群データ合成処理ソフトLeica Cyclone REGISTER 360
3次元CADAutodesk Architecture,Engineering,Construction Collectionお問い合わせ

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株式会社エイト日本技術開発 導入事例(PDF:4,270KB)

導入事例詳細

社会資本に関わるプロジェクトをオールインワンでサポート

関西支社 国土インフラ部 河川・港湾グループ グループサブマネージャー 兼 技術本部 CIM推進室 室長 田中 栄吾氏

岡山県岡山市に本店を置く株式会社エイト日本技術開発(以下、エイト日本技術開発)は、東証1部上場企業であるE・Jホールディングス傘下の総合建設コンサルタント会社だ。

2009年に株式会社エイトコンサルタントと日本技術開発株式会社が統合して発足。「地球環境や国土の保全、地域のインフラ整備に、優れた技術の発揮を通して、企業価値の向上を果たすと共に社会的責任を全うし、人類の福祉に貢献します」を企業理念に、環境・エネルギー、自然災害リスク軽減、都市・地域再生、インフラマネジメント、情報・通信の五つの重点分野の建設コンサルティングを行っている。

中でも、道路・橋梁(きょうりょう)や港湾、砂防堰堤(えんてい)といった社会資本整備のコンサルティングで圧倒的に高い実績を誇る。

「社会資本に関わるプロジェクトについて、調査から計測、計画、設計、施工管理、維持管理・保全までの全てをオールインワンで提供できるのが何よりの強みです」と語るのは、同社 関西支社 国土インフラ部 河川・港湾グループ グループサブマネージャー 兼 技術本部 CIM推進室 室長の田中 栄吾氏である。

国内における経験とノウハウを生かし、アフリカでの道路や灌漑(かんがい)施設整備など、海外でも幅広い事業のコンサルティングを請け負っている。

BIM/CIM推進の一環として『Leica BLK360』を導入

国内トップクラスのインフラ・ソリューションコンサルタントを目指すエイト日本技術開発は、早くからBIM/CIMの推進に取り組んできた。2016年にCIM推進研究会を発足し、翌年6月にはCIM推進室を開設。各部門におけるBIM/CIMの活用を支援する体制を整えた。

同推進室は、BIM/CIM活用効果が見込まれる業務を社内で公募・選定し、その試行の成果を技術開発、技術普及、広報、空間情報の四つを柱としたワーキンググループにフィードバックすることで、業界内における評価の向上を目指している。また、BIM/CIMの一般論について学び、技術を習得するための講習会を行うなどの社内普及にも取り組んでいる。ハンズオン形式の講習会には大塚商会の研修担当者も招き、実践的な教育を行っているのが特長だ。

UAVを補える点に可能性を感じる

『Leica BLK360』(左)と『Leica RTC360』(右)。コンパクトなうえ折り畳んで持ち運びできるため、一人でもスキャニングが可能

こうした社内普及活動の一環として、CIM推進室は大塚商会から3Dレーザースキャナー『Leica BLK360』を導入した。

CIM推進室 室長である田中氏が大塚商会のソリューションフェアで3Dレーザースキャナーの紹介を受け、「試してみる価値があるのではないか」と感じたことが、導入のきっかけだった。

砂防堰堤のコンサルティングを行ってきた田中氏は、堰堤の底面を設計するために、沢などの複雑な地形を計測する作業の困難さを痛感しており、スキャニングするだけで簡単に3Dの地形データが描出されることに興味を抱いた。

「点群データのスキャニングと同時に写真も撮影できることや、UAV(ドローン)ではスキャニングできない細かな地形まで描けることにも可能性を感じ、ひとまず導入して、社内で試してもらうことにしました」と田中氏は振り返る。

UAVによる上空からのスキャニングでは、面的な形状は描けるが、地上から見える地形や構造物などの細かな形状は描き出しにくい。その点、地上に設置してスキャニングする3Dレーザースキャナーを併用すれば、UAVだけではカバーし切れない点群データを補えるのではないかと考えたという。

エイト日本技術開発が作成した3次元モデルの例

UAVによる撮影データや点群データを組み合わせることで、より精度の高いモデルの作成が可能

本格的測量にも対応することを確かめ上級モデルを追加導入

技術本部 CIM推進室 副室長 玉置 康雄氏

こうして『Leica BLK360』を導入したCIM推進室は、ひとまず社内での使用希望を募り、3~4件ほどの調査業務に貸し出した。

本体が非常にコンパクトなので一人でも持ち運べますし、設定やスキャニング方法もシンプルなので誰にでも簡単に使えます。そのため、最初は本格的な測量というよりも、ちょっと現況を記録しておくといった、カジュアルな使い方を想定していました」と語るのは、技術本部 CIM推進室 副室長の玉置 康雄氏である。

ところが、実際に貸し出してみると、使いやすいだけでなく、かなり精度の高い点群データを収集できることが分かった。

座標を固定すれば国土地理院が定める公共測量規程に準じた本格的な計測もできることが分かりました。測量機器としても十分に使えると判断して、翌年には上級モデルである『Leica RTC360』を導入し、本格的な社内普及を図ることにしました」と玉置氏は説明する。

今では計測や設計のほか、災害発生時の現況記録など、さまざまな部門が多様な目的で利用しているという。

工数や人員の削減など業務の向上にも結び付く

計測・補償事業部 東北支社 計測・補償部 グループサブマネージャー 佐野 龍太氏

実際に『Leica RTC360』を計測で使用している計測・補償事業部 東北支社 計測・補償部 グループサブマネージャーの佐野 龍太氏は、「昔は3Dレーザースキャナーというと大きくて重いイメージがあったのですが、小さくて現場に持ち運びやすいのは非常に重宝しています」と語る。

佐野氏を含めた計測グループは、測量にUAVと『Leica RTC360』を併用することが多く、それぞれがスキャニングした点群データを組み合わせることで、さまざまな目的に沿ったデータを作成している。大塚商会から導入した点群データ合成処理ソフト『Leica Cyclone REGISTER 360』や、3次元CAD『Autodesk Architecture, Engineering, Construction Collection』を使えば、複数の点群データを統合できるのだ。

また、佐野氏は「『Leica RTC360』は、1回のスキャンで点群データを収集できる範囲は限られていますが、場所を移動してスキャンすると、前に収集したデータと自動でひも付いて広い範囲が記録できます。これも、現場での使いやすさを考え抜かれた機能だと思います」と評価する。

Leicaの3Dスキャナーで取得した点群データは色付きで描写されるため、現場調査での見落としをカバーできる

現場踏査の見落としもカバーできる

3Dスキャナーを用いたスキャニングの様子。UAVでは撮影の難しい地形も簡単に撮影することができる

一方、田中氏は「災害発生時の現況記録に使ったことがあるのですが、『Leica RTC360』の点群データは、一つ一つの点に色が付いていて画像のように記録されるので、現場踏査の見落としをカバーできるのも大きなメリットです」と語る。

調査経験の浅い新人などは、目視による見落としが多く、もう一度現地に行かなければならないケースもあるが、『Leica RTC360』でスキャンすれば、画像のように現況が記録されるので、うっかり見落としても問題ない。田中氏は、「工数や人員を抑えられるだけでなく、経験者でなければできなかった調査に新人でも派遣できるようになったことは、非常に大きな成果だと思います」と語る。

こうした災害地は山奥などにあるケースが多く、田中氏は「『Leica RTC360』を使う場合には、スキャニングデータを取り込むタブレット端末のアプリにあらかじめログインしておかなければなりません。一度、うっかりログインするのを忘れ、現場の山奥から電波の届く場所まで下りて、もう一度登った経験があります。へき地や山間部で使う場合は、現地に向かう前に必ずログインしておくことが大切です」とアドバイスする。

こうした使い方の注意点や知見は、CIM推進室にも届き、社内全体で共有されているそうだ。「知見の共有とともに、社内コミュニケーションの活性化にも結び付いていることを実感します」と田中氏は語る。

エイト日本技術開発は、今後も3Dレーザースキャナーのさらなる活用を通じて、BIM/CIMの推進に取り組んでいく方針である。田中氏は、「精度の高い点群データが収集できるようになったので、今後はそれを面的なモデルに変換できるソリューションを導入したいと考えています。大塚商会さんには、さらなるご提案を期待しています」と語った。

大塚商会担当者からのコメント

「BIM/CIM推進のためのソリューションを幅広く提案します」

株式会社エイト日本技術開発様からは、3Dレーザースキャナー以外にも、BIM/CIM推進のためのソリューションに関するお問い合わせをいただいております。今後も、ご要望にかなった幅広いソリューションを提案します。

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  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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