公共工事の応札に関わる業務をAIで省力化

入札公告を自動要約し業務負荷を軽減。技術提案書作成への活用も視野に入れ、生成AIによるDXのさらなる深化を模索

株式会社 復建技術コンサルタント 導入事例

サービス業101~1,000名CAD・PLM(設計支援・管理ツール)AI・IoT情報共有・会議システム営業・業務プロセス効率化経営基盤強化・リスク対策

道路や河川などの社会インフラ整備の調査・計画・設計を担う株式会社 復建技術コンサルタントは、入札公告から必要な情報を抽出・要約する作業に法人向けChatGPTを導入。膨大な量の情報を整理する担当者の負荷を大きく軽減させた。今後は生成AIの活用範囲を拡大し、業務生産性を一層向上させる構えだ。

  • 業務効率の向上
  • 生産性向上
  • 営業力強化
  • 社内の情報共有

株式会社 復建技術コンサルタント

導入先の概要

業種
建設コンサルタント
事業内容
建設コンサルタント、IT関連事業、各種コンサルティングほか
従業員数
431名(2026年4月現在)
ホームページ
https://www.fgc.jp/

導入の狙い

  • 生成AIを業務負荷軽減に活用する可能性を模索したい
  • 膨大な件数の入札公告の情報を整理する労力を減らしたい

解決策

  • 大塚商会が提供している法人向けChatGPT『ChaChatアシスト』を導入して入札公告に関する業務を自動化する

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
法人向けChatGPTChaChatアシストお問い合わせ
ほか

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株式会社 復建技術コンサルタント 導入事例(PDF:3,294KB)

導入事例詳細

災害対応の豊富な実績が強みの建設コンサルタント

仙台市の官庁街に近い中心部に位置する本社。九州や北海道にも拠点を構えており、2016年熊本地震や2018年北海道胆振東部地震の災害復興にも貢献した

宮城県仙台市に本社を置く株式会社 復建技術コンサルタント(以下、復建技術コンサルタント)は、道路・河川・橋梁(きょうりょう)・上下水道などの社会インフラ整備に関する調査・計画・設計を手掛ける建設コンサルタント企業だ。2026年で創立80周年を迎えた長い歴史のルーツは、戦後の国土復興を目的とする国策により1946年に設立された、社団法人復興建設技術協会の仙台出張所にある。戦後の復興に一定のめどが付いた1960年に株式会社化してからは、主に東北地方の社会インフラ整備と災害復旧対応に携わり、「地域のホームドクター」を自負して持続可能な社会の実現に貢献してきた。

同社の主力事業は国や地方自治体が発注する公共工事だが、2000年代に入ると、インフラ整備の一巡や緊縮財政などにより公共事業が縮小する。その影響で受注案件数が減少していた同社にとってターニングポイントとなったのが、2011年に発生した東日本大震災の復興事業を担ったことだった。

営業部 営業情報課 課長 佐藤 雅士氏

「特に被害が大きかった東北地方沿岸部での事業を通じ、社会インフラの復旧や減災に関わる多くの知見と技術を蓄積しました。その経験を生かし、旧来の東京支店に加えて名古屋支店と関西支店を開設し、中部・関西圏の公共事業も請け負うなど、東北・関東地方以外の地域での事業展開にも力を入れるようになりました」と営業部 営業情報課 課長の佐藤 雅士氏は話す。

地震や豪雨による自然災害が激甚化し、道路や河川などの災害対策が重要性を増す中、創立80周年のスローガンとして「人を磨き、技で創る」を掲げる同社は、地元東北に軸足を置きつつ、より広域の「安全・安心な地域・社会づくり」にも持ち前の技術力を発揮している。

入札公告の内容を整理する煩雑な業務を効率化したい

国土交通省が提唱する「建設DX」の方針に沿って業務のデジタル化を推進している復建技術コンサルタントは、生成AIの急速な発達と普及を受け、膨大なテキストデータを学習し、人間のような自然な文章生成や高度な言語理解を実現する生成AI技術であるLLM(大規模言語モデル)を用いた業務効率化の可能性を探るようになった。

事業企画本部 調査役 阿部 孝章氏

「そうした中、PCやサーバー、各種業務ソフトの導入などで30年近い取引のある大塚商会さんに相談したところ、法人向けChatGPT『ChaChatアシスト』を紹介され、公共工事の入札公告から重要な情報を抽出する業務に活用できるのではないかと考えました」と語るのは、事業企画本部 調査役の阿部 孝章氏だ。

国や地方自治体は、官報発行サイトなどに掲載する公告を通じて入札に参加する事業者を公募する。そこで事業企画本部では、東北・関東・中部・関西各エリアの公告を閲覧し、自社で参入できそうな案件の発注内容、条件、評価項目、入札期限などの情報を抽出・要約して社内に共有している。各関連部署がその共有情報を確認し、応札すべきかどうかを判断するというのが、同社における業務の流れである。

しかし、公共工事の公告数は非常に多いうえ、時期によってばらつきがあり、集中するときには1日に100件以上開示されることがある。応募期限までの日数が短い案件も少なくなく、数十ページに及ぶ各公告のPDFをサイトからダウンロードして速やかに内容を把握し、必要な情報を余さず抜き出す担当者の負担はかなり大きく、その業務負荷の軽減が以前から課題になっていたという。

トライアル段階から高い利用価値を確信

『ChaChatアシスト』の『ファイルプロンプト機能』を利用して、入札公告の中から応札の可否を検討するために必要な要素を自動的に抜き出して取りまとめられるようになった

生成AIについてはほかのサービスも比較検討したが、復建技術コンサルタントは公共工事に携わるだけに、入力した情報がAIの学習に利用されない『ChaChatアシスト』のセキュリティ性を高く評価。加えて、「契約後すぐに使い始められるクラウドサービスである点や、リーズナブルな利用料で100ユーザーまで使える点に魅力を感じました」と阿部氏は振り返る。

「まずは1カ月間の無料トライアルを利用し、『ChaChatアシスト』に読み込ませた公告のPDFから、『ファイルプロンプト機能』で指定したキーワードに関連する情報の抽出と要約をさせてみました。すると、人が行う場合の8割程度の精度で実行されたため、ほぼ問題なく実務に活用できると確信しました」(阿部氏)

佐藤氏はこの結果を受け、『ChaChatアシスト』の正式導入を上申。「トライアルを利用した時期は社内にDX推進室が立ち上げられた直後で、利便性の高い先進的なソリューションを積極的に採り入れていた時期だったこともあり、直ちに承認されました」

プロンプトをブラッシュアップ、要約の精度がさらに向上

こうして2024年11月より、公告の情報を取りまとめる業務に『ChaChatアシスト』が正式に用いられるようになった。プロンプト(指示文)は、大塚商会が提供する文例集を参考に阿部氏がテンプレートを作成し、『シェアテンプレート機能』で共有。数名の担当者が、必要に応じてテンプレートをアレンジしながら、『ChaChatアシスト』への指示出しを行っている。

「情報の抽出・要約の精度は、本格運用を開始してからプロンプトをブラッシュアップしていく中で、人が行うのとほぼ遜色のないレベルにまで高まりました」(阿部氏)

今では、生成された要約文を手直しする必要もほとんどなくなり、担当者たちは限られた時間内に膨大な量の公告の隅々にまで目を通して、必要な情報を漏れなく抜き出す負担から解放されたという。

情報の絞り込みや業務概要の生成にも応用

公共工事の入札案件は、例えば建設関連資格の保有者数が問われるケースと問われないケースがあるなど、案件ごとに評価項目が異なっている。そこで営業情報課では、『チャット機能』で「有資格者数を評価する案件をリストアップして」といった指示を出し、応札するのに適した公共工事を絞り込むプロセスにも『ChaChatアシスト』を活用するようになった

また、営業情報課は、公共工事の発注者が閲覧する事業者に関する情報を集積するデータベースに、自社が手掛けた案件の実績や概要を登録する業務も担っている。成果案件に関する数十ページの報告書の内容を基に、所定の文字数に収めた要約を作成するには一定のスキルが求められるが、この作業においても『ファイルプロンプト機能』を用いた自動化を試み始めた。

報告書のWordファイルを読み込ませて文字数を指定すれば、すぐに要約が生成されます。この作業に慣れたベテラン従業員にとってはそれほどの手間がかかる作業ではありませんが、データベースへの登録には期限があるため、複数の案件が重なったときなどにはとても重宝しています」(佐藤氏)

『ChaChatアシスト』の導入は、ベテランの作業負荷軽減はもちろん、専門知識がまだ十分備わっていない若手従業員にもベテランと同レベルのアウトプットを可能にした。一方、生成AIに頼り過ぎると、業務の全体像を理解したり、文章を作成したりする能力を損ないかねないところが悩ましいが、「若手がまず自らの手で業務概要をまとめる訓練を経て、十分な力を付けつつ、『ChaChatアシスト』を活用して業務生産性を高めていくことも有効だと考えています」と佐藤氏は話す。

技術提案書の作成に『RAG機能』の活用も検討中

公共工事の入札では、発注者の課題に対する具体的な解決策を記した技術提案書の提出が求められる。そこで役立てられそうなのが、『ChaChatアシスト』に搭載された『RAG(検索拡張生成)機能』だ。

例えば、「有給休暇取得の手続きを教えて」とプロンプトを入力しても、ChatGPTは質問者が勤務する企業における社内規約を把握してはいない。そのため、学習済みのデータに含まれる一般的な情報に基づき、実際の社内手続きとは異なる誤った情報をもっともらしく回答する「ハルシネーション(幻覚)」が発生してしまう。しかし、『RAG機能』を使えば、社内の情報をあらかじめ読み込ませておき、『ChaChatアシスト』に正確な返答をさせることができる。復建技術コンサルタントでは、この技術を活用し、社内に蓄積されている過去の技術提案書の内容をデータベースとして読み込ませ、類似案件の技術提案書を自動生成させることを視野に入れているのだ。

「建設コンサルタントとしての真価は、いかに訴求力の高い技術提案書を出せるかにかかっています。その作成を完全に生成AIに任せるわけにはいきませんが、たたき台を生成AIで作成して作業を効率化すれば、より多く応札できるようになります。また、営業情報課が『ChaChatアシスト』に作らせた提案書の優れた部分を、各担当部署が作成した提案書と足し合わせることで、より良い内容にするといった使い方も検討する価値があると思っています」(佐藤氏)

こうした取り組みは、技術提案書の品質を標準化するとともに、業務ノウハウを次世代に承継するための有効な手段になる可能性がある。

「弊社のDX推進は、まだ途上段階にあります。部門ごとに課題は大きく異なるので、生成AIに限らずそれぞれのニーズに即した最新かつ最適なソリューションやサービスを、引き続き積極的に提案していただきたいです」と、佐藤氏は大塚商会のサポートへの期待を込めた。

大塚商会担当者からのコメント

「建設DXの実現を全力でサポートします」

社会基盤の整備を担う株式会社 復建技術コンサルタント様にとって、業務品質と生産性の向上は欠かせません。生成AIのさらなる有効活用のためのアドバイスにとどまらず、あらゆる業務の効率化につながるご提案を続けていきます。

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  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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