- 業種
- 建設業
- 事業内容
- 建築の企画、設計、監理業務など
- 従業員数
- 10名(2023年7月現在)
- ホームページ
- http://www.form-net.co.jp/index.html
BIMツールで設計業務の大幅な効率向上を図る

株式会社 フォルム建築計画研究所 導入事例
建設業1~100名CAD(設計支援ツール)研修・人材育成営業・業務プロセス効率化社員育成・人材開発
株式会社 フォルム建築計画研究所は、共同住宅の企画・設計を得意としている一級建築士事務所だ。取引先への提案力や、設計業務の効率改善を目指し、BIMツール『Revit』を導入。3Dモデルによる修正効率と検証精度の向上を実現するとともに、若手社員のBIMツールのスキルアップにもつなげている。
- 業務効率の向上
- 営業力強化
- 人材育成
- 事業価値の創造
2023年7月取材
株式会社 フォルム建築計画研究所
導入先の概要

導入の狙い
- 業界のニーズに応えるためBIM環境を整備したい
- 3D CADで設計業務の効率改善を図りたい
解決策
- BIMツール、ビジュアライゼーションツールの導入
導入したメリット

導入システム
株式会社 フォルム建築計画研究所 導入事例(PDF:3,113KB)
導入事例詳細
共同住宅の設計を主軸に集客力を高める企画力で業績を拡大
株式会社 フォルム建築計画研究所(以下、フォルム建築計画研究所)は、1982年に創立された一級建築士事務所だ。東京都新宿区に本社を構え、建築の企画・設計および監理業務を行っている。そのほかにも、マンションのリフォームや建て替えの提案をはじめ、不動産経営や都市再開発に関する総合コンサルタント業務、土地有効活用のための調査・事業提案などを手がけている。
創業以来、サービス付き高齢者向け住宅や共同住宅を中心とした数多くの建築実績がフォルム建築計画研究所の強みとなっており、首都圏を中心に事業を展開している。

代表取締役社長 大木 薫氏
「当社の強みは、より多くの入居者を呼び込める、魅力ある住宅を作り上げるための『企画力』に秀でていることです。例えば、さら地にマンションを建てても、入居者がなかなか見つからず、家賃を低く設定しても採算が合わなければ建設する意味がありません。逆に言えば、集客力のある付加価値の高いマンションを設計し、家賃をいかに高く設定できて成約に結びつけるかが重要なポイントです。そのため、デベロッパーさんと密接なコミュニケーションを図りながら、より良い提案ができるように日々尽力しています」と語るのは、代表取締役社長の大木 薫氏だ。
ここ数年は、建築業界でBIMの活用が急速に進展しつつあるという。国土交通省の建築BIM推進会議の取り組みもあり、小規模な建設会社もBIMを積極的に取り入れるようになった。取引先からは、ウォークスルーのような動きのあるプレゼンテーション用データの制作依頼も増えている。
「数年後には、BIMデータのやりとりが当たり前の時代となるので、その環境整備を円滑に行うことが直近の課題でした」(大木氏)
Revit スクールで若手社員を中心にBIM活用を推進
同社は事務機器などの導入で長年取引していた大塚商会を通じ、2013年にBIMツール『Revit』の導入を試みた。ところが、当時は業務が多忙で若手社員も少なく、実運用には至らなかったという。しかし、BIM活用は待ったなしの重要な課題の一つだった。
そこで、若手社員を中心に大塚商会のRevit スクールに参加させるという形で、BIMツール『Revit』を2020年に再度導入。本格的にBIMへと移行することにした。
「大きな案件を抱えているベテラン社員は現場に呼び出されることが多く、落ち着いて新しいことに取り組めないことが前回の反省点でした。今回は若手社員にBIMツールを活用してもらい、その導入メリットを体感してもらうことで社内に広めようと考えました」(大木氏)
BIMツールを選定する際には、『Revit』以外の製品も比較検討したという。しかし、それらの製品は『Revit』と同様に直感的に操作は行えるものの、扉や窓などの部材を作成する手順が煩雑で、初心者にはハードルが高いものだった。
その点『Revit』は、建設業界に特化したBIMツールのため、建築事務所である同社の業務に最適だった。設計後にデザインを変更する際の自由度が高く、部材の作成も比較的簡単に行えることが決め手となった。
「これまで社内では『AutoCAD』を主に使っていたので、同じAutodeskの製品でデータ連携などの親和性が高いこともあり、『Revit』に注目しました。『AutoCAD』は汎用性が高く、どうせならより建築業に特化したCADソフトを使用したいと考えていたのですが、『Revit』ならその課題を解消できます。従来の2D設計から3D設計にスムーズに移行し、本格的なBIMの活用に取り組めるのが大きな魅力でした」(大木氏)
約3カ月で基本操作を習得して『Revit』を実案件で活用
『Revit』を活用するに当たっては、初期段階の設計から施工までの設計をサポートするBIMおよびCADのツールセット『AEC Collection』を導入。ライセンス価格が『Revit』の単体価格とほとんど変わらないため、コストメリットが高いと判断したからだ。『Revit』の習得に当たっては、大塚商会のRevit スクールを利用した。若手社員を中心に、2020年5月から9月にかけて約15回受講し、その後は、リモート運用支援などを利用しながら『Revit』の使い方を学んでいった。
「大塚商会さんの全面的なサポートによって、BIMツールを短期間で社内に浸透させることができました。若い人たちは新しいものを進んで取り入れる力があるので、Revit スクールを受講することで、想像より早く覚えられました」(大木氏)

黒田 洋介氏
新卒で入社した黒田 洋介氏は、「Revit スクールの中で基本的な操作方法を学びました。『Revit』は壁、床、屋根などの建築要素の部材データ(ファミリ)が充実していて、2D CADのように線だけで図面を作るのではなく、元からある部材を用いてある程度設計を進められるので、作業がしやすいと感じています」と語る。

李 明軍氏
同じく近年入社した李 明軍氏は、「一つのプロジェクトでBIMモデルを入力すると、3Dと図面が生成されるので効率よく作業を進められます。実際に図面を描くような操作手法で使い方を徐々に覚えていき、約3カ月で実案件でも『Revit』を活用できるようになりました」と説明する。
入社3年目の奥田 絃氏は、「以前使ったことのある3Dモデリングツールと似ていたので、操作自体はすぐに慣れました。扉や窓などの部材を事前に作成しておく必要がありますが、慣れれば、それほど難しいことではありません。Revit スクールを通じて一通りのことはマスターできました」と語る。
ビジュアライゼーションツール『Enscape』も追加導入

『Revit』モデルの3Dビュー
社内で『Revit』の活用がある程度浸透した段階で、同社はビジュアライゼーションツール『Enscape』も追加導入している。『Revit』で作成した3Dモデルを基に、高精度なウォークスルーなどが実現できるため、3Dモデルを活用したプレゼンテーションが容易に行える環境を整えられた。
「『Revit』のデータを修正すると、『Enscape』にリアルタイムで同期されてビジュアルに反映されることが一番の魅力です。レンダリングもきれいに行え、さまざまな角度から建物の内部を確認できるので、すごく便利です」(奥田氏)
「操作がとても簡単なので、誰でもすぐに使えるようになると思います。以前のレンダリングソフトと比べて、処理も非常に高速になりました」(李氏)
『Revit』の活用で修正漏れを予防し、3Dモデルで検証精度も大幅に向上
『Revit』を活用して実感している顕著な導入効果は、以前と比べて修正漏れが無くなったことだという。
「修正作業が生じた際、『AutoCAD』を利用していたときは1カ所ずつ図面を手直しする必要がありました。しかし、『Revit』ではBIMモデルを作成しているので、モデルを修正すれば全ての図面にも反映されます。この機能は、部屋数が多いマンションの案件で特に重宝しています。その空いた時間で別のことができるので、全体の作業効率は格段に向上しています」(李氏)

奥田 絃氏
設計段階で行う図面の検証精度が向上したことも大きな導入効果だという。
「2Dの図面では想像しにくいところも、3Dモデルでは角度を自由に変えながら問題箇所を探せるので、以前よりもデザインの良しあしを検証しやすくなりました。3Dモデル上で不自然な箇所があった場合、そこを修正すれば、図面表現にも反映されるので、容易に整合性も担保できます。当社はマンションなどの部屋数が多い建築物を設計することが多いため、不整合箇所を探す手間や漏れが無くなったことは非常に大きいですね」(奥田氏)

鮮明なビジュアル資料で顧客満足度が向上
『Enscape』も併用することで、3Dモデルを活用した分かりやすい資料を短時間で作成可能となった。その結果、顧客や取引先と初期段階から積極的な議論が行えるようになり、『Enscape』の導入は顧客満足度の向上に貢献している。
「ベテラン社員は、2D図面で考える習慣が身についていますが、新入社員にとって図面だけで完成した建築物をイメージするというのはなかなか難しいものです。『Enscape』では質の高いビジュアルを出力できるため、デザインのブラッシュアップもしやすく、人材育成という面でも大きな効果をもたらしています」(大木氏)
実際、同社は昨年よりも多くの物件に対応できるようになり、今回の導入は会社の業績アップに寄与している。
現在は、BIM活用の醍醐味(だいごみ)でもある『Revit』の「Work Sharing」機能を用いて複数の担当者による共同作業にも着手している。今後は、『Revit』の活用に関する社内ルールを明確にして、操作手順などを標準化することで誰もが高品質な設計業務が行える環境を整備したい考えだ。それにより、同社の強みである企画力のさらなる向上を目指す。
大塚商会担当者からのコメント
「BIMツールの導入・運用を全力でご支援します」
株式会社 フォルム建築計画研究所様は、若手社員を中心にBIMツール『Revit』の活用が着実に浸透しており、うれしく思います。今後も業務効率が改善できるツールの導入・運用支援を継続的にご提案します。

- 印刷して上司への説明に
- 印刷して稟議書に添付して
- 印刷して会議資料に
株式会社 フォルム建築計画研究所 導入事例(PDF:3,113KB)
- * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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