チーム一丸となって業務改革プロジェクトを推進

受発注・実績・検収入力作業の時短に加え、在庫情報の「見える化」で余剰在庫を16.8%削減

株式会社マグトロニクス 導入事例

製造業101~1,000名ERP・基幹業務・業務管理営業・業務プロセス効率化コスト削減・売り上げ向上

神奈川県座間市に本社を構える株式会社マグトロニクスは、工作機械や工業用ロボットなどに使用される電子機器を製造するグローバルエンジニアリング企業だ。顧客の要求により迅速かつ柔軟に対応できる体制づくりのため、さらなる業務改革を目指し、生産管理システムの再構築プロジェクトチームを立ち上げた。

  • 業務効率の向上
  • 余剰在庫の削減
  • 長時間労働の是正
  • 生産性向上対策

株式会社マグトロニクス

導入先の概要

業種
電子機器製造業
事業内容
電子機器・通信機器と周辺機器の製造販売業務、上記の各種機器の部品・材料などの輸出入業務
従業員数
370名(2020年4月現在)
ホームページ
http://www.magtronics.co.jp/

導入の狙い

  • 時間のかかる入力業務向上を図りたい
  • 在庫の「見える化」で余剰在庫を削減したい
  • 製品原価などをリアルタイムに把握したい

解決策

  • 生産管理システム+開発ツールによる業務改善を提案

導入したメリット

お客様の声を動画でご紹介

本動画は音声オンで再生されます。音量は、動画プレーヤー画面の下部にあるスピーカーアイコンで調整可能です。[動画再生時間:3分22秒]

製品導入に至った経緯、導入による効果をお客様の声でお話しいただいています。IT導入のヒントにご活用ください。

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
生産管理システム生産革新 Raijinお問い合わせ
アプリケーション開発ツールSMILE V 開発ツール
(Custom AP Builder)
お問い合わせ

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株式会社マグトロニクス 導入事例(PDF:3,319KB)

導入事例詳細

製造受託企業からグローバルエンジニアリング企業へ飛躍

代表取締役 社長 菅 正彦氏

株式会社マグトロニクス(以下、マグトロニクス)は、1979年の創業以来、工作機械や工業用ロボットをはじめとする産業機械の制御装置や、それに付帯するケーブル・ハーネスなどを受託製造する機械メーカーとして発展。日本のものづくりを支え続けている。

近年では、神奈川第1(東原)工場と神奈川第2(相武台)工場に加え、大阪工場と奈良工場、さらにタイ工場を新設。顧客により近いところに製造拠点を設置することで、顧客の要求仕様に基づいた製品を迅速に供給できる体制づくりを行っている。

「以前は、神奈川工場で製造したものを関西のお得意さまに出荷していましたが、受注量の増加や短納期化に対応するために関西へ工場を新設し、月次の生産能力を拡充しました。同時に、日本の自動車産業はタイに製造拠点を相次いで開設しているので、それに対応するために現地法人を作ってグローバル化を推進しています」と代表取締役 社長の菅 正彦氏は語る。

マグトロニクスのもう一つの大きな特長は、製造受託企業からグローバルエンジニアリング企業へと業務範囲を拡充していることだ。バリューエンジニアリング提案により、前工程の設計支援から、後工程の据え付け工事やアフターサポートまで一貫して提供し、コストダウンや製品性能向上を実現することで同業他社との差別化を図っている。

「近年の取り組みにより、さまざまな要求に迅速かつ柔軟に対応できるようになりました。機械製造業は、お客様の設備投資の周期やグローバルな経済の変化に影響を受けやすいので、年間の売り上げは上下することがありますが、ロングスパンでは緩やかに伸長しています」(菅氏)

原価や在庫の「見える化」で利益率を高めることが重要な課題

購買物流本部 本部長 飯塚 純一氏

マグトロニクスは以前から生産管理システムを導入していたが、事業規模が拡大するにつれて、従来の仕組みでは対応しきれなくなっていた。具体的には、受発注処理の入力作業に多くの時間がかかるため、その効率改善を図る必要に迫られていた。さらに、神奈川の二つの工場では、Excelを使って個別に原価管理や在庫管理を行っていたので、全社で情報を共有できないという課題も生じていた。

「現在はグローバル化の進展によって価格競争が激しいので、以前のように全体のコスト管理だけを行っていれば一定の利益を確保できる時代ではありません。そのため、個々の製品原価を『見える化』し、利益率を高める取り組みを行うことが重要な課題の一つでした」(菅氏)

その一方で、得意先がよりよい製品を投入するために、製造段階の直前になってから仕様を変更するケースが増えてきた。そのため、在庫情報の共有化を図り、無駄な在庫を抱えることなく、必要な部品を必要なタイミングで各工場に供給できる体制を整える必要があった。

経理財務本部 本部長 嶋田 浩丈氏

「以前はオーダーの仕様変更によって、使われなかった部品の在庫が工場に放置されたまま、別の工場で同じ部品を購入してしまうケースがありました。そうした余剰在庫の無駄なコストを削減することも重要な課題の一つでした」と購買物流本部 本部長の飯塚 純一氏は語る。

そうした中、関西に2工場を新設することになり、それを機に生産管理システムの再構築による課題解決に着手。その際に選定したのが、大塚商会が提案した生産管理システム『生産革新 Raijin』と開発ツール『SMILE Custom AP Builder(CAB)』の組み合わせだった。基本機能が充実していることに加え、エンドユーザー側でCABを活用することによって、さまざまな情報を瞬時に取り出せる環境が整うことが大きな選定理由の一つだった。

「新システムを構築する際に、業務の流れを一から説明するのは大変です。その点、大塚商会さんは以前から取引実績があり、当社の業務内容や課題をよく理解されていたので円滑にサポートしていただける安心感がありました」と経理財務本部 本部長の嶋田 浩丈氏は語る。

プロジェクト一丸で業務改革を進め業務時間を200時間/月削減

新システムの構築に当たり、2017年、嶋田氏が旗振り役となって社内にプロジェクトチームを発足。営業や生産管理部門など6部署から選抜の総勢20名以上だ。

「各部署の意見を取り入れた最適なシステム構築を行うため、社内の人材を集めることに注力しました。そのうえで、大塚商会さんに技術的サポートをいただくことで、プロジェクトメンバーの改革意識が確実に高まっていきました」(嶋田氏)

チーム一丸で進められた『SMILE』業務改革プロジェクトの成果は、受発注業務の自動化に始まり、製造実績の自動取り込み、QRコードでの検収作業など、各部門で多岐にわたる省力を行い、トータルで実に、200時間/月の業務時間が短縮された。

その導入効果は、既に明確な数字で顕著に表れている。まずは受注入力業務の自動化である。以前は得意先からの受注データを営業部門で手入力してシステムに取り込んでいたが、新システムでは、EDIのデータを自動的に取り込めるようになった。その結果、これまで1日4時間ほどかかっていた受注入力が不要になり、約80時間/月(20日×4時間)がまるまる短縮された。

また、購買物流部門では、これまでExcelの在庫情報を確認しながら仕入先の発注書を手入力で作成し、それをFAXで送信していた。その数は6,500枚/月に上っていたという。しかし、新システムでは、ボタンを押すだけで瞬時に発注書をメールで送信できるように工夫を施している。その結果、ここでも約60時間/月の時間短縮を実現している。

「仕入先協力のもと、納品書にQRコードを印字してもらい、それを読み込むことで、手入力していた入荷(検収)処理が月換算で約30時間短縮すると同時に入荷状況もシステム上でリアルタイムに確認できるようになりました」(飯塚氏)

このほか、製造部門でも、同じく手入力していた製造実績を自動的に取り込むことで、約30時間/月、時間短縮するなど、あらゆる部門に効果をもたらしている。

品目マスターの重複登録を全てチェックし50万点から30万点へ絞り込み

購買物流本部 生産推進課 秋山 美香氏

このような時間短縮が実現するまでのプロジェクトで最も苦労したことは、旧システムからのマスターの移行作業だった。「品目マスターだけで50万点に上り、同じものでもコードの『-(ハイフン)』や『/(スラッシュ)』の有無で重複登録されているケースがありました。そのため、重複しているものは統合し、過去10年間使用されていないものは削除するなどの整理を行い、最終的に30万件に絞り込み、新システムに移行しました」と購買物流本部 生産推進課の秋山 美香氏は語る。

開発ツールの「CAB」を使ってボタン一つで必要な情報を取り出す

さらに秋山氏は、大塚商会からCABの詳細な使い方を教わり、たった一人で約100本の帳票を作り上げた。「最初は自分一人でできるのか不安はありましたが、大塚商会さんの的確なレクチャーもあり、うまく進められました。それまで情報が必要となるたびにExcelやAccessを使って取り出していたのですが、CABを使ってボタン一つで情報を取り出せるようにしました」(秋山氏)

その結果、だれでもシステム上で必要な情報を瞬時に参照できる環境が整い、全社規模の情報共有が可能となった。

プロジェクトメンバーの高い意識とチャレンジ精神での業務改革は、さらに新システムの導入後も続いていく。

動き出した業務改革「余剰在庫の削減」に取り組む

新システムは、旧システムとの並行稼働を経て2019年10月に神奈川の本社と国内二つの工場で本格的な運用をスタートさせた。

正確な在庫数を把握し、余剰在庫も削減へ

生産管理システム『生産革新 Raijin』と開発ツール『CAB』の活用によって、さまざまな入力業務が自動化され、作業時間の大幅な短縮を実現。同時に、必要なデータをリアルタイムに集計して確認できる環境が整った

新システム導入前の課題の一つだった在庫削減も今回の刷新によって実現。受注段階で必要な部品の在庫数を自動的に引き当てることで、各工場の在庫数を正確に把握できるようになり、無駄な発注が減少。在庫数を13.1%削減することに成功している。さらに今後、各工場の余剰在庫の「見える化」とその流用により、16.8%の在庫削減につながるという。

今回のシステム構築により、製品原価を含めたさまざまなデータが「見える化」されたことも大きな成果の一つだ。「以前は、必要なデータを取り出すまでに時間と手間がかかり、タイムラグが生じていました。しかし、新システムでは、必要なデータをリアルタイムに集計して確認できるので、経営判断が迅速に行えるようになりました」(菅氏)

購買物流部門では、仕入先の納品書に印字されたQRコードを読み込むことで、これまで手入力していた入荷(検収)処理が効率アップし、約30時間/月の時間短縮を実現。入荷状況もシステム上でリアルタイムに確認できるようになった

チーム一丸となり、強い意志で臨んだ業務改革プロジェクトはさまざまな作業時間の短縮や、情報収集のスピードアップ、データの「見える化」など、数多くの大きな効果を生み出した。今後は『生産革新 Raijin』を関西二つの工場で水平展開し、さらに全社のシステムを統合させて工程管理の精度向上も図るなど、ITを活用した業務改革をさらにブラッシュアップしていく考えだ。

大塚商会担当者からのコメント

「プロジェクトメンバーの一員として業務改善をご支援します」

さまざまな部門のプロジェクトメンバーが熱心に打ち合わせに参加され、業務改善に真剣に取り組まれている姿に感銘を受けました。今後もお客様のプロジェクトメンバーの一員として業務改善の取り組みをご支援します。

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  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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