- 業種
- 建設コンサルタント
- 事業内容
- 社会インフラの調査測量・計画・設計・監理
- 従業員数
- 408名(2021年12月現在)
- ホームページ
- https://www.nakanihon.co.jp/
調査計測の重複を解消するため3Dスキャナーを導入

中日本建設コンサルタント株式会社 導入事例
建設業101~1,000名データ分析・活用CAD(設計支援ツール)業務データの活用営業・業務プロセス効率化
上下水道の計画・設計・監理を得意とする中日本建設コンサルタント株式会社は、各工種設計者による調査計測を一元化するため、3Dレーザースキャナー『BLK360』を導入。スキャンした点群データを基に、設備機器の配置検討、機器搬出計画や施工方法などを事前に検討、設計・施工の合理化にも役立てている。
- 業務効率の向上
- 情報価値の提供
2022年1月取材
中日本建設コンサルタント株式会社
導入先の概要

導入の狙い
- 工種ごとに重複する調査計測を一元化したい
- 設計内容について、効率的な合意形成を図りたい
- 上下水道施設特有の複雑で膨大な資産の全貌を把握したい
解決策
- 3Dレーザースキャナーを使って、工種ごとに現場計測をするムダを省く
- 点群データを基に、設備機器の配置検討、搬出計画や施工の最適な方法を見いだす
- 画像や高精度の計測データの取得による計画・設計の効率化
導入したメリット

導入システム
中日本建設コンサルタント株式会社 導入事例(PDF:3,072KB)
導入事例詳細
中部地域を中心に全国で事業展開。上下水道関連に強みを持つ

水工技術本部 部長 浅野 礼彦氏
中日本建設コンサルタント株式会社(以下、中日本建設コンサルタント)は、土木・建設工事のための調査測量や、計画、設計及び、監理などを行うコンサルタント会社である。名古屋に本社を置き、主に中部地域で事業を展開する一方、東京支社、大阪支社など国内41拠点を通じて全国でもサービスを提供。海外の上下水道設計などにも携わっている。
道路や鉄道、橋梁(きょうりょう)といった一般土木も手掛けるが、特に生活インフラである上下水道関連のコンサルティングを得意としている。「下水道関連の受注額は全国6位、上水道関連では9位の実績を誇っています」と語るのは、水工技術本部 部長の浅野 礼彦氏である。
上下水道関連のコンサルティングは、浅野氏が所属する水工技術本部と、環境技術本部という二つの部門が担当している。このほか、東京支社、大阪支社も、それぞれのエリアにおける上下水道関連のコンサルティングを主力としており、同社の卓越した知見や専門技術に対する全国の事業体(各地方自治体の上下水道局など)の信頼は厚い。
また、近年は地震や台風などによる洪水被害が増えていることから、治水事業のコンサルティングにも力を入れており、安全・安心な暮らしを守る「縁の下の力持ち」としての存在感をますます高めている。
設計業務の合理化のため、3次元CADを導入

環境技術本部 第1部 第3課 課長 青山 浩之氏
中日本建設コンサルタントは2017年ごろ、大塚商会を通じて建築設備用3次元CADの『Rebro』や3次元CAD『Archicad』を導入した。同社は全国上下水道コンサルタント協会(水コン協)に参画し、上水道関連事業の一端を担う調査測量、各種計画、設計、施工管理及び維持管理支援にBIM/CIMを活用する取り組みを進めており、その一環として実際の設計業務などに3次元CADを使用することにしたのである。
同社による3次元CADの導入には、それによって上下水道特有の設計にまつわる課題を解決したいという目的もあった。
「一般の土木と異なり、上下水道施設の設計では、土木、建築(建築機械、建築電気)、プラント機械、電気設備など、さまざまな工種がそれぞれの設計図を作成しなければなりません。以前は、各工種が作成した2Dの図面を重ね合わせて全体的な設計図を作成していたのですが、それぞれの描いた配管や配線、ダクトなどが干渉するため、調整に手間がかかっていました」と説明するのは、環境技術本部 第1部 第3課 課長の青山 浩之氏である。
立体的なチェックが可能になり手戻りが減少

環境技術本部 第2部 第4課 主任 北田 雄平氏
同社は3次元CADの導入によって、従来のやり方を大きく変え、まず基本となる3Dモデルを作図し、そこに各工種が配管やダクトなどを描いていくという方法を実践した。これによって立体的に干渉チェックができるようになり、施工現場における問題の発覚や手戻りが著しく減少した。
「3Dで全体を俯瞰(ふかん)できるだけでなく、必要な箇所を切り出して、施工に必要な平面図や断面図、配管の位置・サイズ・形状などのリストを自由に作成できるのもメリットです」と評価するのは、『Rebro』を使って設計を行っている水工技術本部 第1部 第1課の金井 あゆみ氏である。
「2Dから3Dの設計に変更したことは、若手社員の空間把握能力を高めるという教育効果にもつながっています」と語るのは青山氏だ。実際に、青山氏の下で設計業務などを行っている環境技術本部 第2部 第4課 主任の北田 雄平氏は、「干渉の有無などが直感で把握できるので、2Dよりも問題を発見しやすくなりました」と語る。

工種ごとに行っていた、調査計測業務を一元化
『Rebro』や3次元CAD『Archicad』によって3Dのメリットを実感した中日本建設コンサルタントは2021年11月、大塚商会を通じて3Dレーザースキャナーの『BLK360』と、点群データ処理ソフト『InfiPoints』を新たに導入した。その目的について、浅野氏は「近年、上下水道関連では、新たな施設を建設するよりも、既存施設の改修や、維持管理の業務が増えています。これらの設計を行うには、まず施設の現況を正確に調査計測しなければなりません。3Dレーザースキャナーは、その調査や計測を効率化するためのツールとして不可欠だったのです」と説明する。
先ほども述べたように、上下水道施設の設計は、土木、建築(建築機械、建築電気)、プラント機械、電気設備といったさまざまな工種が行う。調査計測も工種ごとに実施するため、何度にも分けて行わざるを得なかった。各工種がバラバラに調査計測を行うと、そのデータを取りまとめるという煩雑な作業も発生する。
業務効率向上とスタッフの安全確保を目指す
その点、3Dレーザースキャナーを使えば、1回の撮影(スキャニング)で現場の360度の状況を記録し、点群データ化されるので、複数のスタッフが何度も現場に赴く必要がなくなる。業務効率向上とスタッフの安全確保のために、願ってもないソリューションであった。
浅野氏は、数ある3Dレーザースキャナーの中から『BLK360』を選んだ理由について、「最も小さくて軽く、上下水道施設特有の複雑な構造や、高所箇所、狭い箇所での計測が可能で、『高精度の計測が可能な3Dレーザスキャナー』だったことが決め手でした」と語る。
一方、『InfiPoints』は、『BLK360』で記録した点群データを『Rebro』に取り込めるように加工する目的で導入した。既存施設の空間状況を点群で再現したデータを3次元CADに取り込めば、設備機器の配置検討、機器搬出計画や施工方法などの見当が付けられる。これによって設計業務の効率向上が期待できるというのが導入の狙いであった。浅野氏は、「大塚商会さんの製品説明会でデモを拝見し、『Rebro』と最も親和性が高いと判断したことから、『InfiPoints』を選定しました」と振り返る。
現況図の作成が不要に、施工の合理化にも結び付く

水工技術本部 第1部 第1課 金井 あゆみ氏
実際に『BLK360』と『InfiPoints』を使った点群データの活用は、設計業務の大幅な効率向上に結び付いたようだ。
金井氏は、「以前は、既存施設に新たな設備や仮設足場を設置するためには、まず『Rebro』で3Dの現況図を起こす必要があったのですが、その手間が一切なくなりました。点群で示された空間状況を見れば、どこに何を置けるのかがひと目で分かるからです」と語る。
現況図の作成よりも改修計画や設計内容の最適な施工手順を速やかに確認することが重要だ。しかし現況図の作成には最低でも10日前後かかるので、その日数が不要となったことは「非常に大きな効果」だと金井氏は言う。
また、浅野氏は「新たな設備を置くためには、どのくらいの空間を確保しなければならないのかといった状況も把握できるので、施工手順も組みやすくなりました。設備設計だけでなく、施工計画の合理化にも結び付いています」と評価する。
発注者やプロジェクト関係者とのデータ共有も検討

設計部署や支社と、定期的にテレビ会議でBIM/CIMへの取り組みや3次元設計などに関わる意見交換を行っている
現在のところ、『BLK360』と『InfiPoints』を主に活用しているのは上下水道関連の計画・設計に携わる水工技術本部と環境技術本部のみだが、浅野氏は「一般土木も含め、全社で活用する体制を整えていきたい」と語る。
そのために、各事業本部や東京、大阪の支社が手掛けているプロジェクトの中から活用できそうなものを選定し、水工技術本部が使い方などのアドバイスを行っているという。「水工技術本部の中でも、金井が最も使いこなしているので、社内における『伝道師』のような役割を担ってもらっています」(浅野氏)
今後は、現場ごとに記録・加工した点群データや、『BLK360』で撮影した360度の画像データを発注者やプロジェクト関係者などと共有し、合意形成の時間短縮に役立てたいと考えている。
浅野氏は、「当社は施設の維持管理のために、施設ごとの3Dモデルと設置年度、健全性などを組み合わせた独自の台帳システムを開発しています。将来的には画像データも組み合わせて、お客様により一層活用していただきたいです」と抱負を語った。
大塚商会担当者からのコメント
「外部との情報共有を可能にするソリューションをご提案します」
中日本建設コンサルタント株式会社様からは、発注主や関係会社との情報共有を可能にするため、セキュリティなどが担保されたソリューションを提案してほしいとのご要望をいただいています。実現できるように一層努力します。

- 印刷して上司への説明に
- 印刷して稟議書に添付して
- 印刷して会議資料に
中日本建設コンサルタント株式会社 導入事例(PDF:3,072KB)
- * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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