構造・樹脂流動解析ソフトで開発品質が向上

マリン市場で世界シェアを誇るリモコンメーカーが解析ソフトを活用。顧客満足度や技術力の向上につなげる

ニッパツ・メック株式会社 導入事例

製造業1~100名製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

船舶用リモートコントロールシステムなどを製造するニッパツ・メック株式会社は、製造する部品の強度を設計段階で予測するため、構造解析機能を搭載した『SOLIDWORKS Premium』を採用。さらに顧客の期待に応えるため、樹脂流動解析ソフトも追加導入した。手戻りの減少により、コスト削減を実現している。

  • 業務効率の向上
  • コスト削減

ニッパツ・メック株式会社

導入先の概要

業種
製造業
事業内容
船舶用および建設機械用のリモートコントロールシステムの設計・開発・製造・輸入・販売
従業員数
240名(2023年7月現在)
ホームページ
https://www.nhkmec.com/

導入の狙い

  • より多くの設計担当者で解析を活用したい
  • 顧客から特に要望の多い部品の外観をより高いクオリティで仕上げたい
  • 金型の修正回数やコストを減らしたい

解決策

  • 3D CADと解析機能が一体となったSOLIDWORKS製品を導入する
  • 解析ソフトウェアを活用し、技術力やモノづくり力を磨く

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
3D設計パッケージSOLIDWORKS Premiumお問い合わせ
構造解析ソフトウェアSOLIDWORKS Simulationお問い合わせ
樹脂流動解析ソフトウェアSOLIDWORKS Plasticsお問い合わせ

この事例を印刷、保存しますか?(無料)*内容は同じです

整形ずみPDFを入手

ニッパツ・メック株式会社 導入事例(PDF:3,254KB)

導入事例詳細

リモートコントロールシステムの世界トップブランドを目指す

技術統括部 機構設計部 次長 尾﨑 大志氏

ニッパツ・メック株式会社(以下、ニッパツ・メック)は、バネや自動車のシートなどを製造する大手自動車部品メーカー、日本発条株式会社(以下、日本発条)の子会社だ。日本発条と米国企業の合弁会社として1973年に設立。2010年に合弁を解消して日本発条の100%子会社となった。

主な事業は船舶用および建設機械用のリモートコントロールシステムの設計・開発・製造・輸入・販売だ。このうち船舶用リモートコントロールシステムなどのマリンプロダクトが売上高の約9割、世界シェアは約7割近くを占め、手掛けた製品は船外機や水上バイクなどを製造するメーカーに納入している。

「主製品は、船の後ろに取り付ける船外機を、前方にいながら操作するためのリモートコントロールシステムです。船外機とケーブルでつなぎ、メカニカルに操作するリモートコントロールシステムを長年手掛けてきましたが、近年はセンサーや信号などで船外機を動かす電子コントロールシステムも数多く開発しています」と説明するのは、技術統括部 機構設計部 次長の尾﨑 大志氏である。

横浜市にあるニッパツ・メックの本社。海が近い場所に位置し、試作した製品をテスト用ボートに取り付け試乗する機会も多い

「小さくても一流企業」をスローガンに掲げるニッパツ・メックは、大手船外機メーカーに直接製品を納入する「ティア1」(一次請け)の部品メーカーである。

開発するリモートコントロールシステムの多くはOEMで製造を請け負っており、同社の技術や品質に対する船外機メーカーの信頼は高い。

尾﨑氏は、「当社はマリン市場におけるリモートコントロールシステムの世界的なトップブランドになるという目標を掲げています。その実現のためには、技術力やモノづくりの力をとことん磨いていかなければなりません。そんな思いを全社員が持ちながら、日々研さんを重ねています」と語る。

構造解析ソフトも含まれる『SOLIDWORKS Premium』を採用

技術力とともに、品質の高さに徹底的にこだわるニッパツ・メックは、安定的な品質を実現するため、設計・開発から製造までの一貫体制を確立している。横浜市の本社で設計・開発を行い、長野県の駒ケ根工場で製造するという流れだ。工場には、製品の強度などをテストする評価設備も設置している。「お客様の要求どおりの仕上がりかを、最終段階まで徹底的にチェックしています」と尾﨑氏は説明する。

最終テストの結果は、バリューチェーンの“上流”である設計部門にもフィードバックされる。蓄積された試験結果を基に、設計段階から強度を徹底追求した製品を作るためだ。

また、同社は早くから設計に3Dソリューションを取り入れ、構造解析機能を使って、設計段階における強度シミュレーションも行ってきた。そのシミュレーション結果と製品最終テストの結果を照らし合わせ、狙いどおりの強度を有しているかどうかの検証に役立てている。こうした知見の積み重ねが、ニッパツ・メックの設計・開発力を高め、品質を向上させることにつながっているのだ。

同時に複数のユーザーが利用可能に

ニッパツ・メックは2015年、社内における3D設計ソリューションの活用を広げるため、従来使用していた設計ソリューションを『SOLIDWORKS Premium』に全面刷新した。

このソリューションは、SOLIDWORKSのさまざまなソフトウェアがワンパッケージになったものだ。解析のさらなる活用が導入の主な理由であったが、「以前のソリューションでは1ライセンス分しか利用できなかった構造解析機能が、同時に複数のユーザーで使えるようになったのが採用の決め手となりました」と尾﨑氏は振り返る。

『SOLIDWORKS Premium』には製品設計者向けでインターフェイスが使いやすい構造解析ソフト『SOLIDWORKS Simulation』が含まれており、より多くの設計担当者が同時に使え、取り合いにならなくて済むことを評価したのだ。

「操作方法も3D設計の概念はあったので、比較的スムーズに移行できました。適切なソリューションを提案してくれた大塚商会さんには感謝しています」と語る。

主製品である船外機用リモートコントロールシステムのコントロールヘッド部分。どんな艇にもマッチする斬新なデザインで、コンパクトかつ取り付けが容易である

シフト、スロットルの動作方向やストローク調整を行うコントロールユニット、防水性の高いアクチュエータも同社製品の特長である

優れた樹脂流動解析機能で、成形品質の向上を図る

ニッパツ・メックはその後も、SOLIDWORKS製品の追加導入によって活用の幅を広げていった。

2017年には、樹脂流動解析ソフトの『SOLIDWORKS Plastics』を導入している。設計段階でプラスチック部品の射出成形加工における樹脂の成形性を最適化し、製造する部品のクオリティを上げることが導入の主な目的であった。

「プラスチックの射出成形では、金型内部における樹脂の流動や収縮具合によって、ウェルドライン(樹脂の合流部分にできる線状の跡)、反り、ヒケ(表面のへこみ)などが生じることがあります。これらが発生しないように、設計段階で金型内部での樹脂の流動をシミュレーションするため解析ソフトウェアの導入を決定しました。特に主製品であるリモートコントロールシステムは、操作するとき実際に触り、目に見える部分なので、求められる外観のクオリティが特に高い部品です。弊社はOEMで製造を請け負うことが多いため、お客様から指定された意匠に合わせて製品開発をしなければならないという制約もあります。より確実にこれらの期待や要望に応えていく意味で、流動解析は非常に重要な製造工程と言えます」と尾﨑氏は説明する。

導入に当たって、同社の設計担当者たちは複数のソフトを検討したが、成形条件を柔軟に設定でき、SOLIDWORKS上で利用できる点などを評価し、最終的に『SOLIDWORKS Plastics』を選定した。

オーダーメードの教育プログラムで操作を習得

技術統括部 機構設計部 2課 安土 拓見氏

ニッパツ・メックは、『SOLIDWORKS Plastics』も大塚商会を通じて導入している。大塚商会とは、以前の3D設計ソリューションの導入などで10年以上の取引があり、同社の設計業務や「何に課題を感じているのか」までを熟知していることから、迷わず大塚商会へ相談した。「導入時のコンサルティングだけでなく、活用のためのサポートや、ユーザーの教育まで行ってくれることも高く評価しています」と語るのは、技術統括部 機構設計部 2課の安土 拓見氏である。

同社は、大塚商会にSOLIDWORKS製品の使い方と活用に関する教育プログラム作りと運用を依頼。その後、大塚商会はニッパツ・メックにおけるSOLIDWORKS製品の利用状況を調査したうえで、オーダーメードの教育プログラムを作り上げた。実際に教育プログラムを受講した安土氏は、「基本的な操作だけでなく、実際の業務における活用方法まで、実践に即した内容になっているのがありがたいと感じました」と語る。

また、使っていて分からないことがあれば、大塚商会のサポートセンターに電話するだけですぐに解決できる点も助かっているようだ。

ユーザーの力量を底上げし、さらなる活用を目指す

『SOLIDWORKS Plastics』で流動解析ができるようになり、ニッパツ・メックは大きなメリットを感じている。

「従来は、金型メーカーや成形の委託先の職人が、勘と経験に頼って反りやヒケが出ないように調整をしていました。しかし、実際に樹脂を流してみると思ったようにはいかず、設計に修正を加え、金型を作り直すという手間がかかってしまうシーンも少なくありませんでした。手戻りによって納品までのスケジュールが圧迫されるだけでなく、金型を作り直すと数百万円単位のコスト増となる場合がありますが、SOLIDWORKSの解析を複数人体制で行える体制となった今、それらのリスクを限りなく抑えて開発に臨める環境を整備できました」と尾﨑氏は語る。

設計修正回数を少しでも減らせば、リードタイムや費用のロスを圧縮できる。さらに流動解析に基づく成形により部品の品質が上がれば、得意先の評価も高まるはずだ。

「複数の分野をかけ合わせた解析ソフトを活用して業務フローが整ってきたことで、実際にお客様から高い評価をいただく機会も珍しくありません。トップブランドを目指す当社が日々心掛けている技術や精度の向上に、今回導入した解析ソフトは確実につながっていると思います」(安土氏)

『SOLIDWORKS Premium』の設計画面。微細な製品の構造を3Dビジュアルで確認でき、修正や変更は素早く反映される

『SOLIDWORKS Simulation』の強度解析画面。製品にかかる負荷や変形を分かりやすく可視化できる

より徹底した流動解析スキルの向上を目指す

今後の展望として、尾﨑氏は「先に導入した構造解析の業務フローはかなり確立してきたので、今後は流動解析のさらなる活用を図っていきたいです。また、ユーザーごとに流動解析ソフトを使いこなす力量も異なると感じているので、引き続き全社的に技術力の底上げをしていければと考えています」と抱負を語る。

大塚商会には、そのためのさらなるサポートを期待しているようだ。尾﨑氏は、「当社の事情をよく知っていて、どんな要望にも柔軟に対応してもらえる大塚商会さんに、これからも継続的なサポートをお願いしたいですね」と語った。

大塚商会担当者からのコメント

「樹脂流動解析ソフトのさらなる活用をご支援します」

ニッパツ・メック株式会社様からは、導入した『SOLIDWORKS Plastics』をもっと活用したいというご相談をいただいています。ご要望にお応えして、今後もお客様に合わせた最適なご支援とサポートを継続します。

この事例を印刷、保存しますか?(無料)*内容は同じです

  • 印刷して上司への説明に
  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

整形ずみPDFを入手

ニッパツ・メック株式会社 導入事例(PDF:3,254KB)

  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

大塚商会は、オフィスIT全般について、幅広く対応します

大塚商会は、お客様のビジネスチャンスの獲得やコスト削減・生産性向上・競争力強化といった課題や要望に対するソリューションをワンストップでご提供しています。
また、販売したコンピューター・サーバー・通信機器・複合機などのあらゆるオフィス機器、ネットワーク設備、ソフトウェアの保守サービスを、当社が行う「自営保守」の原則があります。そして、多くのスタッフや専用回線を持つたよれーるコンタクトセンター、全国に展開するサポート拠点、社内に数多く在籍する公的資格・メーカー認定資格者が、お客様を強力にサポートしています。

大塚商会の企業情報

大塚商会のサポートは、さまざまなメーカー・機器にも対応!

お客様のお手間を取らせず、一つの窓口でいつでも対応します。

導入後も支持される安心のアフターフォローとは?

オフィスのIT全般の導入について、お気軽にご相談ください。

最適なソフトを教えてほしい」「費用はいくらくらい?」などのご相談も承っておりますので、気になることはお気軽にご相談ください。

*メールでの連絡をご希望の方も、お問い合わせボタンをご利用ください。

ページID:00250201

ナビゲーションメニュー