- 業種
- 土木建設業
- 事業内容
- 測量業、建設コンサルタント、補償コンサルタント
- 従業員数
- 55名(2023年2月現在)
- ホームページ
- https://www.nichii.co.jp/
3次元点群測量によるi-Constructionの推進

ニチイコンサルタント株式会社 導入事例
建設業1~100名CAD(設計支援ツール)営業・業務プロセス効率化
民間建設現場の測量業務を起点に公共測量、設計、コンサルティングへと業容を拡大してきたニチイコンサルタント株式会社。近年注力するのは国土交通省が推進する「i-Construction」への対応をはじめとする測量×ICTによる新たな付加価値の創出だ。これには若手社員が積極的に挑戦できる環境を整えている。
- 営業力強化
- i-Construction対応
- 顧客対応改善
- 事業価値創造
- 3次元点群測量
2023年2月取材
ニチイコンサルタント株式会社
導入先の概要

導入の狙い
- 3次元点群測量の精度向上
- 「i-Construction」への対応
- 同業他社へのアドバンテージ獲得
解決策
- 「i-Construction」に対応した使いやすいツールの導入
導入したメリット

導入システム
| 製品カテゴリー | 製品名・型番 | お問い合わせ |
|---|---|---|
| 3次元CAD | 『Autodesk Architecture, Engineering & Construction Collection (AECコレクション)』 | お問い合わせ |
| 『TREND-CORE』 | お問い合わせ | |
| 3次元点群処理システム | 『TREND-POINT』 | お問い合わせ |
ニチイコンサルタント株式会社 導入事例(PDF:2,037KB)
導入事例詳細
「i-Construction」対応をはじめ、測量×ICTで事業を伸長

代表取締役副社長 杉谷 真宏氏
調査・測量、設計、施工、検査という一連のプロセスがある建設業務において、その基礎を担うのが地形や地物を正確に測定する測量である。愛知県一宮市に本社を構え、東海三県に支店網を展開するニチイコンサルタント株式会社の歴史は、常に測量と共に進んできた。創業は1978年。民間工事現場の測量からスタートし、25年前からは公共測量分野にも参入。並行して、民間・公共分野の設計業務も開始した同社が、2010年代以降、積極的に取り組んでいるが3次元点群測量だ。
3次元点群測量の特長は、現地の植生などを問わず地形の測量を正確に行える点にある。加えて、ドローン測量の登場により、これまでは高価だった航空レーザー測量の普及も大きく進んだ。これらは、ICTの全面的な活用を通して建設生産システム全体の生産性向上を図る国土交通省の「i-Construction」や「BIM/CIM」における活用で注目されている。3次元点群測量は地形の把握、4次元の施工ステップによる施工手順の見える化、ICT建機とのデータ連携、さらに構造物が設計図どおりにできあがっていることを確認する出来形計測に至る多様な業務で大きな役割を果たすことが期待されているのだ。
同社は、2012年に地上型レーザースキャナー(TLS)、2015年にドローン測量をいち早く導入した。この先進的な取り組みは今、新たな強みにつながっている。執行役員 営業部長の中村 弘樹氏は自社のアドバンテージをこう説明する。
「現在の年間実績は100件前後で、これは県内の測量企業の中でも突出した数字です。その背景には『i-Construction』の一連の要求に一元的に対応できるという当社の強みがあります。ゼネコンを頂点にしたピラミッドにおける当社の立ち位置は、これまで地場の中小企業という受け止められ方がありました。しかし3次元点群測量に限れば、大手建設コンサルタントとの協業により、昨年は北海道、今年は九州など全国に業務が広がるなど、従来の枠組みを超えた広がりにつながっています」
次世代につなげる取り組みが、i-Construction対応に貢献

執行役員 営業部長 中村 弘樹氏
いち早い「i-Construction」への対応に大きな役割を果たしたのが、先代社長である創業者からの事業継承のため、8年ほど前に入社した代表取締役副社長の杉谷 真宏氏である。
「私は創業者や中村の世代が培ってきた会社の“魂”を誰よりもリスペクトしています。そのため、当社が培ってきた企業文化をどう伝えていくかは、入社当初から強く意識していました。特に建設ICTへの対応は、創業者の世代が培った文化を次の世代に伝えるうえで大きな意味を持つと考えました」
同社の設計業務では2次元のときからAutodeskのCADを長年活用し、3次元CAD『Autodesk Architecture,Engineering & Construction Collection(AECコレクション)』も導入している。一方、「i-Construction」案件対応を中心に同社の3次元点群測量を支えるのは、2017年に大塚商会から導入した3次元点群処理システム『TREND-POINT』だ。
「当時も今も3次元データを扱うツールは多くありませんが、福井コンピュータさんは測量系ツールを多く扱っており、操作面でなじみがあったことが選定理由でした。サポートの対応も早く、『i-Construction』の動きにスピーディーに追従いただけているので、この選択は正解だったと考えています」(中村氏)
ITパートナーとして大塚商会を選択した理由の一つは、その総合力だった。
「当社に限らず、建設業界は3次元対応が進むフロント側と比較して、バックオフィスのIT化は出遅れているのが実情です。無理に対応を急ぐ必要はないとは思いますが、時代の変化に応じて確実に推進する必要があることは間違いありません。その相談相手として、ネットワークやサーバーからCADライセンスまでワンストップで対応できる大塚商会さんのような存在はとても頼もしいと感じました」(杉谷氏)
実業務に応じてサポートを活用し、ノウハウを蓄積

3次元技術部 課長 髙橋 弘旭氏
3次元点群測量を担当する「3次元技術部」のメンバーは現在5名だ。リーダーを務める3次元技術部 課長の髙橋 弘旭氏は、3次元データ作成技術の習得プロセスをこう振り返る。
「測量の仕事はこれまでも行ってきましたが、3次元モデルの作成はメンバー全員が初めて着手することになりました。最初はメーカーさんから『TREND-POINT』の基本操作について説明を受け、その後は実業務に応じてお客様サポートに相談しながら理解を深めています。多様な機能を備えているので、まだ使ったことのない機能もありますが、まずは必要な機能をメンバーがそれぞれ学び、それをチーム内で教え合いながらノウハウを蓄積しています」
また、3次元技術部の駒﨑 友禎氏は、「『TREND-POINT』は直感的に操作できる部分と専門的な知識が必要になる操作の部分との二つがあるように感じています。福井コンピュータさんのUIの考え方についてはブレがなく、新たに学んだ知識をメンバー内で共有する際にもとても説明しやすく、助かっています」と『TREND-POINT』の操作感について語る。

取得した3次元計測情報を基に、『TREND-POINT』で3次元モデルを作成する。実案件で培ったノウハウを社内で共有しながら、技術レベルの底上げを図っている

点群データの加工や断面作成もスムーズに行えるため、変更にも無駄のない操作で対応可能で、「i-Construction」に準拠した図面としても使用される
従来の土木に収まらない人材を積極的に採用

3次元技術部 駒﨑 友禎氏
『TREND-POINT』を導入し、いち早く「i-Construction」に対応した同社の取り組みの効果としてまず挙げられるのは、取引先の拡大である。
「これまでの立ち位置は大手ゼネコンの下請けでしたが、『i-Construction』の場合、地場ゼネコンに工事を発注するのが一般的です。それに伴い、地場企業との取引が増えたことが一番の導入効果です。事業を立ち上げて以来、取引先の6〜7割は今まで取引がなかった新規顧客で、コロナ禍で対面の営業活動が難しくなる状況下でも、むしろ知名度による問い合わせが増えています。他社に先行して、取り組みを開始した効果をあらためて実感しています」(中村氏)
若手社員にとって魅力あるシステム環境を積極的に整備

3次元技術部 近藤 萌氏
同社が建設ICTというテーマに取り組んだ目的の一つには、建設業界が抱える人材確保の課題解決もあった。
「『i-Construction』の背景に建設業界の人手不足の問題があるとすると、これまでのように、ただ待つだけでは有為な人材の獲得は年々難しくなるはずです。当社は測量・土木分野のICTをテーマに東京で開催される展示会に早くから出展していますが、その狙いの一つが人材確保です」(杉谷氏)
実際、この出展によって有為な新卒社員の人材獲得につながっている。駒崎氏もその一人だ。
「展示会で杉谷副社長と会話した際、”多くの変化を求められている業界だが、失敗したらそのときまた考えれば良い、常に前に向いて進んでいく社風”だというメッセージが伝わり、入社を決めました。自分たちの世代が、これからのICT活用の時代を担うという自覚もありますし、そのためにやりたいことをやれる環境を作ってくれています。培ったノウハウを次世代に伝える役割もしっかり担いたいと考えています」(駒崎氏)
駒崎氏と同期入社の3次元技術部 近藤 萌氏が指摘するのは、「i-Construction」における女性活躍の可能性である。

『TREND-POINT』はビジュアル的な表現の幅も非常に広いため、プレゼン資料として見せ方をさまざまに工夫できる効果も持ち備えている
「私は大学で建築学を学ぶ中で測量に触れて魅了され、この道に進むと決めました。土木の分野で活躍する女性は今はまだ少ないのですが、この仕事は自分にとって天職だと思っています。『TREND-POINT』は使いやすさに加え、表現を自分なりに工夫できる点も多く、女性が得意とする細やかな感性を生かせる魅力的なツールです」
近藤氏は近年、施工管理技士などを対象にした測量や3次元データがテーマの社外セミナーで講師も務めている。
「女性の私が登壇すると驚かれるほど、この業界では女性が少数派です。さまざまな機会を通して測量という仕事の魅力を伝え、また土木は女性が活躍できる分野だという意識を広げて、この状況を少しでも変えていきたいと考えています」(近藤氏)
同社は今後も、3次元技術部の拡充に取り組む。『TREND-POINT』の活用と技術向上を第一使命として取り組んできた3次元技術部だが、数年前には『TREND-CORE』も導入している。重機や車両などの部品データが充実している『TREND-CORE』を併せて活用すると、『TREND-POINT』で足りないところを補いながら、より現場に伝えやすいデータの作成が可能になる。
杉谷氏の薫陶を受けた若手社員の存在は、今後の同社の成長に大きな役割を果たすことが期待されている。
大塚商会担当者からのコメント
「3次元ツールの活用を推し進める取り組みをこれからもサポートします」
ニチイコンサルタント株式会社様は3次元技術部における最新ツールの活用によって新規顧客獲得に大きな効果を得ていらっしゃいます。今後のツール活用の展望をしっかりとお伺いし、引き続き最善策の提案に努めます。

- 印刷して上司への説明に
- 印刷して稟議書に添付して
- 印刷して会議資料に
ニチイコンサルタント株式会社 導入事例(PDF:2,037KB)
- * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
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