のり面工事のICT活用を推進

ドローンで撮影したのり面の3D化で、測定・検査の効率が大幅に向上。高度な測量データ提示で営業力も強化

日特建設株式会社 導入事例

建設業1,001名~製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

東京都に本社を構える日特建設株式会社は、のり面工事や地盤改良工事のエキスパートとして事業を全国展開している。同社はドローンを用いた測量業務に3D点群処理システム『TREND-POINT』を活用することで、作業効率が飛躍的に向上。精度の高い測定データは営業ツールとしても役立てられている。

  • 業務効率の向上
  • 生産性向上
  • 営業力強化

日特建設株式会社

導入先の概要

日特建設株式会社

業種
建設業
事業内容
環境防災、維持補修、都市再生分野の専門工事
従業員数
1,054名(2023年2月現在)
ホームページ
https://www.nittoc.co.jp/

導入の狙い

  • ICTの全面的な活用に対応した業務環境を整備したい
  • ドローンを用いて測量業務の効率向上を図りたい
  • 直感的に操作ができる最適なシステムを導入したい

解決策

  • 3D点群処理システム『TREND-POINT』を中心とした測量による業務環境の改善

導入したメリット

のり面測量の作業時間を削減/険を伴うロープワークが不要 竣工後の検査がPC上で完結

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
3D点群処理システム『TREND-POINT』お問い合わせ
BIM/CIMコミュニケーションシステム『TREND-CORE』お問い合わせ
3D測量アプリ『OPTiM Geo Scan』お問い合わせ
土木施工管理システム『EX-TREND武蔵』お問い合わせ

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日特建設株式会社 導入事例(PDF:3,373KB)

導入事例詳細

のり面・地盤改良工事を主とした、地質に強い施工会社

藤田 哲氏

技術開発本部 知財・戦略部
次長兼任 ICT戦略課長 藤田 哲氏

日特建設株式会社(以下、日特建設)は、ダムの基礎工事を主な事業として1947年に創立。「基礎工事における総合的な技術力と効率的な経営」「安全・安心な国土造りに貢献する会社」などを経営理念に掲げ、のり面工事や地盤改良工事を中心に事業を展開。70年以上にわたって、環境防災、維持補修、都市再生分野の専門工事に特化した地質に強い施工会社として高い評価を得ている。近年、日本では地震や台風・豪雨などによる甚大な災害が頻発しており、建設業界では特に国土強靭化、減災化への対応が求められていることを踏まえると、日特建設に課せられる使命も高まっていると言えるだろう。

「私どもの強みは、さまざまな地盤に応じたのり面工事のノウハウを蓄積していることです。北海道から沖縄まで全国に支店や営業所があり、老朽化したのり面の維持補修や災害時の復旧工事などに尽力しています」と説明するのは、技術開発本部 知財・戦略部 次長とICT戦略課長を兼任する藤田 哲氏だ。

同社は2020年度から中期経営計画をスタートさせ、新技術による施工の自動化・省力化の取り組みを強化している。そのための重要なキーワードとなっているのがICTの活用だ。

「国土交通省が推進するi-Constructionに対応するため、ICT戦略課が現場のサポート役となり、2016年から無人航空機(以下、ドローン)を用いた測量と3Dモデルの作成にいち早く取り組み始めました。のり面工事の安全性を確保し、作業効率を高めることが主な目的です」(藤田氏)

ドローンによる測量業務で、使いやすいシステム環境を整備

ドローンの操作風景。ドローンで撮影したのり面の連続写真は、3Dモデルやのり面の展開図作成に役立てている

ドローンの操作風景。ドローンで撮影したのり面の連続写真は、3Dモデルやのり面の展開図作成に役立てている

同社は2016年に、ドローンと併せてオープンソースの点群処理ソフトウェアを導入。使い勝手などの検証を兼ねて3年ほど活用した。のり面工事の着手前、施行完了時にドローンで空撮し、その連続写真から3Dモデルを作成し、点群処理ソフトウェアで計測・活用する測量業務を実施してきたが、使用していたオープンソースの点群処理ソフトウェアでは機能面が不十分だったため、決して満足できるものではなかったという。

「当時の点群処理ソフトウェアは、点群を思うようにスナップできず、細部を確認する作業にも手間がかかり、計測値の精度面でも不安要素がありました」(藤田氏)。そこで同社は、以前からPCやCADの導入で取引していた大塚商会に相談し、ドローンを用いた測量環境を本格的に整備。その際、大塚商会から提案されたのが、3D点群処理システム『TREND-POINT』とBIM/CIMコミュニケーションシステム『TREND-CORE』だった。

『TREND-POINT』は、国土交通省が推進するi-Constructionに対応し、急速に普及が進む点群データの処理・活用を支援するシステムだ。膨大な点群データを快適に処理でき、豊富なフィルター(ごみ取り)による加工や断面作成、メッシュ土量計算などが行える。一方、『TREND-CORE』は、BIM/CIMやi-Constructionに対応するデータ作成を容易に実現できるシステムで、発注者や地元住民との合意形成を手助けするビューアー出力にも対応し、建設・土木業務の高度化を支援する。

「大塚商会さんのプレゼンテーションを見て、これなら使えると確信しました。選定の決め手になったのは、誰でも直感的に操作ができることです。ビューアーに3Dデータを出力することで、発注元のお客様とデータを共有しながら意思疎通が円滑に行えることも大きな強みです。土木業界で『TREND-POINT』を活用している事例も豊富にあるため、安心して導入に踏み切ることができました」(藤田氏)

直感的に操作ができる、『TREND-POINT』を即座に活用開始

山梨 太郎氏

技術開発本部 知財・戦略部
ICT戦略課 上級主任 山梨 太郎氏

『TREND-POINT』は2020年に導入し、ICT戦略課で試験的に活用を開始した。最初に藤田氏が操作方法を習得し、その後、技術開発本部 知財・戦略部 ICT戦略課 上級主任の山梨 太郎氏と同課 主任の蔵谷 樹氏も、藤田氏から操作を学びながら活用をスタート。ドローンによるデータ取得から『TREND-POINT』によるデータ加工まで、案件ごとに分担して作業を行うようになった。従来のオープンソースの点群処理ソフトウェアと比べ、操作性が格段にアップしたので、基本的な操作を行ううえで特に困ることはなかったという。

「以前の点群処理ソフトウェアは、コマンドを入力して操作を順次行っていく感覚でした。その点、『TREND-POINTは必要な機能を選択して直感的に操作ができるのでとても便利です自動車の運転と同じで一度コツをつかんでしまえば比較的簡単に使いこなせるようになりました」と山梨氏はその操作感について印象を語る。

一方、蔵谷氏も、「『TREND-POINTはUIがシンプルでとても分かりやすいのでCADの操作経験がない人でも付属のマニュアルを見ながら独学で操作の流れを覚えることができると思います私自身も多くの時間をかけずに操作できるようになりました」とUIの分かりやすさを強調。

「細かな操作方法で分からないときは、大塚商会のサポートデスクに電話をすれば丁寧に教えてくれます。大塚商会さんが仲介役となり、メーカーの担当者からもアドバイスを受けられるので、とても助かっています」と藤田氏も説明する。

人による測量データと比較して精度の高さを実証

蔵谷 樹氏氏

技術開発本部 知財・戦略部
ICT戦略課 主任 蔵谷 樹氏氏

既に『TREND-POINT』は実際の案件で活用がスタートしている。まず、ドローンで撮影した写真から3Dモデルを作成し、これをPC上で操作。これにより、実際に現場で作業員がのり面に登ることなく計測でき、3Dモデル作成まで可能になった。また、オープンソースの点群処理ソフトウェアを使っていた時よりも現地の状況を詳細に確認できるようになっているという。

「導入当初は発注元のお客様のデータに対する信用を得るために、これまでどおり作業員によって測量したデータとドローンを用いた3Dモデルの測量データを比較し、精度面で問題がない点を説明することから行いました。次第に、発注元の理解が高まり、3Dモデルのみで測定して成果物を納品するケースが増えていきました」(山梨氏)

のり面測量の作業時間を4割削減、危険が伴うロープワークから脱却

『TREND-POINT』を導入したことでドローンを用いた測量業務が省力化され、3Dモデルの作成や流出する土量の計算が効率的に行えるようになりました。以前は対応できなかったデータの取得も可能となっている。

「一番実感しているメリットは、土木施工管理システムEX-TREND武蔵TREND-POINTを連携させて展開図を簡単に作成できるようになったことです。操作に慣れるまで多少時間はかかりますが、ある程度スキルが身につけば、現地で人手による測量を行うよりもはるかに効率的で安全です。以前と比べ、のり面の測量業務に費やす作業時間が4割ほどは削減されていると思います」(藤田氏)

『TREND-POINT』は、現場作業の危機予測という面でも有効だ。例えばこれまでは、のり面の上部からロープを垂らして作業員がぶら下がり、巻き尺を使って測量を行っていたが、ドローンを用いた測量方法に変更することで、従来のロープワークによる測定が一切不要になりPC上で工事後の完成検査を完結できるようになった。作業員にかかる危険や身体的負担を軽減し、受注側と発注側の双方にメリットが生まれている。また、『TREND-POINT』は営業ツールとしての活用メリットも大きい。のり面工事を受注した際に、ドローンの測量データを基にのり面の面積を測定し、工事数量を算出できるようになったことで、発注元の要請に迅速に対応できる環境が整った。

「『TREND-POINT』は、運用管理がしやすいことも大きな利点です。以前の点群処理ソフトウェアは新機能を利用するたびにパッチを当てる必要がありましたが、その手間を省けるようになりました。測定したデータはPC上に保存して管理でき処理速度も速いので一連の業務がスムーズに行えます」(蔵谷氏)

2023年度には、全国にある同社の各支店でドローンを用いた新システムの活用環境が整う予定だ。ICT戦略課では、蔵谷氏を中心にドローンの操縦方法や『TREND-POINT』の使い方を分かりやすく紹介した独自の動画教材を作成し、Web上でオンライン学習が行える教育支援を展開。社内のICT活用を推し進めている。

「一番の課題は人材の確保です。既に支店によってはICTの活用が進んでいますが、今後全支店でICTのキーマンを育成し、ドローンによるデータ取得などを内製化できる体制を整えることが目標です」(藤田氏)

「国土交通省の仕様書は、専門的で難しい表現が多いので、その内容を分かりやすく簡潔に説明しながら、全国の支店のICT環境を円滑にサポートしていくことも今後の課題の一つです」(山梨氏)

『TREND-POINT』で作成した、のり面の3Dモデル。膨大な点群データを快適に扱え、断面図の作成なども容易に行える

『TREND-POINT』で作成した、のり面の3Dモデル。膨大な点群データを快適に扱え、断面図の作成なども容易に行える

『TREND-POINT』でのり枠の出来形を計測。土量の計算なども行えるようになった

『TREND-POINT』でのり枠の出来形を計測。土量の計算なども行えるようになった

今後は『TREND-CORE』『OPTiM Geo Scan』も有効活用

今後は、2022年に導入した『TREND-CORE』も本格的に活用し、ドローンで取得した点群データからのり枠の数量を算出するなど設計支援に役立てていく予定だ。また、レーザースキャナーなどの新技術活用も視野に入れている。その一つが、大塚商会から導入した3D測量アプリ『OPTiM Geo Scan』だ。『OPTiM Geo Scan』はスマホやタブレットをかざして作業現場をスキャンするだけで、手軽に3D測量が行える画期的なツールだ。ただし、測量できる範囲が狭いといった課題もあるため、今後社内で精度検証を行いながら小規模なのり面工事で有効活用していく考えだ。

日特建設の建設ICTの活用はますます加速していく。

大塚商会担当者からのコメント

「ドローンで空撮したデータ活用の効率向上を総合的にご支援します」

日特建設株式会社様は、ドローンで空撮したデータを基に、のり面の地形を3Dモデルにし、業務の効率向上を実現されました。大塚商会では、それを実現するための最適なシステム環境を整備し、総合的にご支援します。

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  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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