- 業種
- 総合建設業
- 事業内容
- 建築・土木など建設工事の請負
- 従業員数
- 11,163名(2025年3月現在)
- ホームページ
- https://www.shimz.co.jp/
働き方を変えていく強力な建設DXを推し進める

清水建設株式会社 Dynamo 導入事例
建設業1,001名~CAD・PLM(設計支援・管理ツール)製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化
清水建設株式会社の土木部門では、BIM/CIMの構築に必要不可欠な3次元モデルの作成効率をさらに高めるため、『Autodesk Revit』のビジュアルプログラミングツール『Dynamo』に着目。大塚商会の伴走支援サービスを利用して実践的なスキルを短期間で習得し、本格的な活用に向けて走り出している。
- 業務効率の向上
- 生産性向上
2025年9月取材
清水建設株式会社
導入先の概要

導入の狙い
- 複雑な線形の3次元モデルを効率的に作成したい
- 3次元モデルを活用したDXを促進したい
解決策
- 『Autodesk Revit』のビジュアルプログラミングツール『Dynamo』の活用を伴走支援するサービスを利用する
導入したメリット

導入システム
| 製品カテゴリー | 製品名・型番 | お問い合わせ |
|---|---|---|
| 『Dynamo スタートアップサービス(土木編)』 | お問い合わせ | |
| 『Dynamo 実践支援サービス』 | お問い合わせ |
清水建設株式会社 Dynamo 導入事例(PDF:3,911KB)
導入事例詳細
土木部門でDX戦略部が発足。3次元モデルを活用したDXを加速

東京・江東区に開設したオープンイノベーション施設「温故創新の森 NOVARE」には、従業員がコミュニケーションを取るためのスペースが数多く設けられている
清水建設株式会社(以下、清水建設)は、1804年の創業以来、「誠心誠意、心を込めて仕事に取り組み、良いものをつくって信頼されること」を目指して建設事業に従事し、日本の総合建設業を担うトップ企業の1社へ発展した。超高層ビルやマンションといった建物を建設するとともに、土木工事ではダム、トンネル、空港、発電所など大規模かつ高度な技術を必要とするインフラ整備を手掛けるなど、グローバルに事業を展開しながら、常に新しい知見や技術を追究している。

土木総本部 土木企画室 DX戦略部 デジタルコンストラクショングループ長 河上 展久氏
建設業界では、しばしば遅れが指摘されるDXの推進にも力を注ぐ。清水建設には複数の事業の柱があり、そのうちの土木部門の取り組みについて、土木総本部 土木企画室 DX戦略部 デジタルコンストラクショングループ長の河上 展久氏が説明する。
「私たちが考えるDXは、個別の技術・ツールを導入することや、それらの活用度が高まっていくことではありません。3次元モデルを中心としたデジタルデータとワークフローを一致させ、仕事の進め方自体をデジタル化し、業務効率化を通じて働き方そのものを変えようとする取り組みです」
河上氏が所属するDX戦略部は、2025年4月に新たに発足した。その中のデジタルコンストラクショングループは、土木部門のプロジェクトで使用する3次元モデルの作成を一手に担い、DX企画グループは、各支店や海外の土木工事現場で働く従業員へICTツールの導入や活用支援を統括的に行っている。

土木企画室 DX戦略部 DX企画グループ 石川 七恵氏
土木企画室 DX戦略部 DX企画グループの石川 七恵氏は、「毎月、各支店のDX推進責任者とDX戦略部のメンバーがオンラインでミーティングを行い、さまざまな意見交換をしながら土木部門を挙げてDXを推進しています」と語る。
3次元モデルを効率的に作成できる『Dynamo』の活用に着目する
土木部門では、以前からBIM/CIMツールの『Autodesk Revit』(以下、『Revit』)を導入して活用している。BIM/CIMとは、建設プロジェクトの計画、調査、設計、施工、維持管理といった全工程で3次元モデルを活用して関係者間の情報共有を容易にし、業務全体の効率化と高度化を図る取り組みだ。
しかし、『Revit』単体だけでは、複雑な線形の3次元モデルの作成が難しいので、より効率的に作成できる手法を模索していた。そうした中で着目したのが、『Revit』に標準搭載されているビジュアルプログラミングツール『Dynamo』だった。プログラミングの専門知識がなくても、事前に用意されたノード(関数)を接続するだけでプログラムを作成でき、さまざまなノードを組み合わせれば、BIM/CIM設計作業の自動化・効率化を図れることが大きな利点だった。

土木企画室 DX戦略部 デジタルコンストラクショングループ 石井 佳枝氏
「土木工事現場で施工を検討する際、なるべく早く3次元モデルを提供する必要があります。ところが、形状を簡略化してしまうと、あとで干渉チェックを行う際に支障を来してしまいます。その点、『Dynamo』なら精度の高い3次元モデルを効率的に作成できると聞いたので、実際に試してみたいと考えたのです」と経緯を振り返るのは、土木企画室 DX戦略部 デジタルコンストラクショングループの石井 佳枝氏だ。
以前から取引のあった大塚商会に相談し、2024年秋ごろから『Dynamo』の本格的な活用を検討するようになった。
「デジタルコンストラクショングループのメンバーは全員、大塚商会さんのサポートサービスを利用しています。オートデスクのソフトウェアの操作方法について、いつも丁寧に教えてくれるので、絶大な信頼を寄せていました」(河上氏)
大塚商会の二つの伴走支援サービスを有効活用
大塚商会の提案を受けて、2025年1月に『Dynamo スタートアップサービス(土木編)』を導入。これは、『Dynamo』の概念と基本操作、スクリプトの考え方についてサンプル事例を基に学習する教育プログラムで、今後の業務に役立つ基本的なスキルを習得していった。そのうえで、2025年4月には『Dynamo 実践支援サービス』を導入。清水建設の要望に応じたサンプルプログラムを大塚商会が作成し、それに基づいて『Dynamo』で自動化できる作業を顕在化することで、業務の効率化を図る実践的なスキルを身に付けていった。

『Dynamo 実践支援サービス』で、煩雑な作業を自動化できると実感
『Dynamo 実践支援サービス』は、事前に橋梁(きょうりょう)とトンネルのサンプルプログラムを準備し、2025年4月から9月にかけて、8回実施された。

土木企画室 DX戦略部 デジタルコンストラクショングループ 柿沼 とまや氏
参加メンバーの一人である土木企画室 DX戦略部 デジタルコンストラクショングループの柿沼 とまや氏は、「事前に『Dynamo』を利用する目的やゴールをもう少し明確にしておけばよかったという反省点はありますが、一般的に『Revit』では難しいとされている複雑な線形の構造物の3次元モデルが、『Dynamo』のプログラムで容易に作成できるようになると分かりました。これが一番の収穫です。例えば、『Dynamo』でプログラムを組めば断面図を線形上に並べて回転させる作業を自動化できるので、日常のモデリング作業で効果を発揮すると実感しました」と語る。

土木企画室 DX戦略部 デジタルコンストラクショングループ 曹 朋朋氏
さらに、「『Dynamo』は、その仕組みの理解と操作の習熟が必要になるため、円滑な開発進行が難しいのではないかと危惧していました。しかしながら、大塚商会さんから活用方法を詳しく教えていただいたので、運用面の心理的な障壁を大幅に軽減できました」と語るのは、土木企画室 DX戦略部 デジタルコンストラクショングループの曹 朋朋氏だ。
石井氏も、本格的な活用に向けた手応えを感じている。
「初歩的な質問にも丁寧に答えてくださったうえ、詳細な3次元モデルを効率的に作成する手順を分かりやすく説明していただきました。とてもありがたかったです」
汎用性の高いプログラムを開発し、顕著な導入効果を目指す

『Dynamo 実践支援サービス』では、丁寧なレクチャーが受けられたのはもちろん、自社メンバーだけでは思いつかない提案を大塚商会側から受けられて感謝しているという
今後、まずはDX戦略部のメンバーを中心に『Dynamo』を活用し、実際の土木プロジェクトの3次元モデルを作成して適用させていく。そのうえで、2026年度以降には3次元モデルの作成に携わっているほかの社員に水平展開していく計画だ。
「将来的には、より汎用性の高いプログラムの開発に注力します。受注前の入札段階から受注後の施工段階まで、幅広く活用できる自動化プログラムの作成が目標です。それには、3次元モデルの分割やレイヤー分け、属性付与といったさまざまな要素を考慮する必要があるので、多岐にわたる分野に精通した人材の確保が重要になると認識しています」(曹氏)
3次元モデルの作業工数を10分の1に削減
『Dynamo』の本格活用はこれからだが、精度の高い3次元モデルをより効率的に作成できる環境が整ったことで、今後、顕著な導入効果がもたらされると期待を寄せている。
「まだ『Dynamo』を使い始めたばかりなので定量的な効果は提示できませんが、個人的な感触では、3次元モデルの作業工数を10分の1くらいに削減できるのではないかと考えています。例えば、一度作成した3次元モデルを修正する場合、何度も同じ操作を繰り返すことが多々あります。しかし、頻繁に行う作業は『Dynamo』でプログラムを組んで自動化しておけば、あとでパラメーターの数値を変更するだけで3次元モデルの修正が簡単に行えるようになります。しかも、パラメーターの数値の変更は、建設現場でもすぐに試して検証できるので、その効果は絶大です」(河上氏)
3次元モデルを中心としたデジタルデータとワークフローを一致させて業務の効率化を実現するという、清水建設が求めている世界に限りなく近づくことは間違いないようだ。今後のさらなる展開に大いに注目したい。
大塚商会担当者からのコメント
「お客様をサポートする多様な伴走支援サービスをご提供します」
大塚商会のベンダーとしての務めは、製品のご提供だけでは終わりません。新たな製品を導入いただいた際には、お客様が業務で十分にご活用いただけるよう、さまざまな伴走支援サービスを用意してご提案します。

- 印刷して上司への説明に
- 印刷して稟議書に添付して
- 印刷して会議資料に
清水建設株式会社 Dynamo 導入事例(PDF:3,911KB)
- * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。
大塚商会は、オフィスIT全般について、幅広く対応します
大塚商会は、お客様のビジネスチャンスの獲得やコスト削減・生産性向上・競争力強化といった課題や要望に対するソリューションをワンストップでご提供しています。
また、販売したコンピューター・サーバー・通信機器・複合機などのあらゆるオフィス機器、ネットワーク設備、ソフトウェアの保守サービスを、当社が行う「自営保守」の原則があります。そして、多くのスタッフや専用回線を持つたよれーるコンタクトセンター、全国に展開するサポート拠点、社内に数多く在籍する公的資格・メーカー認定資格者が、お客様を強力にサポートしています。
ナビゲーションメニュー