全国有数の伝統校が電子黒板機能付きプロジェクターを導入。授業のスピードと密度が向上。ICTによる放送設備では高い教育効果を実感

「常にクラス全体を見渡しながら教室内を歩き、生徒としっかり向き合った授業が行えることは電子黒板の大きな魅力ですね」

学校法人上宮学園 上宮学園中学校・上宮高等学校 導入事例

学校101~1,000名学校・自治体情報共有・会議システム営業・業務プロセス効率化ITの運用・保守の負荷軽減

大阪・天王寺の上宮学園中学校・上宮高等学校は、1890年創立の国内有数の伝統校だ。文部科学省が掲げる学習者用デジタル教科書の導入ならびに、デジタル教材活用の初期段階として取り組みを開始した同校は、創立130年記念事業として2019年夏に完成した新校舎の全76教室と職員室に電子黒板機能付きプロジェクターを一斉配置。黒板のない、デジタル教材等のホワイトボードへの投影を前提にした教室への刷新は、授業中、生徒一人一人への目配りが行き届き、動画や図版を使った情報配信の実現など、さまざまな成果を生んでいる。

2019年11月取材

学校法人上宮学園 上宮学園中学校・上宮高等学校

導入先の概要

業種
教育
事業内容
学校運営
教職員数
282名(2019年5月現在)
ホームページ
https://www.uenomiya.ed.jp/

導入の狙い

  • デジタル教材の活用による、授業研究の効率と授業の質を向上させたい
  • 全教室のプロジェクターと校内放送を使って校内に情報発信を行いたい

解決策

電子黒板機能付きプロジェクターと総合教育ICTソリューション『みらいスクールステーション』の導入

導入したメリット

  • 生徒に近づき向き合う授業でスピードと密度がアップ
  • ICTによる情報共有で高い教育効果を実感
  • 校長 山縣 真平氏

    「教育の現場ではICTの活用が大きな課題であるのは間違いありません。生徒も教員もまだICTへの移行の過渡期だと感じています。とにかく使って慣れていくことが活用のための第一歩だと思います」

  • Instructional Design Section 山本 直樹氏

    「『みらいスクールステーション』のリモコン機能を利活用したり、タブレットを手に教室内を歩き回りながら授業を展開したりしています。教壇からだけでなく、常に生徒たちと向き合いながら授業ができることは大きなメリットだと思います」

導入製品情報

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
富士ソフト
総合教育ICTソリューション
みらいスクールステーション-
プロジェクター
超短焦点壁掛け対応モデル
EPSON EB-685WT-

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導入事例詳細

一人一人に向き合う教育を展開する国内有数の伝統校

大阪の私学の中でも最も古い学校である同校は、文武両道を目指しクラブ活動も盛ん。野球部をはじめさまざまなクラブが全国大会や府大会で活躍している

上宮学園中学校・上宮高等高校は130年の歴史を誇る国内有数の伝統校だ。大阪・天王寺の寺院の一角に浄土宗を母体とした学校が設置されたのは1890年のこと。その4年後には現在地に校舎を開設し現在に至っている。旧制中学、そして新制中学・高校として長い歴史を歩んできた同校において、新たな変革の一歩となったのが創立120周年を機に行われた男女共学化だった。共学化と前後して開設された「プレップコース」は変革の一例といえる。高校・大学連携入試などを活用してキャリア形成を図る同コースは、進学におけるミスマッチを回避する取り組みとして注目されている。

「プレップコースでは、高大連携プログラムやオープンキャンパスなども積極的に活用し、生徒自身が大学進学の目的を明確化していくことを重視しています。高校1年次の間で文系・理系を選択するなど、早い段階から自分の進路を考える取り組みは、生徒自身が満足できる進学先選びに確実に貢献しています」と校長の山縣 真平氏は説明する。

2019年夏には、創立130年を記念し新校舎が完成。それに合わせ、ICT教育基盤を一新した同校は、教育へのICT活用をはじめとする新たな取り組みを開始している。

デジタル教科書を視野に全校にプロジェクターと『みらスク』を導入

PCやタブレットなしで授業への使用が可能な『みらいスクールステーション』は、校内放送や校内のデジタルサイネージとしても活用可能だ

新校舎の建設に合わせ、同校では文部科学省が掲げる学習者用デジタル教科書導入、生徒一人1台端末使用を視野に、ICT教育環境の全面的見直しが図られた。その結果、中学全9クラス、高校全53クラスの各教室と特別教室へのプロジェクターとホワイトボードの配置を決定した。

「本校の場合、2年前に中学の数クラスに電子黒板付きプロジェクターを試験的に導入しています。当時私は中学理科を担当していたのですが、特に図で説明することが多い科目の場合、毎回板書する必要のないプロジェクターの活用は授業のテンポアップにつながるなど、メリットは大きいと感じました」と、理科の教諭でありInstructional Design Sectionの山本 直樹氏は振り返る。新校舎のICT環境整備は、いち早く授業へのプロジェクター活用を開始した山本氏を中心とするチームの約2年にわたる検討が反映されている。

「例えばプロジェクターを投影するホワイトボードは、あまり白すぎると光を反射して見えにくくなりますが、それは実際に授業で使ってみないと分からない部分です。こうした課題を大塚商会さんへ一つ一つ伝え、現時点でベストと思える組み合わせをご提案いただきました」(山本氏)

大塚商会が提案した電子黒板機能付きプロジェクターを選定した第一のポイントは、教室を暗くすることなく十分な視認性を確保できる使いやすさだった。また、全教室を対象とした大規模一斉導入ということもあり、コスト面のメリットも大きな意味を持っていたという。さらに同校は、プロジェクターの全面展開にあわせ授業だけでなく情報配信にも活用できるICTソリューション『みらいスクールステーション』も導入している。PCやタブレットを触らなくても、リモコンだけで簡単に使えると大変好評だ。

デジタル資料作成の労力も、3回の授業で回収

黒板に板書する方法と単純比較すると、教材のデジタル化によって「教材研究」に必要な時間は確実に増えてしまうのが実情だ。板書プランを想定しながら授業ノートをまとめるという手順に、板書内容のデジタル化という新たな作業が加わることがその理由である。ただしデジタル教材は一度作成すれば、繰り返し利用が可能であり、同様の授業を3回以上繰り返せば、教員の働き方改革の観点でも十分なメリットがあると同校は分析している。

「これまで、授業に先立って行う教材研究は1時間程度が目安でしたが、新たにデジタル教材を準備しようと思うと3時間は必要です。特に若い先生の場合、より良い教材作りに入れ込んでしまうことが多いため、それ以上の時間をかけているケースも少なくないようです。教材はPowerPointで作ることが一般的ですが、教材の均質化を図るため以前から整備してきたWordの授業ノートを活用するなど、作成方法はさまざまです。しかし、デジタルだからこそテキストデータの流用が可能で、来年度以降は大幅な負担の軽減が見込まれます」(山本氏)

導入に先立ち、全教員対象の研修を実施

導入に先立ち同校は大塚商会に依頼し、全教員を対象に電子黒板機能付きプロジェクターおよび『みらいスクールステーション』の使い方、そしてソリューション全般の活用方法に関する研修を実施した。

電子黒板は、ホワイトボードに投影されている画像の上から、電子ペンで直接文字などを投影する機能で、従来の板書と同じ感覚で利用することも可能だ。現時点では、電子黒板機能のみ利用する教員と、デジタル教材の活用まで踏み込んだプロジェクター活用を行う教員の割合はほぼ半々だという。

映像・画像配信機能が、校長講話のより深い理解にも貢献

講堂で行われる行事は、『みらいスクールステーション』を通じて職員室をはじめ、校内全ての教室に配信され視聴できる

『みらいスクールステーション』の情報配信機能は、各クラスへの時間割変更の通知をはじめさまざまな用途に活用されている。その一つが校長講話の映像配信だ。同校の場合、講堂収容人数の制約もあり、これまで生徒の多くは教室で校長の声だけを聴いていたという。『みらいスクールステーション』は、声だけでない、映像によるリアルな校内放送を実現している。

「新校舎では、これまで人目に付かない場所に安置してきた校祖・法然上人像を修復のうえ、エントランスに展示するようにしました。先日、法然上人がどのような方だったのか画像を交えてお話ししたのですが、その効果はてきめんでしたね。これは教頭が目撃したことですが、その日、遅くまで残っていた5人ほどの女子生徒のグループが下校時に、上人像に手を合わせてから帰宅したというのです。映像による校内放送が行動につながったことを実感しました」(山縣氏)

高密度の授業内容を時間内の問題演習で定着

電子黒板機能付きプロジェクター導入の第一のメリットに挙げられるのは、これまで生徒に背中を向けたり、半身になったりしながら行ってきた板書の時間などがなくなり、常に生徒たちの様子に目を配れるようになった点だ。また授業のテンポが速まり、問題演習の時間を授業内に確保できるようになったことも重要なポイントの一つ。

「授業のスピードが速まったことで増えたインプット情報の定着のために、私の場合、授業時間内に必ず問題演習を行いアウトプットもさせるようにしています。以前は定期試験前に演習時間を確保していたのですが、時間が経過していることもあり、生徒が授業内容を覚えていないことも少なくありませんでした。授業時間内に演習が行えることは、こうした状況の改善に大きく貢献しています」(山本氏)

まずはプロジェクターを活用し、そこで出た課題を次につなげたい

今後の課題は、全ての教員がプロジェクターをはじめとしたICTを活用することだ。

「今後は小学校の段階でICTに触れてきた世代が入学してくる中、教員側のICTへの理解向上が課題であることは間違いないでしょう。本学のICT教育の次の一手を検討するうえでも、まずは全教員に電子黒板機能付きプロジェクターなど、現在のICT環境に慣れ親しんでもらうことが必要と考えています。その中で出てきた課題を次の一歩につなげていきたいですね」と山縣氏は語る。

学習者用デジタル教科書への対応には、同時多接続を可能にする通信環境の整備をはじめ課題が多い。同校は次の一歩を踏み出すために、まずは教員側のICT教育への対応に力を入れていく考えだ。

大塚商会担当者からのコメント

「電子黒板機能付きプロジェクター活用のヒントが多い好事例です」

ICT教育への対応は現在、多くの学校で大きな課題になっています。学習者用デジタル教科書の本格的な導入に向けては、まだまだ解決しなければならない課題も多いと思います。生徒たちの使うデバイスの課題も含め、これからもご提案していきます。

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