患者様への説明用にアシスタントロボットを導入

入院時のオリエンテーションなど案内業務に11台のロボットを活用、看護師の業務負荷が軽減する

医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院 導入事例

サービス業1,001名~製品の導入・活用支援営業・業務プロセス効率化

医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院は、看護師など職員の業務負荷を削減するため、患者様が入院する際の説明や案内にロボットを活用することを決定し、アシスタントロボット『temi』を導入。院内共通の説明動画のほか、病棟やセンターごとのオリジナルコンテンツも制作するなど、工夫を凝らした活用を展開している。

  • 業務効率の向上
  • 働き方対策支援

2023年11月取材

医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院

導入先の概要

業種
総合病院
事業内容
内科、呼吸器内科など医療全般および介護老人保健施設の運営
職員数
1,545名(2023年11月現在)
ホームページ
https://www.ujitoku.or.jp/

導入の狙い

  • 看護師など職員の業務負荷を削減したい
  • 入院時の説明の抜け漏れをなくしたい
  • 患者様やご家族をお待たせする時間をなくしたい

解決策

  • アシスタントロボット『temi』を導入。入院時のオリエンテーションを代行させる

導入したメリット

お客様の声を動画でご紹介

本動画は音声オンで再生されます。音量は、動画プレーヤー画面の下部にあるスピーカーアイコンで調整可能です。[動画再生時間:5分44秒]

製品導入にいたった経緯、導入による効果をお客様の声でお話いただいています。IT導入のヒントにご活用ください。

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
アシスタントロボットtemiお問い合わせ
ロボット制御プラットフォームBuddyBot®-

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医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院 導入事例(PDF:3,101KB)

導入事例詳細

医療・介護・福祉サービスを一貫して提供できる体制を確立

医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院(以下、宇治徳洲会病院)は、1979年に開設された総合病院だ。京都府宇治市の高度急性期病院として、地域医療に長年貢献。建物が老朽化した2015年には新病院を建設した。病床数479床の病棟のほか、医療法人徳洲会 介護老人保健施設「宇治徳洲苑」(100床)、社会福祉法人 京都愛心会 特別養護老人ホーム「宇治愛の郷」(100床)を併設するなど、医療・介護・福祉サービスを一貫して提供できる体制を整えているのも特徴である。

時代のニーズに合わせ、宇治徳洲会病院は最新のデジタル技術やITインフラを積極的に採り入れている。2015年に新病院を建設した際には、全病棟に無線LAN環境を構築。スマートフォンのアプリを使って診療時間の予約が行えるサービスを提供するなど、患者様の利便性向上のためにもデジタル技術を活用している。

事務部長 塩﨑 忠一氏

「医療現場においては、全国でもいち早く手術用ロボットを導入しており、現在2台が稼働しています。体温などのバイタルサインを測定すると、計測値がそのまま電子カルテに記録されるシステムも活用しています」と語るのは、同病院の事務部長 塩﨑 忠一氏だ。

医療現場の“人手不足”が社会問題となるなか、デジタル技術を活用することで業務負荷を減らし、看護師が看護師として必要とされる業務に注力できる環境づくりを目指している。

入院時の説明などの案内業務に自律走行可能な『temi』を導入

ロボットをはじめとする最新技術の活用を前提に業務内容を見直し、人にしかできない仕事に専念できる環境を整える。これは、あらゆるサービス業に共通するデジタル化の大きな目的だ。宇治徳洲会病院も、この目的にかなったソリューションを常に探し求めている。

その一つとして2023年に導入したのが、アシスタントロボット『temi』だ。上部に大型のタブレット端末のようなディスプレイが付いた、自律走行型のロボットである。

総務課 主任 萩森 義宏氏

人間に代わって患者様やご家族を案内したり、ディスプレイに動画を表示して建物内やサービスの内容を説明したりと、さまざまな使い方ができる。同病院はこのロボットを、患者様が入院する際のオリエンテーションに使えないかと考えた。

「入院時に必要な持ち物や注意事項などは、病棟が異なっても多くは同じです。同じ内容の繰り返し説明なら職員ではなくても可能と考え、ロボットに置き換えることを検討しました」と振り返るのは、主任の萩森 義宏氏である。

そこで、アシスタントロボットの導入支援で実績のある大塚商会に相談。大塚商会からの提案を受け、『temi』11台を導入した。

コンテンツは現場の看護師自ら提案・制作

一度に11台を導入したのは、案内業務がある各病棟センターに1台以上配置するためだ。新しいテクノロジーを採り入れるのなら、一気に活用を広げようとする同病院の積極性が表れている。各病棟、救命救急センター、ERなどで案内が必要となる場面に合わせてコンテンツを作成できるよう、萩森氏は専門のエンジニアを任用した。

「入院説明などの共通する内容以外に、各病棟やセンターで『こんなコンテンツを作ってほしい』と要請があったので、現場の看護師の希望を基に積極的に制作しています。これまでに50以上のコンテンツを作りました」(萩森氏)。

導入からわずか数カ月で充実したコンテンツが整い、活用されている。

看護師の時間の使い方に大きな変化と効果が表れる

11台の『temi』が短期間で実稼働に至った理由の一つは、操作が非常にシンプルで、専門的な知識がなくても使いこなせる点にある。各病棟やセンターでの『temi』の活用は現場の課題を踏まえたものだ。

看護部長 北川 きよみ氏

「以前は患者様とご家族一緒に入院に関する説明を行えていましたが、新型コロナウイルスが発生してからは、感染防止のため患者様とご家族は別々に行わなければならなくなりました。職員は同じ内容を二度説明しなければなりませんでしたが、『temiの説明業務代行が可能になってからは看護師の負担が大きく軽減しました」と語るのは、看護部長の北川 きよみ氏だ。

救命救急センター病棟 看護主任の中森 久実子氏は、『temi』導入の効果を次のように説明する。

「救急車で運ばれてくる患者さんは、ご家族が付き添っている場合と、そうでない場合があります。ご家族が後から到着する場合、看護師は救急患者さんの診療を優先していますので、ご家族の到着に気づくのが場合によって遅れることが課題でした。そのため、到着したご家族が案内される控室に配置したtemiには、画面をタッチすると看護師のPHSにつながる機能を設定してもらいました。それでも緊急の状況下で気が付けないこともあるのですが、スヌーズ機能も付けてもらったので繰り返し連絡が入ります。おかげで、不安な状況のご家族をお待たせすることが少なくなり、早期に対面できるようになってきています」

6階の一般病棟で『temi』を操作して入院説明の準備を行う看護師。動画は『temi』の大きな画面で見ることができ、音声もクリアに聞き取ることができる

救急救命センターに隣接する家族控室に設置されている『temi』。画面には「ERスタッフを呼び出す」と表示されており、タッチすると看護師のPHSの呼び出しが始まる

患者様とのコミュニケーションにも『temi』が活躍

(左)救命救急センター病棟 看護主任 中森 久実子氏
(右)看護師 大城 陽子氏

temiの入院案内のおかげで、患者様個別に必要な説明やケアにより専念できるようになったと語るのは、一般病棟担当の大城 陽子氏だ。

「整形外科病棟では急な骨折などで手術が必要な方、けがのために今までできていた日常の動作ができなくなり、退院後も通院が必要な方などが多くいる病棟です。『temi』に入院という共通の説明を任せられるようになったことで、看護師は日常生活や退院後の生活に不安を感じている患者様へ、退院後の法的支援や保険申請の段取りなど、個別のケースに合わせた説明に時間をかけることができるようになり、また、ご家族を含めた関係性の確立などに、より時間を使えるようになりました」(大城氏)

(左)看護師 奥田 愛菜氏
(右)看護部長室 看護師 藤田 久美子氏

一方、ロボットによる説明は抜けや漏れがないので、看護師の「言い忘れ」や患者様の「聞いていない」といった記憶に起因するトラブルはめっきり減った、とその変化を語るのは、一般病棟を担当する奥田 愛菜氏だ。人が行う説明は、十分に注意しても、うっかり内容の抜け漏れが生じるものである。一定の情報を確実に漏れなく伝えるtemiの案内は、説明の質を約束する点で信頼性が高まっていると言えよう。

有効活用を重ねて患者様のために『temi』活用の場をさらに広げる

どんなに優れたソリューションを導入しても、現場で活用されず、無駄な投資となってしまうことは珍しくない。だが、宇治徳洲会病院の場合、そんな心配は全くなかったようだ。

「2023年2月に導入して以来、徐々に活用する機会が増え、今では月300件ほどの入院説明にtemiを利用しています」と説明するのは、入院サポートセンターの藤田 久美子氏だ。操作性が良く誰にでも簡単に使えることや、業務負荷が大幅に軽減されるメリットへの認識が深まったことが、活用を大きく促している。

「看護師からは『導入してもらって助かっている』という声が多数届いています。当院は高度急性期病院なので、救急の患者様が24時間、次々にいらっしゃいます。別々の患者様をほぼ同時に対応しなければならないケースも多いのですが、『temi』に入院説明を任せれば、その間に次の患者さんのための準備ができるのがありがたいです」と北川氏。

現在、『temi』に任せているのは説明業務や案内のみだが、事務部長の塩﨑氏は、「軽いモノを運ぶことなどもできるようなので、活用の幅をもっと広げていきたいですね」と期待を込めて語った。

4階の救命救急センター廊下に設置された『temi』。1~11Fまである広い病院内のさまざまな場所で『temi』が活用できるように配置されている

1階の入院サポートセンターで予約入院の患者様へ説明を開始する様子。説明を行う個室に看護師と共に入室してくる『temi』に「すごい」と笑顔で反応されることが多いという

大塚商会担当者からのコメント

「入院説明以外の『temi』の効果的な活用法もご提案します」

医療法人徳洲会 宇治徳洲会病院様からは「入院説明以外の『temi』の活用方法についても提案してほしい」とご要望をいただいております。他病院の活用事例なども参考に、積極的に提案していきます。

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  • 印刷して稟議書に添付して
  • 印刷して会議資料に

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  • * 本事例中に記載の肩書や数値、社名、固有名詞などは取材時点のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。

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