県立高校のICT整備を短期間で効率よく実現

最先端のキッティング手法で初期セットアップの自動化を図り、4カ月で25,500台の『Surface』を一斉導入

山口県教育委員会 導入事例

官公庁・自治体1,001名~モバイル・タブレット活用学校・自治体ネットワーク環境の構築・改善営業・業務プロセス効率化

山口県教育委員会は、文部科学省のGIGAスクール構想にいち早く対応するため、『Windows Autopilot』による事前プロビジョニングを有効活用。Windowsデバイス初期セットアップの自動化を図り、4カ月で25,500台に上る『Surface』の一斉導入を実現した。教育分野における先進事例として大きな注目を浴びている。

  • 教育のICT化
  • GIGAスクール対応

2021年12月取材

山口県教育委員会

導入先の概要

業種
地方自治体
事業内容
山口県の教育業務全般
教職員数
約3,600名(2022年1月末現在)
ホームページ
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a50100/y-edu/y-edu-top.html

導入の狙い

  • GIGAスクール構想にいち早く対応したい
  • 短期間に25,500台のPC端末を導入・展開したい
  • コロナ禍でも学習が円滑に行える環境を整備したい
  • 学校側の運用管理の負担を軽減したい

解決策

  • 次世代のキッティング手法による短期導入で、『Surface』を活用した快適な学習環境を整備

導入したメリット

導入システム

製品カテゴリー製品名・型番お問い合わせ
タブレット端末Surface Goお問い合わせ
Surface Proお問い合わせ
導入・運用管理ツールWindows Autopilot-
Microsoft Intuneお問い合わせ
Microsoft Endpoint Manager-
アプリケーションMicrosoft 365-
Microsoft Teams-

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山口県教育委員会 導入事例(PDF:2,056KB)

導入事例詳細

デジタル時代の人材育成に注力。県立高校の全生徒に端末を支給

今田 隆之氏

教育情報化推進室 主査 今田 隆之氏

山口県教育委員会は、「未来を拓く たくましい『やまぐちっ子』の育成」を教育目標に掲げ、各種施策を実践している。文部科学省が打ち出したGIGAスクール構想に対応するに当たり、山口県教育委員会は県立高校の生徒一人一台のPC端末整備を2020年から2025年までの6カ年で段階的に行う計画を立てていた。しかしそうした中、新型コロナウイルスの感染が拡大。山口県の県立高校も臨時休校を余儀なくされ、通常の授業が実施できない状況が続いた。

そこで、コロナ禍でも学習が円滑に行える環境を整備するために村岡 嗣政 山口県知事が当初の6カ年計画を前倒しする英断を下し、2020年度中に一気に整備する方針を打ち出した。それに伴い、2020年6月1日に教育情報化推進室を発足。県立高校のICT化を全国に先駆けて急ピッチで実施することになった。

教育情報化推進室 主査の今田 隆之氏は、「従来のように各課で個別に取り組んでいては短期間で一斉に整備することは困難です。そのため、組織体制を整えて県立高校のICT化を一元的に推進することになったのです。とはいえ、当時はコロナ禍でPC端末等の供給が滞りがちでした。その中で、タイトなスケジュールを厳守しながら、導入に当たっての教員の負担を可能な限り軽減するといった難しい課題をクリアしなければなりませんでした」と語る。

山口県独自の仕様に基づき、小型軽量で高性能なPC端末を選定

教育情報化推進室 主任 真崎 健氏 (左)
教育情報化推進室 主任 濱本 智大氏 (右)

今回のICT化の整備では、「コロナ禍によるピンチをチャンスに変え、未来型教育をスタートさせる」という村岡知事の強い思いに応えるために、端末選定には多くの条件が求められた。「小型軽量で堅牢(けんろう)であること」、「屋外でも使いやすいようにキーボードが取り外せること」、「前面、背面にカメラが付属していること」、「教員用端末は複数のウィンドウを表示できるように画面サイズが大きいこと」など、通常のGIGAスクールモデルよりも高スペックの山口県独自の仕様を定めた。

教育情報化推進室 主任の濱本 智大氏は、「デジタル教材の活用はもちろん、WordやExcelを用いた資料作成や、インターネットを活用した調べ学習に対応できること、さらに、高校生が社会人になったときにすぐに活躍できるように、一般的に広く用いられているWindows端末を導入することも条件の一つでした」と語る。

その後、一般競争入札を実施し、大塚商会の提案が採用された。

具体的には、生徒用端末に『Surface Go』、教員用端末に『Surface Pro』を選定。そのうえで、学習環境を高めるために『Microsoft 365』や『Microsoft Teams』を導入。さらに、全校の一斉導入と運用管理を円滑に行うために、Windowsデバイスの初期セットアップの自動化を実現する次世代のキッティングツールWindows Autopilotを導入。『Microsoft IntuneMicrosoft Endpoint Managerを効果的に活用した。

25,500台のキッティング作業の効率向上を図る

「県立高校は57校あり、生徒用の端末だけで23,000台に上るため、キッティング作業をいかに効率よく実施できるかどうかが一番の課題でした。そこで、教育情報化推進室と大塚商会、マイクロソフトの三者で相談し、『Windows Autopilot』を活用することにしたのです。とはいえ、教育分野では前例のない先進的な取り組みだったので、当初は不安もありました。しかし、大塚商会さんはマイクロソフトと太いパイプがあるため、何か気になることがあると、すぐに三者で相談しながら進められることができたので安心感がありました」(濱本氏)

設定を一元的に実施することで、4カ月で全県立高校に水平展開

従来、端末のキッティングを実施する場合、ひな型となる1台のマスターPCを用意し、そのマスターイメージを個々の端末に1台ずつコピーして必要な設定を行うやり方が一般的だった。しかし、端末の導入台数が多いと、かなりの時間と手間がかかり、後から設定変更などを行うことも難しくなる。

その点、山口県教育委員会は、最先端技術の『Windows Autopilot』を活用することで、キッティング作業の革新的なスピードアップを実現。わずか4カ月で全ての県立高校に水平展開し、最新のICT環境を整備することに成功している。

具体的には、デバイス管理の統合クラウドソリューション『Microsoft Endpoint Manager』内の『Microsoft Intune』で、利用するアプリや機能制限などを生徒用と教員用に分けて事前に設定。そのうえで、『Windows Autopilot』の事前プロビジョニング機能を活用することで、生徒用と教員用の全ての端末に設定内容が自動で反映される仕組みになっている。

端末にログインするだけで学習環境が自動設定

教育情報化推進室 主査 倉重 秀治氏 (左)
教育情報化推進室 出水 一弘氏 (右)

「端末の設定やユーザー情報の管理は、山口県教育委員会で一括して行っています。生徒や教員は、端末を起動してAzure ADでログインするだけで、学習や教務に最適な環境が整います。そのため、短期間での全校展開が可能になり、教員が生徒の端末を管理する手間が省けるようになりました」(濱本氏)

今回の取り組みは、端末の導入時のみならず、運用面でも効果をもたらしているという。教育情報化推進室 主任の真崎 健氏は、「各学校には、生徒が自分の端末を忘れてしまったときに備えて、一定数の予備機が用意されています。また、生徒が端末を落として破損した場合には、学校から教育情報化推進室に連絡が来るので、すぐに代替機を手配して配送しています。いずれの場合も、生徒が新しい端末を起動してログインすれば、即座に自分の学習環境を復元できるので非常に便利です」と語る。

多様な授業・学習スタイルを実現。生徒・教員・保護者から高い評価

今回の『Surface』をベースにしたICT環境の整備は、実際の授業や学校生活で効果的に活用されている。

教育情報化推進室の出水 一弘氏は、「昨年度まで県立高校で教頭として勤めていたのですが、『Surface』の導入によって授業のスタイルが様変わりしました。例えば、商業の授業では、軽くてどこにでも持ち歩ける『Surface』を活用して、地域の商店に出向いて自分たちが考えた町おこしのプレゼンテーションを行っています。国語の授業では、『Surface』のアプリを使って作文を提出し、それを生徒同士で共有して意見交換しながら、新たな気づきを与え合う学習をリアルタイムに展開しています」と語る。

今回のICT環境の整備は、山口県教育委員会が県立高校の教員や生徒、保護者に実施したアンケート調査でも大変好評だという。

教育情報化推進室 主査の倉重 秀治氏は、「教員からは、Surfaceと大型モニターの活用によって『視覚的な学習で生徒の理解が深まる』『板書の時間を短縮できる』といった声が寄せられています。一方、生徒からも、『インターネットを使って調べものがしやすくなった』『自分のペースで授業の復習が行えるようになった』と好評です。保護者からも、『コロナ禍でも学びを止めずに済む』『Officeは社会に出たときに役立つので、今から学べてありがたい』といった前向きな意見が寄せられています」と語る。

その反面、ICT機器の操作に不安を抱いている教員も少なくない。しかし、教員はもともと学ぶことが好きなので、教員同士で操作方法を教え合うことで、自然と授業での活用が広がっていったという。その際、『Microsoft Teams』も効果的に活用。県立高校のICT担当教員同士でグループを作成し、何か困ったことがあったときに気軽に相談できる場を提供している。

『Microsoft Forms』で作成したアンケート調査を実施したところ、生徒・教員・保護者が今回のICT環境の整備を高く評価した

『Microsoft SharePoint』で「やまぐちスマートスクール ポータルサイト」を開設。生徒向けの進学情報などを掲載し、情報共有の円滑化を実現している

『Microsoft SharePoint』で作成したポータルサイトで、情報共有を推進

2021年5月には、『Microsoft SharePoint』で山口県のICT教育のためのポータルサイト「やまぐちスマートスクール ポータルサイト」を開設。『Microsoft Intune』で全端末のプロファイルを変更し、生徒や教員の端末でブラウザを立ち上げると、最初に表示される仕組みになっている。主に生徒向けの進学情報や就職情報を掲載し、サイト内で生徒や教員向けのアンケート調査も行える。今後は、県内の高校や生徒同士の情報交換の場として拡充していく考えだ。

大塚商会担当者からのコメント

「教育現場のICT化整備を短期間で実現します」

山口県教育委員会様は、教育分野で『Windows Autopilot』による事前プロビジョニングを実施したことで、短期間で全ての県立高校に25,500台の端末を導入・展開されました。今後も教育現場のICT化を全力でサポートします。

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